緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

よーく考えてみると

2009-10-25 22:04:43 | 日々

 月に数回しかupしない、できない、このブログ。
 毎日更新なんて、とんでもないっ(汗)でして。

 でも、過去の記事を見ていると…。なんと、あらためて、このブログを始めて1年以上経っていることに気がつきました(おそっ)。
 
 よくここまで来たなぁ(あっぱれ、私)。

 
 これからも、少しでもがん患者さんのケアのことや、看護師のことなどなどをお伝えできればと思っています。
 
 ぼちぼちとおつきあいくださいね。
 
 今日も読んでくださったあなた。
 チラ見してくださったあなた。
 目に映っただけでさっさと退散したあなた。
 
 とにかく、ここを訪れてくださったみなさま。
 ありがとうございます。
 
 

もう少し、早く…

2009-10-24 21:29:42 | 日々の「ケア」

 私は、緩和ケア科の外来の面談を、緩和ケア医とともに担当しています。

 緩和ケア科の外来に患者さんが訪れることはまれで、主に、ご家族との面談になります。
 患者さんが面談に来院されない理由は、体調が外来受診を許さないから、ということと、患者さんが緩和ケア科の外来受診を知らないという理由が十中八九です。


 残念ながら、日本の今の現状では、緩和ケア病棟への入院を、一般の病院の緊急入院のように、「必要であれば24時間体制で入院可能」というわけには参りません。
 緩和ケア病棟の患者さんの収容には、キャパシティーが少なすぎるのです。

 
 そんなこともあり、外来受診をされてから、入院するまでには、1~2ヶ月ほど「入院待ち」しないといけないのが現状です。
 私の属する緩和ケア病棟は、地方に位置するので、入院待ちはまだましなほうで、老舗?の施設では、緩和ケア科の外来を受診するために何ヶ月も待たなくてはならない状態だと、ご家族から耳にしております。

 
 私も、そして、緩和ケア医も、心を痛めるのは、すぐにでも入院していただきたい、またはすぐにでも入院したほうがいい状態であるにもかかわらず、「入院待ち」をしないといけない場合です。
 その場合は、他の施設からの紹介状を読んだだけで、余命が限られていると推測できるからです。

 外来を受診されるご家族の表情はとても堅く、藁にもすがる思いで来院されている様子が手に取るようにわかります。

 藁にもすがる思いは理解できるのですが、「何とかしてあげたい」という個人的な思いだけではどうしようもないのです。

 緩和ケア病棟のベッドは、社会的な資源です。誰にも平等でなければなりません。平等というのは、つまり、緩和ケア科の外来を受診された順番に入院していただくとうことです。

 当院では、緩和ケア病棟への入院は、絶対に「平等」な条件のもとに判定をしております。
 
 時に、患者さんのコネクションで、議員さんなど、権力のある方から「○○さんを早く入院させてほしい」と圧力がかかるときもありますが、平等に反するのであれば、それには決してお応えいたしません。



 もう少し、早く受診していただければ…。

 
 入院待ちをするには、患者さんの余命が短すぎる…、そんな場合でも、入院の予約はさせていただきます。
 そして、入院の予約をされた方すべてに、緩和ケア病棟の見学と、詳細の聴き取りをいたします。

 緩和ケア病棟の見学と詳細の聴き取りは、私が担当しています。
 
 それにしても、私、そして患者さんのご家族の双方が「おそらく、入院するには、患者さんの余命が短すぎる」と認識している時には、見学や聴き取りの時間は重苦しいものになります。

 私が、患者さんの状態を伺い、ご家族を労うか否や、ご家族は涙されます。
 いえ、緩和ケア病棟の環境を知っただけで、涙されるご家族がほとんどです。



 ああ、この環境で、大切な人に過ごしてもらいたかった…。


 ご家族は、そういう思いで涙を流されます。


 


 患者さんに入院していただける可能性はとても少ないと思われるご家族だからこそ、当院の緩和ケア科外来を受診していただき、当院の緩和ケア病棟を見学していただき、お話を伺わせていただく時間は大切にしよう…。
 私は常に、そう思っております。

 私がそんなご家族に接するのは限られた時間だからこそ、自分の言葉や態度のすべてをもって、誠意を尽くさなくてはと思っております。

 
 緩和ケア科の外来を担当していて、もどかしい思いをすることは多々あります。
 そんな思いを少しずつ、お伝えできればと思います。

 もどかしい思いに対して、医療者として考えていることをお伝えできればと思います。
 

休日っ

2009-10-10 21:38:46 | offの日

 バイクで走るにはすっかりと気持ちのいい気候になってきました。
 夜は、もう寒いくらい。

 相変わらず、よちよち走行をしているなんちゃって&へなちょこライダーのポンであります。

 最近は、バイクで走りに行くと、必ず、ラーメンを食べております。
 今日はラーメンを食べた上、ケーキも2個食べまして。

 帰宅したら、「お腹いっぱい」なんてことになっていました。
 
 
 バイクで走るときには、目的地は「方角」を決めるくらいで、ほとんど決めません。
 予定もなく、目的地もなく走るのがとても心地よくて…ですね。


 きっと、普段の生活に「窮屈さ」を感じているからじゃないだろうか?
 

 今年も、緩和ケア認定看護師の卵さんが実習に来られています。
 ならなきゃならないことがたくさんあるだろうけど、学生さんには伸び伸びと患者さんにかかわってもらいたいなーと思うのですが…。



 来週のために、この週末はしっかりと充電します。
 


 

自分の体を自分できれいにすることができなくなったら…(3)

2009-10-02 21:27:12 | 日々の「ケア」

 人は、お風呂に入るときに自分なりの「入り方」といいましょうか、こだわりのようなものがあると思います。
 それと同じように、看護師には患者さんの「お風呂の入れ方」に、こだわりとまではいいませんが、「その人なりのやり方」というものがあるような気がしています。

 特に、機械浴(患者さんを寝たままでお風呂に入れることができるもの)のときには…。

 よくあるのは、「垢を落とすこと」。

 どういうことかといいますと…。

 長い間、お風呂に入ることができなかった方が湯舟に入ったとき…。体を普通にこするだけで、消しゴムで消した時のカスのように垢がよれてきます。
 こすっても、こすっても、垢がでてきて、「ちょっとでもきれいにしたーい!」と思い、意識的に?無意識的に?こすり続けてしまうのです。
 湯舟に浮かんだ灰汁のような垢は、ちょっとした達成感を感じさせます。
 垢をこすることに必死になって、湯舟につかったまま、患者さんを疲れさせちゃ、いけません。
 はい。これは、肝に銘じております。はい。

 意識のある方なら、久々にお風呂で垢を落とせると、「すっきりした」「軽くなった」と表現されることが多いですね。
 

 さて。


 私は、患者さんの機械浴のお手伝いをしているときにこだわっているのは…。

 それは、『へそゴマ』。

 緩和ケア病棟の患者さんは、患者さんが入りたくない!とおっしゃる時と、病状が許さない人以外は、どないなやり方でも☆お風呂に入れて差し上げているので、湯舟に垢が浮かぶことはあんまりありません。

 それでも、盲点?なのが、へそごま。

 よーくみると、へそに垢がたまっているんですね。
 湯舟につかっている間に、綿棒でへそをこにょこにょ…と♪
 
 でたーーーっ。へそごまの塊~~~。
 なんか、釣りで魚が釣れた時のような喜び…。


 でもね。
 へそごまって、ごっつー、臭いんですよね。みなさんもご存知の通り。

 昔、私は外科で勤務していた期間が長かったので、手術の前にいろんなかたのへそごまを取ってきました。ご高齢の方は、おへそを掃除するという習慣がない方が多かった。
 腹部の手術の場合には、特におへその掃除は絶対に必要。

 おへその掃除をする習慣がない高齢の方のへそごまときたら、巨大っ!
 へそのくぼみを占拠して、明らかにごまが飛び出ている方もいました。
 とるにも時間がかかる。


 そんなときのへそごま掃除の様は、サザエを食べる時をご想像ください。

 ぽろりと取れた、サザエのようなへそごまちゃん。

 おお。お主は、50~60年はここ(へそ)を占拠しておったのじゃな?…という感じ。

 その分、に、に、臭いが…。
 処置室いっぱいに広がるへそごまの臭い…。さすがにぶっ倒れそうになります。

 
 臭いですがね。でも。
 やっぱり、へそごま掃除は大好きな私。

 今までに、患者さんからへそを洗ってほしいとお願いされたことはありませんが、お願いされなくても、私はおへその掃除をやり続けます。