緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

身内にはそうはいかん

2009-12-26 01:59:11 | 日々の「ケア」

 時々、がん患者さんのケアをどうしたらいいのだろう?という相談以外に、スタッフから、ご家族ががんになった、どうしたらいいのだろう?という相談を受けます。

 相談したいとご希望があれば、なるべく、時間はきちんと用意させてもらうようにしています。

 今日も、ご家族さんのことで相談を受けてまいりました。


 もちろん、私がご家族の治療にかかわっているわけではありませんので、あくまでも一般的なお話になるのですが…。

 相談してくれたスタッフに、今日、伝えた内容のポイントは、
 現在の治療の選択は間違っていないこと、例え治療の効果が得られなくても、一生懸命に考えて決めたということに価値があること、家族関係のバランスをみながら、立てないといけない人を立てること、家族みんなに治療などの情報は等しく伝えたほうがいいこと、
 でした。


 1時間近く、お話をしている中で、相談してくれたスタッフから、こんなことを聞かれました。

 「ポンさんって、いつもそんなん?(=おそらく、根気よく話をするの?という意味でしょう…)」


 
 んな、わけ、ない。



 看護師として話をしているときには、自分は看護師であって、患者さんのご家族としての立場にはありません。

 もし、自分の家族ががんになったら…。どうでしょ。
 おそらく、冷静に物事を考えられなくなると思います。うまく物事が進まないことにいらいらしたり、愚痴もこぼしてしまうと思います。

 何より、普段から、自分の身内となると、「また、おんなじことゆうてー。」と、身内がしゃべろうとすることを『ぴしゃっ』っと遮ってしまうときだってあります。

 傾聴「魂」は、もはや、使い物にならない状態になる私…。


 身内なら、そんなもんよねー、なんていいながら、お話してましたが、この状況に自分が置かれたら?と考えると、やっぱり、誰か、自分の支えとなってくれる人がいてくれたらいいな、と思います。

 
 困った時には、すべての手が有効ではないにしても、対策を講じる手は多いほどいいかと思います。
 これしかないというよりも、選ぶことができる方がいいときもあると思います。


 話を聞かせてもらっている私の方もどきどきしましたが、これからも、何とか、相談を下さった方の心の支えになれればと思います。