冬子さんのボヤキ 43

2020-06-18 17:23:00 | 小説

仕事帰りにマスターの店に寄ってみた。

何時もの面々が揃っていた。

マスターがアイスコーヒーを運んできた。

久し振りに久実さんも来ていた。

大分伸びた髪を、ゴムで無造作に結んでいる。

開口一番、冬子さんが、私にお給料の事を聞いてきた。

この時期、全額何て貰えないと答えると、久実さんは、「60%なんですと言った。

部屋代払って、食費に使うと、光熱費や携帯代なんて赤字です。」と久実さん。

年金なんて払えそうもないですと呟く。

「私だって似たようなもんだけど、家賃がないだけましかな?」

全く、庶民が苦しんでいるのに、お偉いさんたちは、悪い事ばっかりしちゃってと冬子さんの怒りが、収まらない。

加藤のおじいちゃんが、「私の好きな時代劇にだって、悪代官が出てきて、袖の下もらって、おぬしも悪じゃのうなんて言っているから、今も昔も変わらないんだろうね」と言う。

マスターが、冬子さんに、コーヒーぬるくなりますよと言っている。

出るのは、ため息ばかり。

エアコンの取り付けで忙しいヤマさんは、欠席。

マスターが、ピラフでよければ作りますよと言ってくれたので、皆でピラフが出来上がるのを待つことにした。

「10万円いつ来るのかしら」と、冬子さん。

「本当に、10万円貰えるんでしょうか?」と久実さん。

夜から降ると言っていたのに、雨が気ぜわしく降り始めたようだ・・・。

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