仕事帰りにマスターの店に寄ってみた。
何時もの面々が揃っていた。
マスターがアイスコーヒーを運んできた。
久し振りに久実さんも来ていた。
大分伸びた髪を、ゴムで無造作に結んでいる。
開口一番、冬子さんが、私にお給料の事を聞いてきた。
この時期、全額何て貰えないと答えると、久実さんは、「60%なんですと言った。
部屋代払って、食費に使うと、光熱費や携帯代なんて赤字です。」と久実さん。
年金なんて払えそうもないですと呟く。
「私だって似たようなもんだけど、家賃がないだけましかな?」
全く、庶民が苦しんでいるのに、お偉いさんたちは、悪い事ばっかりしちゃってと冬子さんの怒りが、収まらない。
加藤のおじいちゃんが、「私の好きな時代劇にだって、悪代官が出てきて、袖の下もらって、おぬしも悪じゃのうなんて言っているから、今も昔も変わらないんだろうね」と言う。
マスターが、冬子さんに、コーヒーぬるくなりますよと言っている。
出るのは、ため息ばかり。
エアコンの取り付けで忙しいヤマさんは、欠席。
マスターが、ピラフでよければ作りますよと言ってくれたので、皆でピラフが出来上がるのを待つことにした。
「10万円いつ来るのかしら」と、冬子さん。
「本当に、10万円貰えるんでしょうか?」と久実さん。
夜から降ると言っていたのに、雨が気ぜわしく降り始めたようだ・・・。