海を見下ろす高台のホテル。
ホテルのラウンジに、雪野と渚の姿が、あった。
「突然、こんな所に、連れてきちゃってごめんなさいね。」と、謝った後、雪野は話を続けた。
「多分、あなたもご存じだと思うけど、私、星さんと縁談があったのよ。」
なんで、雪野が突然、渚を呼び出したのか、腑に落ちなかったが、やっぱりその事だったのだと、渚にも合点が、いった。
ブルーのソーダ水を飲む、渚の様子を黙って見ていた雪野が、「私、星さんに、縁談断られたのよ」と、
唐突に話し始めた。
返事に困っている渚を見て、「ほんとは、祖父からこの話をされた時、私もお断りするつもりだったのよ。」と、おかしそうに、笑った。
じゃあ、何故渚を呼んだのだろう?
渚の無言の問に、「私って、天邪鬼だから、断られたら却って、星さんに、興味が沸いて、あなたなら、星さんの事、何かご存じないかなと思って、、、。」
雪野は、渚が、空と付き合っていることを知っていて、星の事を、尋ねているのだろうか?
それとも、星と渚の事を勘違いしてるのだろうか?