高校講座で勉強しました。今日の教科は;
【コミュニケーション英語Ⅰ】 第7回 Lesson 2 好きな人物の活動を伝えよう
きょうの目標:好きな人や物について現在の様子を伝えることができる
・今を表す表現
・過去のある時点での動作を表す表現
文法・表現:現在進行形、過去進行形
【科学と人間生活】第7回 化学 衣料の科学
今日も僕蔵さんのところへ、理陽くんと美穂さんがやってきました。
理陽 「珍しいね、ネクタイなんかして。」
僕蔵さん 「実は今日、友達のパーティーにお呼ばれしちゃってさ。」
実穂 「お~、僕蔵さんに相談があって来たのに。」
実穂さんは、父親の誕生日にどのようなネクタイをプレゼントするか悩んでいるので、僕蔵さんにおすすめのネクタイを聞きたいといいます。
僕蔵さん 「ネクタイを生地で選ぶとすると、主に2種類あるね。」
ネクタイの生地として代表的なものとしてはシルク、すなわち絹です。特徴は手触りが柔らかいので結びやすく、光沢があるということです。
もう一つはポリエステルです。ポリエステル製はシワになりにくく、洗濯も楽で扱いがしやすいという特徴があります。また一般的には、絹のネクタイより値段が安いという利点もあります。
実穂 「生地の素材によって、その良さが違うんだね!」
僕蔵さん 「そういうこと。だからどのくらいの予算があって、しかも実穂ちゃんのお父さんがどんなところで使うのかというTPOも考えなくちゃならないから、選ぶのはけっこう大変だぞ。」
今日のテーマは「衣料の科学」です。衣類やその材料となる繊維について、科学の視点で見ていきましょう。
布は何からできている?
僕蔵さん 「服は何で出来ているか、分かるかな?」
理陽 「それは布ですよ。」
僕蔵さん 「それでは、布は何から出来ているかな?」
実穂 「布は、糸を織ったり、編んだりしたものです。」
僕蔵さん 「では、糸は何から出来ているかな?」
理陽 「糸?何だろう……。」
僕蔵さん 「正解は、繊維です。」
繊維は、糸の材料となる素材のことです。その繊維は何から出来ているかということを知るには、服の裏側についているタグを見れば分かります。
僕蔵さんが引き出しからTシャツを取り出し、裏側についているタグを二人に見せます。
僕蔵さん 「このタグ(右写真)には、『このTシャツの繊維は50%が綿で、50%がポリエステルで織られています』ということが書かれいるんだ。つまりタグを見れば、その服がどのような繊維で作られているかが分かるというわけ。」
実穂 「繊維には、どんな種類があるんですか?」
繊維は、天然繊維と化学繊維の2種類に大きく分けられます。
天然繊維には、木綿などの植物繊維と、羊の毛や絹などの動物繊維があります。
蚕
蚕のまゆ
蚕(かいこ)のまゆから出来る絹はどのように作られるのかを、見てみます。
絹は天然繊維で、その正体は蚕が吐き出す糸です。蚕はこの糸で、さなぎになったときに身を守る「まゆ」を作ります(右写真)。一個のまゆの糸の長さは、1キロメートル以上にもなります。
まゆを作っている糸をより合わせる
絹はしなやかで光沢に富んでいる
そのままではとても細いため、私たちが使う絹は、まゆ数個分の糸をより合わせて作ります。しなやかで光沢に富んでいるため、和服やドレス、ネクタイやスカーフなどに用いられます。
実験道具
AをBに入れる際に注意する様子
一方、化学繊維はどのように作られているのでしょうか。
化学繊維は薬品を反応させて出来ています。
3人は、化学繊維を作る実験を行いました。
実験で作るのは、化学繊維として初めて作られた「ナイロン」です。
ビンに入ったA液とB液、さらにそれぞれに専用のピペットを用意します。
A液は、水酸化ナトリウム溶液に、石油の原料として知られているヘキサメチレンジアミンを混合したものです。
B液は、ヘキサンにアジピン酸ジクロリドを混合したものです。
まずA液用のピペットでA液を取り、空の小瓶に入れます。次にB液用のピペットでB液を取り、先にA液を入れた小瓶に加えます。このとき、小瓶を手で傾けながら、内側に伝わせて入れるようにします。
繊維
長い繊維を巻き付ける美穂
内部では、A液とB液の境界に白い膜が出来るのが確認できました(左写真)。これをピンセットでつまみ上げ、試験管に巻き付けていきます。
二人とも、とても長い繊維を巻き付けることが出来て楽しんでいる様子です。
ナイロンは水をあまり吸収しない
ナイロン製のレインコート
ナイロンは、安定した品質を大量生産できるので、私たちの身の回りで幅広く使われています。丈夫で摩擦や引っ張りに強く、あまり水を吸収しないので雨に濡れても早く乾きます(左写真)。
そのため、ストッキングやレインコートなどに用いられています。
ウォーレン・カロザース
爆発的にヒットしたナイロンストッキング
合成繊維のナイロンは、アメリカのウォーレン・カロザース(1896年~1937年)によって1935年に発明されました。当時は、まだ絹や綿などの天然繊維しかない時代で、特に絹は高価でした。そこに登場したのが、石油から大量生産できるナイロンでした。
1940年代には、ナイロンのストッキングが商品化されました。宣伝文句は「クモの糸よりも細く、鋼鉄よりも強い」。ナイロンの爆発的ヒットは、その後、様々な化学繊維の発明へとつながっていきました。
繊維の分岐図
実穂 「ところで僕蔵さん、天然繊維と化学繊維はさらに細かく分けることができるの?」
僕蔵さん 「分けられますよ。何しろ繊維は種類が多いからね。」
繊維は天然繊維と化学繊維に分けられます。
そのうち天然繊維は、木綿のような植物繊維と、羊毛や絹のような動物繊維に分けられます。
一方、化学繊維は、再生繊維や半合成繊維、そして合成繊維とに分けられます。これらは、繊維を作る原料や成分によって分けられています。
綿と毛とアクリルの燃えやすさの比較
毛は途中で火が消えた
天然繊維の綿と毛、そして化学繊維のアクリルを例に、繊維の種類と燃えやすさを比べてみましょう。まずは天然繊維の綿と毛を燃やします。綿はすぐに燃え上がっていきますが、毛はゆっくりと燃えていきます。綿は3分で全て燃えましたが、毛は途中で火が消えました(右写真)。
アクリルは燃えると繊維が溶ける
アクリルが燃えた後
一方、化学繊維のアクリルは引火した瞬間から勢い良く炎が広がっていき、溶けた繊維がポタポタと垂れました(左写真)。これは、石油を原料とした化学繊維の燃え方の特徴です。燃え尽きた後を見ると、溶けた繊維は張り付いているのが分かります(右写真)。
以上のことから、化学繊維は勢い良く燃えて、繊維が肌に張り付くので危険だということが分かりました。火に近づく際には、服の素材に気をつけましょう。
高機能繊維
理陽 「化学繊維って危ない?」
実穂 「繊維の特徴を知らないと、危ないよね。」
僕蔵さん 「確かに。でもね……化学繊維はより便利で、より快適なものが日々開発されているんだ。」
理陽 「例えば、どんなものがあるの?」
僕蔵さん 「それは高機能性繊維!今までの化学繊維に、さらに新しい機能を付け加えた繊維なんだ。」
運動後の吸汗速乾と綿のシャツの汗の様子の違い
吸汗速乾は汗を吸う力が強く、乾くのも速いという高機能性繊維で、スポーツシーンなどで活躍しています。この吸汗速乾を開発している会社の研究室を訪れました。
綿のシャツと吸汗速乾のシャツを使用して運動したときの、汗の様子の違いを比べてみます。綿のシャツは汗を含んで体に張り付いていますが、吸汗速乾のシャツはサラッとしています(上写真)。
吸汗速乾は水分をすぐに吸収する
吸汗速乾は水分の跡がすぐに見えなくなる
その違いを詳しく見るために、綿と吸汗速乾に同時に水滴を垂らしました。素材が水分を吸い込む瞬間に注目してみると、綿はじんわりと吸い込みますが、吸汗速乾は一瞬で吸い込みました(左写真)。さらに水分を吸ってから1分後を比べると、吸汗速乾の方は水分の跡がほとんど見えませんでした(右写真)。
普通のシルクと光るシルク
理陽 「化学繊維はすごいね。最強だね!」
僕蔵さん 「いやいや、天然繊維だって負けていませんよ。」
そう言って僕蔵さんが取り出したのは、友人が送ってくれたという絹(シルク)の糸が乗せられています。
写真手前の白い糸は普通のシルクで、奥の色のついた糸は、光るシルクです。光るシルクは一定の波長の光を当てことで光るといいます。
オレンジ色の眼鏡をかける理陽と美穂
光るシルク
オレンジ色のフィルターがついた眼鏡をかけ、部屋の電気を消してブルーライトを当てると、右写真奥のシルクが色鮮やかに光って見えます。
▶リサーチモード! 光るシルクの謎を解き明かせ!
瀬筒秀樹さん
実穂さんは、茨城県つくば市にある農業生物資源研究所を訪れました。迎えてくれたのは、光るシルクを作り出すことに成功した、遺伝子組み換え研究センターの瀬筒 秀樹さんです。
実穂 「どうして作ろうと思ったんですか?」
瀬筒さん 「光る蚕を作る目的は、二つあります。ひとつは、蚕の未知の遺伝子の機能を調べること。もう一つは、蚕に全く新しいシルクを作らせることです。」
蚕の卵
卵にオワンクラゲの遺伝子を入れる
光る蚕を作るには、遺伝子組換え技術を使います。そのやり方を、特別に見せて頂きました。
顕微鏡をのぞきながら、直径わずか1ミリメートルの蚕の卵に穴を開け、オワンクラゲが持つ光る遺伝子を入れます(右写真)。
光る糸でまゆを作る蚕
生糸が蛍光色に光る
こうして生まれた蚕が成長すると、光る糸でまゆを作ります(左写真)。
まゆからとった生糸に一定の光の波長を当てると、 鮮やかな蛍光色に変わります(右写真)。
現在ではオワンクラゲだけでなく、サンゴやイソギンチャクなどの遺伝子を使って、様々な色を出すことができるようになりました。
光るシルクのマフラーを着用する美穂
光るシルクがウェディングドレスで実用化
実穂さんは、光るシルクで作られているマフラーを首に巻いてみました。暗い場所では、まるで光をまとっているようです。光るシルクは、ウェディングドレスなどの試作が行われ、実用化に向かって準備が進められています。
小島桂さんとオニグモ
クモの遺伝子組み換え蚕
遺伝子組み換え研究センターでは、さらに新たなシルクの開発も進んでいます。小島 桂さんにどのようなシルクなのか、話をうかがいました。
小島さん 「このシルクは、オニグモの縦糸タンパク質というものが含まれている糸です。オニグモの糸は強くてよく伸びる糸として知られているので、その性質をシルクの中に取り込んでいます。」
右写真は、クモの糸のシルク成分を出す遺伝子組換え蚕です。
通常のシルクと遺伝子組み換えシルクの強度比較
クモの遺伝子組み換えシルクと、普通のシルクの強度を比較してみます。二つの糸に同じ力をかけ続けたところ、普通のシルクはすぐに切れましたが、クモの糸の性質を取り込んだシルクは50%も切れにくさが増していました。
強さとしなやかさを持つシルクは、伝線しないストッキングや、外科手術用の糸などへの活用が考えられています。科学の力によって、新たな絹糸の世界が開かれようとしています。
落ち着かない様子の僕蔵さん
僕蔵さん 「遺伝子組換え技術がますます進んで、付加価値の高いシルクができれば、養蚕業ももう一回盛り返すことができるかもしれないね。」
…と、話す僕蔵さん。時計に目をやると、ネクタイを締め直し、落ち着かない様子に。
理陽 「僕蔵さん、どうしたの急にそわそわして?」
実穂 「本当は誰と会うの?怪しいな。」
すると、外から車のクラクションの音が聞こえ、僕蔵さんを呼ぶ女性の声が。
二人を残し、いそいそと出かけて行く僕蔵さんでした。
【ベーシックサイエンス】第6回 熱気球を飛ばそう! ~空気と温度~
浮かぶ気球
温かいのは上にいく?
今回のテーマは「熱気球」です。
大空を飛ぶ熱気球は、どのようにして浮かんでいるのでしょうか。
空に浮かぶ前の熱気球はぺしゃんこです。
この中に空気を送りガスバーナーで温めていくと、やがて気球は膨らみ、そして浮き上がります。
なぜ、空気を温めると浮かぶのでしょうか。今回はその仕組みを見ていきましょう。
田畑 「何で熱気球は浮かんでると思う?」
彩加 「お風呂に入る時も、上が温かくて下が冷たかったりするじゃないですか。だから温かいのは上に行く傾向があるのかな?
空気は温めるとどうなるのか、実験してみます。
▶空気が抜けたボールをお湯に入れて温める
空気の抜けたボール
膨らんだボール
空気が抜けて弾まなくなったボールを、お湯の中に入れて温めてみます。
ボールを温めていると、少しずつボールが膨らんできます。
へこみがなくなったところで取り出してみると、先ほどは弾まなかったボールが、弾むようになりました。
このことから、「空気は温めると膨らむ」ということが分かります。
熱気球の中の空気も同様に、実は空気が温められたことによって膨らんでいます。
里奈 「でも、なぜ膨らんだ空気は浮くんですか?」
藤本 「お、するどいですね。」
ここでガリレオ先生こと、川村康文先生(東京理科大学教授)に詳しく説明していただきます。
1kgの箱
500g×2個の箱
元の箱の大きさと比べる
空気は、温められると軽くなります。
箱の形をした1kgの空気があるとします。
この空気を温めると、体積が増えて箱2つ分になります。
このとき、1つの箱の空気の重さは半分になっています。
川村先生 「もとの大きさの箱と比べてみますよ。箱の重さは半分になるんです。つまり、空気が軽くなるため、熱気球は浮く というわけなんですね。」
ここで藤本チーフから問題です。
熱気球はバーナーで空気を温めて気球を浮かせますが、太陽の光だけで温めても気球を浮かせることはできるのでしょうか。
里奈 「できる!できると思います。お湯でもできたから、温かいものなら何でもできるんじゃないかと思う。」
彩加 「私は浮かないと思います。だって、日常的に太陽って出てるじゃないですか。太陽光が当たってるものが全部浮いちゃうことになるから、浮かない。」
藤本 「晴れた日に気球を置いておいたら、全部飛んでいってしまうからということね。」
太陽の熱だけで気球を浮かばせることはできるのか、実験してみました。
▶太陽の熱だけで気球を浮かす
ビニールシートに空気を入れる
ソーラーバルーン
厚さ0.02mmの薄いシートを使って、全長8mの気球を作ります。
色は太陽の熱を吸収しやすい黒にしました。
完成した気球の中に空気を入れ、太陽の熱だけで温めていきます。
この時の気温は23℃です。
温め始めて約10分後、「ナマズ」の形をした気球が見事に浮かび上がりました。
中の温度は42℃です。
このように太陽の熱だけで温める気球を「ソーラーバルーン」といいます。
▶ソーラーバルーンはどれだけの重さを持ち上げる?
体育館でシートを広げる
実験説明図
クジラが浮く
ここで藤本チーフからさらに問題です。
藤本 「先ほどは全長が8mだったんですが、全長50mのソーラーバルーンを作って実験を行ってみました。このソーラーバルーンでは、どのくらいの重さを持ち上げることが出来るでしょうか。」
里奈 「人間一人。空気がいっぱいあるから……。」
藤本 「熱気球は火で燃やしてるから100度以上の高温の空気になって、先ほどのソーラーバルーンの中の温度は42℃。」
ニ千翔 「人は上がらないですよ!」
彩加 「え、浮くかな人間?」
全長50mのソーラーバルーンはどのくらいの重さを持ち上げることが出来るのか、実験してみます。
厚さ0.02mmの薄いシートを貼り合わせ、全長50mのクジラ型の気球を作っていきます。
実験場所は草原です。
クジラの4か所にロープをつなぎ、自動車に固定します。
扇風機を使って空気を入れていくと、太陽の光に温められて気球は次第に膨らみ、50mのクジラが浮き上がりました。
人をロープで繋ぐ
サーモグラフィで観る
このクジラはどれくらいの重さを持ち上げることが出来るのでしょうか。
人を一人持ち上げることに挑戦です。
しかし、ちょうどそのタイミングで太陽が雲に隠れ気味になってしまいました。
気球表面の温度を、物の温度を測る特殊なカメラ=サーモグラフィーカメラで見てみました。
背中の方は赤い色を示しており、40℃を超えているようです。
この温度なら、人を持ち上げることができそうです。
人が浮く
しばらくして、足が地面から離れ、ついに人が浮きました。
太陽の熱で空気を温めるだけで、人間一人を持ち上げることが出来ました。
人類初の有人飛行
スタジオの風景
人類初の有人飛行、それは熱気球によるものと言われます。
1783年、フランスのモンゴルフィエ兄弟がパリ郊外で90mの高さまでの飛行に成功し、パリ市民を驚かせました。
来週も頑張って高校講座で勉強します。
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