読書備忘録

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2011年第9回『このミス』大賞受賞作「完全なる首長竜の日」

2011-01-12 | あ行
乾緑郎著「完全なる首長竜の日」2011年第9回『このミス』大賞受賞作。
著者は、朝日時代小説大賞でも『忍び外伝』で大賞を受賞していて新人賞2冠。
植物状態になった患者と、コミュニケートするための医療器具「SCインターフェース」が開発された近未来を舞台にしたサスペンス・ミステリー。
少女漫画家の和 淳美は、自殺未遂を起こして数年間意識不明に陥っている弟の浩市と「SCインターフェース」を使って対話を続けている。
「SCインターフェース」は相手の深層心理に入り込み、記憶に依った世界を構築。まるで現実世界に居るかのようなリアルさを提供する機器。
これにより、意識不明状態の浩市とも意思疎通が出来るようになったのだ。
「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いかけに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。
そんなある日、謎の女性からかかってきた電話によって、淳美の周囲で不可思議な出来事が起こり、少しずつ現実が歪みはじめ記憶の迷宮に迷い込む。
そして理由を追求するうちに淳美が知ることになる驚愕の事実が・・・。
物語に仕込まれた謎と仕掛けに魅せられ読まされた。
読み終えてしまえばどこかで聞いたような映画で見たような話しだったなぁ~と思うのだがリアルな漫画家の生活や幼いころの南の島の体験が興味深く印象に残った。
2011年1月宝島社刊



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