読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
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相場英雄著「レッドネック」

2024-04-01 | あ行
表題のレッドネックとは米合衆国の南部やアパラチア山脈 周辺などの農村部に住む、保守的な貧困白人層を指す差別用語である。職業は肉体労働者や零細農家が多い。プアホワイトやヒルビリーと同様に差別的な意味を含む言葉。物語は、都知事選を目前に控えた東京。水面下ではあまりに危険な極秘プロジェクト「レッドネック」が始動していた。「あなたは、一日何回スマホを見ますか」?米系大手広告代理店・オメガエージェントに勤務している矢吹蛍子は、バンクーバーに出張し、ケビン坂田という人物と会って欲しいという社命を受けた。クライアントが60億円ものフィーを支払う謎のデータサイエンティストケビンは、無事来日し、高田馬場に仕事場を構えるが、担当の矢吹にも極秘プロジェクトの中味は知らされずいた・・・。残念ながら主人公の矢吹にもケビン坂田にも登場人物の多くに生活感が乏しく感情移入出来ずイライラする展開で面白くはなかったが、SNSの怖さがわかる小説でした。自分たちが行動を起こしたように思えて裏では上手く操作されている。気づいていない弱者が搾取され気づかないうちに利用されている現状。結局フォーカスされていた情報弱者の集団は、操作側が狙っている集団の1つに過ぎないし、簡単に操作される情報弱者たちの姿が痛々しい。読後感は不完全燃焼の小説でした。
2021年5月角川春樹事務所刊

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