読書備忘録

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柴田 よしき著「神の狩人 2031探偵物語」

2009-06-14 | 柴田よしき
舞台は近未来の2030年代。
そこは完全にコンピューターに制御された世界、紫外線をカットする為のオゾンホールを被うための人工雲があったり、
携帯電話が進化したトークカードというものが一般化されている。
人口減少と老人問題、顔の整形の一般化、自殺者の増加、新ドラッグ過・・・
現代の負の部分が増幅凝縮された世界、それがこの物語の舞台2031年東京。
認可性になった私立探偵事務所の主人公サラのもとに舞い込む様々な依頼を中心に話しが展開される。
何年も前に生き別れた姉の捜索→調査を進めるが親戚や周囲の誰もが存在しかったものとして口を閉ざす。
果して本当に姉は存在したのか疑問が生ずるがやがてサラは過去に同じ調査をした、元探偵の老人風祭にたどり着く・・・。
その女に関わると人間が必ず自殺する美しき死の天使。
食欲喪失で死に至るセックス・ドラッグ→事件はすべて「ルシファー」と呼ばれる謎の組織につながっていく・・・。
サラの奥底に眠る9.11の記憶を呼び起こした医師は何者なのか?そして、サラにも魔の手が襲い掛かる・・・
たった20年後の日本だけれども今の現代日本を風刺しているような展開で、
パソコン等と一体化したトークカードとか、二足歩行のサービスロボット、
警察組織や政府機関のあり方も大きく変化して今の政府とは違う様だが、
具体的には何も記述されておらず不明なところばかりで話しの進行よりそのほうがより気になってしまった。
20年やそこらでここまで社会が様変わりするのか疑問がわきおこり
根底となる基本的な設定世界が不安定で物語の中にのめり込めなかった。
SFミステリー風だが問題の解決の仕方も未来機器に頼った御都合方法が気に喰わない。
謎解きも途中で終わってしまって問題が解決せず続編に委ねる展開が中途半端な印象だった。
2008年6月文藝春秋刊

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