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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

高嶋 哲夫著 「追跡 警視庁鉄道警察隊」

2009-11-13 | た行
かつては鉄道公安官と呼ばれたが今は1987年国鉄民営化にともない創設されて通称鉄警隊と呼ばれる警視庁鉄道警察隊の活躍を描いた警察小説。
長く続く終わらぬ不況と見えて来ない未来。
大きなストレスを抱えて疲弊する現代日本。
そんな時代を反映してか都会の満員電車での犯罪が急増しているという。
不振な荷物の放置、盗難スリ・痴漢被害にカバンなどの切り裂き犯。
そういった電車内や駅構内での犯罪を担当しているのが、鉄道警察隊。
その鉄警にスポットを当ててミステリー。
東京都内を運行する列車内でスリの横行と女性を狙った切り裂き事件が多発。
集団で取り囲んで犯行に及ぶ「多国籍スリ集団」と女性のバッグをゲリラ的に狙う「切り裂き魔」。
主人公の鉄道警察隊新宿分駐所第2中隊第5小隊に属する新人小笠原と同僚たちはが捜査で辿りついた犯人像・・・それは女性だった。
やがて自首してきた人物とは、なんと認知症を煩った初老の女性だった
。夫に連れられてきたその女性を見て、どうしても悪質な犯人像と結びつかない小松原は、独自に捜査を続けていく。
すると今度は女性の体を切り付けるというさらに悪質な犯行に段々エスカレート していく。ミステリー的には
犯人は途中で予想できてしまうが満員電車という非日常の世界における犯罪を
追う鉄道警察隊隊員たちの特殊な日常勤務と苦労・苦悩を描いた物語として新鮮な感じで読めた。
2009年7月角川春樹事務所刊

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