Get a Life=直訳「ちゃんと生きろ」「もっとましな人生を手に入れろ」使う場面によってニュアンスが異なる。「ヒマかっ!」となる時もあれば「人生を取り戻す」という意味になる事もある。「人生を無駄にしないで、ちゃんと生きろ」(P356)
広島から家出して上京した17歳の桧山光希は、ふとした出会いから足場工事会社「須田SAFETY STEP」の見習い社員になることに。そこには、見た目はいかついがナイスガイな先輩たちがいて、光希にとっては新鮮な驚きの世界だった。実は、光希はかつては強い霊感を備えていたが、ある事件がきっかけでその能力を失っていた。だが、先輩の頭島丈が一緒にいるときだけ再び“見える”ことに気づく。かくして、光希と頭島(かしらしま)、さらにはもう一人の先輩である奥隼人を加えた3人による幽霊退治が始まる・・・即席ゴーストバスターズの誕生だ。三人は「幽霊を生きている人間の延長線上にとらえている」ところが面白い。スイッチを消す幽霊が・・・、お客様の家で洋服箪笥が勝手に開くのを解決する話とか、シェアハウスで電子錠やエアコンの室外機が異常に早く壊れる話、ベッドに若い女性が寝てると金縛りにあう部屋の話、レストランの冷蔵庫が勝手に開く話、社長の姪の側にハムスターの霊が出る話など。主人公の働くことになったこんな会社は良いなぁ~「厚意は素直に受け取る。その分、ほかの誰かに同じ、いやそれ以上の厚意を施す。ペイ・フォワードの精神」
ほっこりする小説でした。
2023年9月双葉社刊
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