読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

赤井 三尋著「月と詐欺師 」

2010-12-24 | あ行
舞台は大阪、時代は二.二六事件の後、特高によるアカの取り締まりキツくなり、軍部の力が増大した昭和10年代の戦争前夜。
財閥を率いる2代目当主・灘尾儀一郎に嵌められて、瀬戸俊介の父母と灘尾の妾となった姉も自殺した。
復讐を誓って大阪に戻ってきた俊介がひょんなことで米国帰りの春日誠一郎と出会う。詐欺団のリーダーという裏の顔を持つ春日だった。
詐欺団のメンバーは声帯模写の専門家・ミミック、情報収集の専門家・インテリ、女性を落とすのが得意なジゴロ。紅一点の沖縄生まれの智恵。
俊介の父の遺品を換金して得た1万円を元手に、灘尾財閥の破産を目標にいよいよ儀一郎&灘尾財閥殲滅の闘いが始まった。
大がかりで緻密な作戦だったのだが・・・・。
「詐欺師にとって・・・一番大事なことは誠実さだ」「全体として詐欺行為はもちろん不誠実だ。だが一旦詐欺という仕事に入ったら誠実にこなせということだ。」「誠実に騙せと?」(259P~206P)
実際の歴史上の事件や時代背景を上手く使って面白いゲーム感覚のサスペンスに仕上げた著者が凄い。
登場人物のキャラもハッキリしていて面白く一気に読み進める事ができました。
2010年10月講談社刊

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