弥五郎はお伊勢参りの案内役、「御師」の手代見習今で云うなら伊勢神宮の神官を兼ねたツアーコンダクター見習い3年目。
そのくせ「御師は盗人」といってはばからない武家で過ごしたこともある変わり者。
ある日、弥五郎は日本橋の材木商・巽屋清兵衛が賊に襲われているところを助ける。
それが縁で、何か訳ありの清兵衛の用心棒を兼ねてお伊勢参りに付き合う羽目に。
旅の道連れは蛙屋徳右門夫婦や妙に婀娜っぽいお妾さん、友人の口やかましい下っ引きの亀太など、たいそう賑やかな面々。
道中の名物を食べつつ景色もまた格別。だが、行く先々でなぜか清兵衛を襲う侍が次々と表れたり、一行の中にも何やら秘密を抱えた輩も居て、そして13年ぶりに伊勢の実家(内宮に仕える5大神官である八嶋太夫)に帰る弥五郎自身にも訪れたくない理由があるのだが。・・・
巽屋が抱える裏事情の謎を中心に、御師という珍しい職業の事や伊勢信仰・伊勢参りの様子や「おかげまいりの群集」などを扱っていて勉強になるのだが残念ながらリアル感がないのが不満、あの「エェじゃないか、えぇじゃないか」の喧騒が浮かんでこない。
人情味あふれるストーリーで軽快な文章も読みやすくよく調べられていると思うのだが・・・。
2010年11月祥伝社刊
そのくせ「御師は盗人」といってはばからない武家で過ごしたこともある変わり者。
ある日、弥五郎は日本橋の材木商・巽屋清兵衛が賊に襲われているところを助ける。
それが縁で、何か訳ありの清兵衛の用心棒を兼ねてお伊勢参りに付き合う羽目に。
旅の道連れは蛙屋徳右門夫婦や妙に婀娜っぽいお妾さん、友人の口やかましい下っ引きの亀太など、たいそう賑やかな面々。
道中の名物を食べつつ景色もまた格別。だが、行く先々でなぜか清兵衛を襲う侍が次々と表れたり、一行の中にも何やら秘密を抱えた輩も居て、そして13年ぶりに伊勢の実家(内宮に仕える5大神官である八嶋太夫)に帰る弥五郎自身にも訪れたくない理由があるのだが。・・・
巽屋が抱える裏事情の謎を中心に、御師という珍しい職業の事や伊勢信仰・伊勢参りの様子や「おかげまいりの群集」などを扱っていて勉強になるのだが残念ながらリアル感がないのが不満、あの「エェじゃないか、えぇじゃないか」の喧騒が浮かんでこない。
人情味あふれるストーリーで軽快な文章も読みやすくよく調べられていると思うのだが・・・。
2010年11月祥伝社刊