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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

荻原浩著「砂の王国」上・下

2012-02-12 | 荻原浩
転落はほんの少しのきっかけで起きた。主人公の山崎遼一41才は、大手証券会社をクビになり、妻・美奈子に逃げられ、借金を重ねて、住む場所を放棄せざるを得ず、ネットカフェ難民にあげくに携帯・財布を持ち逃げされ遂にホームレスになってしまう。そのときの全財産は、3円。
段ボールハウスの設置場所を求めて辿り着いた公園で出会ったのは、怪しい辻占い師錦織龍斎と若い美形のホームレス仲村だった。やがて寒さと飢えと人々の侮蔑の目中で閃く、「俺は宗教を興す」。
龍斎と出掛けた浦和競馬場で大穴を当てると、それを元手に仲村を教祖に祭り上げて、龍斎と3人で新興宗教「大地の会」を立ち上げ自分を路上に捨てた世間に逆襲を誓うのだった。
「大地の会」の事務局長・木島礼次と名を変えて二人を裏で操り、徐々に会員数を増やしていく。作りだされた虚像の上に、芸能人の広告塔も出来会員数も飛躍的に増えたとき、創設者でありながら自分では制御しきれなくなった組織「大地の会」。
人間の底知れぬ強さとかぎりない脆さ。多くを手に入れ、ふと振り返ると、そこにあるのは空虚な祝祭と、不協和音だったとは。人の心を惹きつけ、操り、そして壮大な賭けが迎えた結末は予想通り。
大きくなりすぎて制御不能に、ある日突然、他の組織に乗っ取られたり、組織から追い出されたり、ビジネス界ではよくあること。同じ新興宗教を扱った篠田節子の『仮想儀礼』とまた違った面白さした。
驚愕のリアリティで描かれるホームレスの極貧の日々と宗教創設の様子、こうやって新興宗教が出来るんだ、そしてやがて訪れる悲劇、登場人物のキャラも明確で、長編ながら難なく読めました。
仲村のようにやがて自分が教祖だと信じ込んでいく様が怖かった。

2010年11月講談社刊
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荻原浩 著「誰にも書ける一冊の本」

2011-07-20 | 荻原浩
「私」は、小さな広告制作会社を経営している。広告業のかたわら小説を書き、二冊の本を出した実績がある。
入院している父親の容態が悪くなり、医者から、会わせたい人は今のうち呼ぶように言われたという母からの電話を受け急遽、実家のある函館に飛ぶ。
父は、生体情報モニタという機械に繋がれていた。父とは不仲だったわけではないが、男同士で腹を割った話をした経験も、二人きりの親密な体験をした記憶もないのだが、母から父親が書いた原稿用紙の束を渡された。
本にしたくて、専門家のお前に意見を聞きたいんじゃないかと・・・。
父は八十年間、北海道で暮らしていた。出世したとは言い難い会社員、見合い結婚、子どもは「私」と妹の二人。
平凡な人生を綴ったであろう厚さ四、五センチの原稿を家族以外の誰が読みたがるだろう。
その原稿を読み始めるとそこには、少年時代に羆の一撃を食らい、祖父とのニシン漁で学資を稼ぎ、北大文学部の英文科を目指すところまで読んだ時点で、父は事切れた。
すべて初めて知ることばかりであった。最初は、素人が陥りやすい自慢話と思ったが、その後創作と思うようになる。葬儀まで暦の関係で日にちが空き、物言わぬ父の傍らで読み終えた。
そして葬儀の日、すべては明らかになった・・・・。  一人の人間が死した後に厳然と残り、鮮やかに浮かび上がってくるものとは
父が書き遺したものは、事実か創作か。「何を言われようが、私は自分の心の声に従った」。
平凡に思えた男の人生を、その死を通して描いた小説。
子は親の背中を見て育つと言うが、言葉でしか伝えられないことは多い。
149ページ、速読できました。「明日の記憶」「あの日にドライブ」のように人情の機微たっぷりに。

「息子よ、娘よ。人生とは、何をなしたかではない。何をなそうとしたかだ。」(P131)

(最期のあり方を考えると今の生き方が見えてくる。テーマ競作小説「死様」の一冊)

2011年6月光文社刊
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荻原浩著「僕たちの戦争」

2010-01-08 | 荻原浩
現代の髪の毛を染めた19歳の若者が終戦間近の旧日本軍の予科練に放り込まれたら・・・
逆に60年前の当時の予科練飛行生の若者を現代の日本に連れてきたら・・・・
NYの貿易センタービルに旅客機が突込んだ9月12日のその日19歳のプータローサファー尾島健太は茨城の海で巨大な壁のような大波に激突ワイプアート。
同じ場所予科練甲飛十三期生石庭吾一が土浦航空隊基地を初めての単独飛行訓練の時に突然の雷鳴を聞いた後、墜落し海中へ。
共に意識を取り戻した時二人は時間を飛び越えて自分の生きているとは違う時代に・・・
互いにタイムワープそんな設定で互いのカルチャーショック、恋愛、友情、親子関係、職業軍隊等、違いを交互に書き分けながら
如何にして元の時代に戻るのかを謎に読者を引きこむタッチで展開される。
戦争、沖縄、終戦、人間魚雷「回天」、恋人ミナミ。
今を考えさせる問題提起の小説です。
2004年 双葉社刊
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荻原 浩著『ひまわり事件』

2009-12-04 | 荻原浩
隣接する有料老人ホーム「ひまわり苑」と「ひまわり幼稚園」。
妻を亡くし「苑」に入居した益子誠次は子供嫌いだったが、物の道理を教えるためあえて幼稚園児と一緒にひまわりの種を植えた。
老人とガキどもの不思議な交流。
しかし園児と老人の交流を様々な大人の事情が邪魔するし、経営が同じ「苑」と「園」には実はさまざまな不正の疑いがあるが、
老人と幼子では余りにも非力ゆえになかなか糾すことができないでいた。
しかしある日、訳ありの「苑」の入居者・片岡さんがとうとう決起、誠次と子供たちと一緒にバリケード封鎖を敢行する。
実行犯は、ジジババと幼稚園児?
著者お得意のユーモア小説。ジジババと幼稚園児が主人公の熱血幼老物語。
主に誠次と園児の晴也や幼稚園の和歌子先生の視点で展開される。
大体老幼で会話が成り立つのか?クッスと笑える箇所が何箇所あるのだがはるか昔の5~6歳の記憶はないし、
ジジババの境地にも程遠いので想像は出来るがリアル感がもてなくそれほど楽しめなかった。
悪徳有料老人ホームの問題点や痴呆症、幼稚園の補助金の不正受給や保育実態などナルホドとは思ったがこれから団塊世代がそのままの
大量老人社会への突入する時代を向えて自らの将来を重ねて想う時笑い事では済まない物語だった。
2009年11月文藝春秋 刊
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荻原浩著 「オイアウエ漂流記」

2009-11-12 | 荻原浩
トンガ王国を出発した小型旅客機が遭難し南の島の無人島に流れ着いた。
乗っていたのはリゾート開発会社の社員
塚本賢司と高血圧の河原部長、ラグビー部の安田課長、
英語が堪能な菅原(♀)主任、接待相手のスポンサー野々村氏に
新婚旅行に訪れたぽっちゃり系の早織とその夫の昌人、
太平洋戦争経験者の84歳の喜介ことじっちゃんと孫の小4の仁太、そして謎の外国人ジョセフ・サイモンの10人だった。
嵐に巻き込まれて飛行機は墜落、機長は波に呑まれて行方不明、乗客たちは機長の犬と共に無人島に流れ着いた。
最初はすぐに救助がくるだろうと楽観していた彼らだったが何日経っても助けは来ないまま島での自給自足の生活が始った。
数々のユーモア小説を手がけてる著者が書くとこうなるのか
同じような無人島漂流記「東京島」(桐野著)のギラギラした性欲一杯のサバイバルとはよく似ているがえらい違いちょっぴり苦くて温かいコミカルな“オトナのための漂流記”。
どちらかといえば元の都会生活での人間関係がどう変化するか生きるとは食べること、人間と動物の関係等に重点が置かれて展開します。
無人島サバイバル映画トム・ハンクスの「キャストアウェー」や男女二人乗りの飛行機が無人島に不時着ハリソンフォードの映画「6デイズ7ナイツ」を思い浮かべながら読んだ。
人間が生きてゆくために精一杯奮闘している彼らの姿に拍手を贈りたくなる小説でした。 帰国後のその後が書かれていないのが残念。

2009年8月新潮社刊
コメント (2)
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荻原 浩 著「コールドゲーム」

2009-11-05 | 荻原浩
17歳の元高校球児の渡辺光也が巻き込まれた中2時代のクラスメイトで
「イジメ」の被害者「トロ松」からの報復復讐事件。
『ぼくのたいせつなものをうばった君へ 君のたいせつなものをうばいに行くよ』突然の脅迫メールが、中学時代のイジメへの復讐を告げた。

高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく
サスペンス仕立てで次から次に繰り返される悪戯そして遂にはかつてのクラスメイトの死者も。
弁当を笑われ、プロレスの技をかけられ、教室でパンツを下ろされる。
クラスじゅうのイジメの標的にされていた小柄な少年、トロ吉。
「俺たち、そんなにひどいことしたかな。あの時は、しょうがなかったんだよ。自分だけやらないとクラスで立場がなくなっちゃうって感じで・・・」

・・・ 青春ものサスペンス小説?
2002年 講談社 刊 新潮文庫
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萩原浩 著. 『さよならバースデイ』

2009-11-03 | 荻原浩
類人猿の言語習得実験を行う霊長類研究センターを舞台に、そこで働く研究者、実験をされるボノボを巡って引き起こされるミステリー風人間ドラマ。
ボノボはチンパンジーよりひとまわり小さい猿で名前はバースデー。
霊長類研究センターで産まれたバースデーは、母親の訓練を見て覚え. 母以上の能力を持ち100語を見たり聞き分けられる。
プロジェクトの助教授が一年前に突如自殺をする事件が起っていたが原因も
はっきりわからないままその遺志を継ぎであとで主任研究員となった田中が
恋人で同僚の院生の由紀にプロポースをした夜に由紀もセンターの窓から飛び降り自殺する。
そのシーンを見ていたと思われるバースデー。彼女はなぜ死んだのか?。
サルだけが知っている愛する人の真実。
田中はバースデーの記憶をたぐり真相を解明しようと動き出す。
そうしたなかある財団法人からの多額の研究寄付金が教授らによって不正に運用されている疑いが明らかになり・・・。
人とサルとの不思議な交流、その信頼関係はほほえましいのだが、あれなのは人間に振り回されるバースディ。
この本を読んで犬山のモンキーセンターでコンピュターのタッチ画面で遊ぶサルの「アイ」を思い浮かべたがそういう話題を
サスペンス風ドラマに仕上げる辺りの着眼点はさすがだが、結末も中途半端でサスペンスとしてもユーモア小説でもなくやはり中途半端でした。
2005年07月集英社刊、集英社文庫
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荻原 浩著「4度目の氷河期  」

2009-10-10 | 荻原浩
父親のいない母子家庭で育った「南山渉」のちょっとほろ苦い少年期から青年期の青春物語。
若い頃ソビエトのシビルスクに留学していた母親は大学の研究所に勤めていたが、父親は死んだと言う以外のことは何も教えてくれなかった。
成長するにつけ「僕の顔や体は他の普通の子供と違う」と自分を自覚するようになったワタルは
自分の父はクロマニヨン人ではないかと疑問に思い始める・・・。
幼年期の頃のワタルは痛々しいばかりです。
でも愛犬のクロ、転校少女のサキに出会い、陸上を始め、そして母と死別し、どんどん成長していくワタルに思わず拍手!
題名に似合わず「自分の生きている意味」を模索する青春物語です。
2006年 新潮社刊
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荻原浩著「千年樹」

2009-09-21 | 荻原浩
主人公は楠の大木。
関東地方の小さな町を見下ろす丘の上に立っており、今は無人の神社だが古くは日方神社と呼ばれた側の樹齢千年の楠の大樹「ことりの木」と呼ばれている。
木は千年もの長い間生き続けすべてを見ていた。
人間達の生と死のドラマが、時代を超えて交錯する8話からなる連作短編集。
1篇の中に「過去」と「現在」を並行して二つの時代の話が交互に入る筋立てで、
その二つの時代の話が絶妙にリンクしあって千年樹をめぐる人々の話が綴られていく。
それぞれをつなぐ鍵になっているのは、神社付属の幼稚園を卒園した子どもたちの「その後」。
楠の木陰で遊び、根元にタイムカプセルを埋めた幼稚園時代。
その後、子どもたちはどのような人生を歩んでいったのか。
平安時代、謀反にあって山中に打ち捨てられた国司の一家。
1970年代ごろ、級友にいじめられて自殺を考える中学生。
空襲を命からがら逃げ延びた小学生。
暴虐、憎しみ、憧れ、諦め・・・多種多様な人間の感情が木の下でむき出しになりながらも静かに時間は過ぎて行く。
時を経て時代は変わるけれど同じような事件が何度となく繰り返されることは、時代が変ろうと人間の欲望の浅はかさは変らないことが示される。
人間たちの思いが、千年樹を介して交錯する。
過去と現在、その奇妙な符合を知っているのは千年樹のみで当人たちは知る由もない。
樹は、やがて人間の愚行をさんざん目撃したあげく伐採というきびしい運命に遭遇するが、しかし木の命は種子の形でまたどこかに運ばれて・・・。
飢饉の間引きと子連れ再婚を扱った「郭公の巣」はホラーぽい終り方で面白かった。
2007年3月 集英社刊
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荻原浩著『ちょいな人々』 

2009-01-28 | 荻原浩
2006年から07年にかけて「オール讀物」に掲載された7篇を収録したユーモア小説短篇集。
人々の現実的なワンシーンを、ちくっと皮肉っぽく茶化したクスっと笑える短編ばかり。
表題作の「ちょいな人々」は、とある印刷会社で、社長が毎週金曜日をノーネクタイの“カジュアル・フライデー”に決めたからさあ大変、おじさんたちがカジュアルファッションに挑戦して、職場が異様な雰囲気になる話。
「ガーデンウォーズ」は、ガーデニング・ブームを皮肉った作品。
「占い師の悪運」はスピリチュアルや占いブームを笑い飛ばし「いじめ電話相談室」では大人のイジメ問題を、「犬猫語完全翻訳機」は、「正直メール」と連作で、犬猫の肉声が聞ける“ワンニャンボイス”、後者は携帯メールを声紋分析で送る“フィンガレスホン”という新製品をめぐる話
「くたばれ、タイガース」は『自分自身を茶化し、世の中を茶化し、実は読む人をも茶化している。』(作者談)とか。
「いじめ電話相談室」でも著者の「ママの狙撃銃」でも取り上げられたいじめ対策は実用的で面白い。
2008年10月 文藝春秋刊 1600円
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荻原 浩著「愛しの座敷わらし」

2008-12-09 | 荻原浩
ユーモア小説。人員整理で地方の支店に左遷?東京から田舎に引っ越した高橋一家。
晃一・史子夫妻、中1の娘の梓美、小4の息子の智也、そして晃一の母澄代。
家での居場所のない父。子育てと姑そして家を顧みない夫に不満を持っている妻。両親との関係も悪く、本当の友達がいない長女。喘息の持病が有り過保護に育てられた長男。夫の死後、都会暮しの環境の変化でボケの症状が出て来た義母。
どこの家庭でもあるような問題を抱えた家族が、父の転勤を機に田舎の古い家に引っ越すことになった。しかし、その家には可愛いい座敷わらしが棲みついてたのだった・・・。
生まれてすぐに家族になるわけじゃない。一緒にいるから、家族になるのだ。東京から田舎に引っ越した一家が、座敷わらしとの出会いを機に家族の絆を取り戻してゆく、ささやかな希望と再生の物語。
ほのぼのとした笑いの中に散りばめられた人生の教訓、古家と田舎ぐらしの3ヶ月のすったもんだの末、一人一人が自分を見直してそれぞれの悩みを解決しながら前向きに頑張ろうと姿にほんわかした気持ちで読み終える事が出来ました。
最後の一頁の『  』は一言は「グ~!」
『今まで自分は人生の下り階段にいると思っていた。しかし、階段には上りも下りもないのだ。上がろうとすれば、そこは上り階段になる。』(本文より)
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荻原 浩著「なかよし小鳩組 」

2008-10-11 | 荻原浩
「オロロ畑でつかまえて」の続編。軽妙かつユ-モアに満ちた文章で
飽きさせない。
ホロッとさせる場面も入れて社会風刺が冴える。
潰れかけユニバ-サル広告社の今度のクライアントは暴対法で看板を
替えたヤクザ所謂暴力団。
小鳩組長の号令で、CIを作る事になり、プロモ、CM等を受け負うわされることに。
ビビルまく社長に、マイペ-スなア-トデレクタ-村崎、チ-フデレクターの杉山は一人張り切る。
アルバイトの紅一点、猪熊譲の意外な経歴がものをいいハチャメチャな展開に・・・
1998年 集英社 刊

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荻原 浩著「噂」

2008-09-25 | 荻原浩
足首を切られた女子高生の絞殺死体が発見され、警視庁目黒暑刑事の
小暮悠一と本庁の名島警部補(女性)がコンビを組んで捜査をはじめる。
捜査を進めるうちに渋谷を中心に女子高生に広がる「レインマン」の噂を
耳にする。
WMO(WOM-WORD OF MOUTH)口コミ、うわさ
をテ-マにした本格的ミステリ-小説。
共に子持ちで配偶者を亡くした経歴をもつ2人の刑事の活躍が面白い。

2001年 講談社 刊
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荻原 浩著 「神様からひと言」

2008-06-14 | 荻原浩
痛快ユーモア小説。こういうの書かせたら著者はピカイチ。
強烈キャラの登場人物の面々今回も笑わせてくれますホロリとさせてくれます。
題名神様は「お客様は神様」の神様。
宗教がらみでないですからその点題名で損してる感じ。
タマちゃんラーメンの珠川食品にトラバーユした元広告代理店勤務の
「佐倉涼平」が主人公。
販売促進課の課長と衝突した事から会社の苦情処理係りの総務部
お客様相談室に移動になるが・・・
2002年 光文社刊
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荻原浩著「さよなら、そしてこんにちは」

2008-01-26 | 荻原浩
登場人物が滑稽で愛らしいユーモア短編集7つ。
コミカルな主人公たちのほのぼのとした人生の妙に納得の小品集。
「さよなら、そしてこんにちは」
主人公は間もなく子供が生まれる葬儀社の営業マン。臨終間もない霊安室で、ライバルの葬儀社と営業合戦 が・・・
「ビューティフルライフ」
リストラされた父が選んだのは東京を離れて田舎暮らし家族4人が引っ越した先は・・・
「スーパーマンの憂鬱」
テレビ番組の健康コーナーを日々チェックしながら仕入れに追われる、スーパーの食品売場責任者。
「美獣戦隊ナイトレンジャー」
子供番組に我が子より夢中になってしまった母親の話し・・・
「寿司辰のいちばん長い日」
修行時代を含めて35年、開業して5年の寿司屋の主人辰五郎の不機嫌な原因は・・・
「長福寺のメリークリスマス」
若い妻と愛娘にクリスマス・パーティをねだられる住職。
他に「スローライフ」
どれを読んでも笑いあり涙有り、思わず吹き出したくなるような
ユーモアの数々・・・
この著者は長編物より短編物の方が面白い。
光文社2007年10月刊 1575円

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