読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

萩原浩 著. 『さよならバースデイ』

2009-11-03 | 荻原浩
類人猿の言語習得実験を行う霊長類研究センターを舞台に、そこで働く研究者、実験をされるボノボを巡って引き起こされるミステリー風人間ドラマ。
ボノボはチンパンジーよりひとまわり小さい猿で名前はバースデー。
霊長類研究センターで産まれたバースデーは、母親の訓練を見て覚え. 母以上の能力を持ち100語を見たり聞き分けられる。
プロジェクトの助教授が一年前に突如自殺をする事件が起っていたが原因も
はっきりわからないままその遺志を継ぎであとで主任研究員となった田中が
恋人で同僚の院生の由紀にプロポースをした夜に由紀もセンターの窓から飛び降り自殺する。
そのシーンを見ていたと思われるバースデー。彼女はなぜ死んだのか?。
サルだけが知っている愛する人の真実。
田中はバースデーの記憶をたぐり真相を解明しようと動き出す。
そうしたなかある財団法人からの多額の研究寄付金が教授らによって不正に運用されている疑いが明らかになり・・・。
人とサルとの不思議な交流、その信頼関係はほほえましいのだが、あれなのは人間に振り回されるバースディ。
この本を読んで犬山のモンキーセンターでコンピュターのタッチ画面で遊ぶサルの「アイ」を思い浮かべたがそういう話題を
サスペンス風ドラマに仕上げる辺りの着眼点はさすがだが、結末も中途半端でサスペンスとしてもユーモア小説でもなくやはり中途半端でした。
2005年07月集英社刊、集英社文庫

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