goo blog サービス終了のお知らせ 

読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

今野 敏著「禁断 横浜みなとみらい署暴対係」 

2011-07-28 | 今野敏
「逆風の街 横浜みなとみらい署暴力犯係」に続く「横浜みなとみらい署シリーズ」第2弾。
最近市内では薬物検挙数が目に見えて増えているという中、大学生がヘロイン中毒死した。
暴力団との繋がりを追う横浜みなとみらい署暴力犯係の諸橋班の城島たち。
それを嘲笑うかのように、事件を追っていた新聞記者の宮本が、さらには暴力団構成員までが次々と
同じ手口で本牧埠頭に死体で浮かぶ。
「ハマの町は俺が守る!」 暴力団を激しく憎む「ハマの用心棒」こと城島警部の闘いが始まった。
展開がのらりくらりとしてイライラした。
読んでいて予想できる真相をあえて違う方向に意識させているのが原因だ・・・後半やっぱりと・・・。
しかしラストの追い込みは面白かった。
逮捕術の天才「倉持」は合気道の心得でもあるのか?
今野さんの警察シリーズはいろいろあって其々面白いこのシリーズも続きそうだ。
2010年6月 徳間書店刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「惣角流浪」 

2011-07-13 | 今野敏
著者の今野さん自身も空手武道を持っているので、格闘シーンの描写は迫力がある。
江戸から明治へ- 武士の世が終焉を迎えたとき、少年は合気に生きる決意を固めた。
触れるだけで相手を投げ飛ばす奇跡の武術、大東流合気柔術の中興の祖・武田惣角の波瀾の
青春を描いた青春物語。
「進む道は武芸なり」の信念のもと、武士の世が終焉を迎えた維新後もひたすら修行に励む。
のちの講道館柔道の創始者・嘉納治五郎との対決を機に、惣角の流浪が始まる。
西郷隆盛との会話、琉球空手の使い手・伊志嶺章憲との命を懸けた闘い。
合気の道を極めんとする男の壮烈な青春を描いた明治格闘小説。
『秘伝というのが・・・崩しだよ。相手が攻撃してくる瞬間には、相手の重心は移動している。つまり、崩れているんだ。相手が力を入れようとする瞬間も意識の中ですでに重心が移動しているから、体勢が崩れている・・・つまり、技をかける前にくずさなければならないんだ。』(P212)
高校生の時、柔道を少しかじったがそんな格闘技の極意が少し理解できたので面白かった一気に読めました。


1997年10月 集英社刊  集英社文庫
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「エチュード」

2011-06-14 | 今野敏
警察小説。題名の「エチュード」は仏語で勉強の意。
美術の世界では、習作、とか下絵。演劇の世界では、即興で演じていく稽古。
音楽の世界では練習曲のこと」(P259)
渋谷・新宿で相次いで発生した無差別殺傷事件。
警察は衆人環視のなか、其々犯人とは別人を現行犯逮捕するという失態を繰り返してしまう。
警視庁捜査一課・碓氷弘一は警察庁より派遣された美人心理調査官・藤森紗英を相棒に事件の真相を追うことに。
心理調査官藤森は、事件の情報が集められ蓄積されるにつれて、犯人の行動を的確に予測していく反面他の捜査係官達からは、「そんなことありえるのか?」という懐疑の眼差しで見つめられるのだが・・・。
犯人を絞り込む過程が面白い。
若干なぜ心理調査官が、そこまで犯人の心理を読めるのか疑問に感じたが、
さすが著者の今野氏は早い展開で日本ではあまり行われていないプロファイリングの手法を駆使して、見事に高精度に犯人の行動まで予測し、高度な心理学を学び身につけた犯人と対決する。
そんな、プロファイリングを駆使した捜査が面白かった。
美人心理調査官・藤森紗英を主人公に続編を期待したい。

2010年11月 中央公論新社刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著『警視庁FC』

2011-05-22 | 今野敏
「FC」 とは、サッカーの「Football Club」ではなく「Film Commission」の略。
映画やドラマの撮影に対し て、様々な便宜を図るための特命チームである。
室長の切れ者と評判の長門以下、4名がメンバー。
いわゆるマル暴担当の山岡諒一。交通部交通機動隊所謂白バイの服部靖彦。
唯一の女性、交通部都市交通対策課所謂ミニパトの島原静香。
そして、主人公の地域部地域総務課の楠木(くすき)肇。
4人とも専任ではなく、本来の業務との兼務である。楠木の勤務する本庁の地域総務課は日勤で週休2日である。定時に登庁して定時に上がる。刑事になるなんて思ってもいない、できれば努力などしないで一生を終えたいという草食系サラリ-マン警察官。
狩り出されて警備についたた映画の撮影中、助監督がロケバスで殺害された。
殺人の捜査は本来捜査本部の仕事で、警視庁FCの仕事ではないはず、と他人事のように思っていた楠木だが、なぜか山岡や室長の長門は捜査に乗り気。
どんどん楠木の望まない方向に・・・。
早く帰りたいまるでやる気の無い警察官がどんどん優秀で熱血な人物と誤解されていく課程が殺人事件なのに緊張感がまるで無い落語の「蒟蒻問答」のようなクスクス笑う展開に。
硬派なイメージの著者の作品でないような不思議な思いがけない展開に吃驚しましたがこんなのもたまには面白い。

2011年2月 毎日新聞社刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「初陣 隠蔽捜査3.5」

2010-11-30 | 今野敏
竜崎が主役の隠蔽捜査シリーズの番外編とも言うべき幼馴染にして立場の違う同期のキャリア。
このシリーズは第1弾「隠蔽捜査」で「吉川英治文学新人賞受賞と第2弾「果断・隠蔽捜査2」で山本周五郎賞・日本推理作家協会賞受賞。「疑心・隠蔽捜査3」に続く。
今回は伊丹俊太郎の立場から描いた作品で竜崎の特異なキャラクターが際立つ内容。
伊丹と大森署署長・竜崎伸也。警視庁刑事部長という重責ポストに着任した伊丹が組織の壁に悩むながら次から次の難題に苦境に陥るが竜崎のぶれない信念がヒントになり伊丹を救う。
二人の会話は読んでいて本当に愉快で楽しい。
窮地に陥り右往左往する伊丹が竜崎に電話する場面が頭に浮かぶ。
8つの連作短編だが本来のシリーズを読了済みだとより楽しめるだろう。
「3.5」とあるのでシリーズ「4」が、待ち遠しい。


2010年5月新潮社刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「烈日 東京湾臨海署安積班」

2010-11-10 | 今野敏
お台場をはじめとする湾岸地域を管轄する警視庁東京湾臨海警察署を舞台に、安積警部補率いる刑事課強行犯係安積班の活躍を描く安積班シリーズの今回は連作短編の警察小説。
新しく庁舎が建てられた東京湾臨海署の刑事課に新たな刑事水野真帆という女性が配属された。
鑑識課出身で、歪に膨張した水死体にも怯むことのない水野。
チームワーク抜群の安積班に新顔の女性刑事はいかにして溶け込み班の一員として活躍することができるのか・・・「新顔」。
「海南風」「開花予想」「逃げ水」「白露」「凩」「烈日」「厳冬」
タイトルの烈日は「秋霜烈日というのは、 -草木を枯らすほどの厳しい気候のことで、刑罰を与えることの厳しいことのたとえとして使われる」(146P)
24節季の言葉を使ったタイトルが多いようだが四季の風景や匂いの情景描写を織り込み
このシリーズ益々快調だ。
このシリーズでは安積と同期でなにかと協力的な交通機動隊の速水小隊長が好きだ。
「厳冬」珍しく風邪を引いた安積班長の心理と班員達の心使いや思いやりに泣けた。
短編で読みやすい。
2010年9月角川春樹事務所刊

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「夕暴雨―東京湾臨海署安積班 」

2010-10-08 | 今野敏
夕暴雨=夕立のこと、台湾でいう西北雨、ゲリラ豪雨。
TVドラマ「ハンチョウ」原作の安積警部補シリーズ 。
良識派の頼れる係長・安積。
几帳面で口うるさいが、昔ながらの刑事タイプ形式主義に神経質な村雨。
太り気味コンピューターオタクかもだが抜群のツキとひらめきを持つ須田、
須田と名コンビ不言実行の一流のアスリートタイプの男黒木。
村雨の弟子?若い桜井。
そして部外者だが協力的な交機隊の速水。
個性派揃いの安積班長チームが事件解決にあたるシリーズ。
本庁捜査一課の捜査員だった相楽が、人事異動のため安積と同じベイエリア分署の、
しかも安積の隣のグループの係長に就任してやってきた。
湾岸地域の巨大イベント・ビッグサイトで行われる同人誌即売イベントの爆破予告がネットで発見され、
安積班と相楽班は、警戒警備にあたるが、警備の強化にも関わらず、爆発が起こり、怪我人が複数出てしまう。
やがて成り行きで相良班との無理矢理な解決競争に引き込まれてしまうのだが・・・。
個々のキャラが魅力的に丁寧に書かれ感情移入しやすい。
犯人の動機も最近の無差別殺人や愉快犯の心情がよく書かれている。
特車二課の特殊車両は一体なんだったのか最後まで不明なのは心残り。
「自分が何者か、何が出来るのか、自分の未来がわからない。意味?強いて言えば、俺の存在証明でしょうか」
(P352)
2010年1月角川春樹事務所刊  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「海に消えた神々」 

2010-09-17 | 今野敏
私立探偵「石神」を主人公とするシリーズ、「神々の遺品」に続く第二弾です。
探偵・石神のもとに1人の高校生が訪ねてきて、「友達のお父さんが自殺しました。
でも、自殺じゃないかもしれないんです。それを調べてもらえませんか?」
―沖縄の古代遺跡に関する捏造疑惑がもとで自殺した仲里教授の無念を晴らして欲しい、との依頼が石神のもとに舞い込みます。
沖縄の海底遺跡にからんだ謎。遺跡の捏造疑惑の中、地質学者の仲里教授が崖から転落して死亡。
警察はろくに捜査もせずに自殺と断定。
身寄りを失くした娘の麻由美は叔母夫婦の暮らす東京へ。
高校へもあまり登校しない麻由美の同級生、園田は尊敬する仲里教授の娘を救おうと石神に依頼したのだ。
沖縄の海底遺跡が題材という点に魅かれ読んでみた。
自分もダイビングをするので一度は与那国の海底遺跡にも潜ってみたいと思っているので
ダイビングするシーンやダイビング過多による疲労の蓄積、窒素酔いに対しては良く理解できた。
はじめ、嫌な奴、敵側の印象で登場したのが途中から味方に替わったり、良い奴だったのが実は違ってたりいい意味で裏切られた。
邪馬台国の謎、ムー大陸伝説と米軍が問題にした大東亜共栄圏構想の結びつき、
基地をめぐる反対運動と地元民と政治家、マスコミ、大学の権力争い等もっと追求してもらえたら面白かったのに表面をなぞるだけで終了してしまい中途半端な感じで残念だ。
沖縄旅行前か機内でも読む小説としてお薦めです。
古代遺跡をめぐる人間達の相剋を描いたミステリー。

2002年9月双葉社刊 (双葉文庫)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野 敏著『凍土の密約』

2010-07-29 | 今野敏
『曙光の街』『白夜街道』に登場の公安刑事倉島のシリーズ。
赤坂で右翼団体に所属する男の殺人事件発生し、警視庁公安部の倉島は、なぜか特捜本部に呼ばれる。
二日後、今度はロシアの密貿易をしていた暴力団構成員が殺された。
さらに、ロシア人ジャーナリストが殺され、第4の事件が・・・。
殺人の手口はタガーナイフによる殺人のプロの仕業、倉島は 日本人ではありえないプロの殺し屋の存在を感じる。鍵はロシア。
ゼロの研修に呼ばれエース級の捜査員になるために全力を注ぐ倉島の証拠を挙げ、公判を維持することが目的の刑事捜査ではなく、
事件の裏にある真相を探る公安の視点で物語が展開されます。
公安と刑事の軋轢や組織対立、ソ連時代の遺物やスパイ合戦などリアルな着眼点が面白い。
「留萌釧路ライン」と呼ばれる戦中の密約は知らなかったのでもう少し戦争が続いていたら分断国家日本が存在したかもと想像してしまいました。
2009年9月 文藝春秋刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野 敏 著「半夏生-東京湾臨海署安積班」

2009-11-08 | 今野敏
警察小説、新生ベイエリア分署シリーズ。
半夏生=「夏至から数えて11日目に当たる日、梅雨が終り田植えもこのころ終わる。また、同名の植物で、
それが花をつける頃、花の近くの葉の一部が白くなり半分化粧したようなので半化粧の名があるとも。」
身元不明のアラブ系外国人の行き倒れが見つかった。
すわNBCテロか?バイオ・テロ ?炭疽菌?ペスト菌,ポツリヌス菌、天然痘ウイルスか?発見者のホームレスが行方不明。
政府にテロ対策本部が設置されて日本版アウトブレイクは可能か?
危機意識のない日本という国でバイオ・テロが起きたら、この国はちゃんと機能するのだろうか
・・・・誇り高き刑事たちの地道な活躍がはじまった。

2004年角川春樹事務所刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野 敏著「隠蔽捜査」

2009-10-20 | 今野敏
シリーズ第一作
46歳東大卒のキャリヤで警察庁長官官房総務課長「竜崎伸也」は、
連続殺人事件のマスコミ対策に追われるなか、衝撃の真相に気づいた。
そんな折、竜崎は息子の麻薬所持並びに使用という行為を知る。
苦悩し相談した幼馴染の刑事部長の伊丹は、目をつぶって「もみ消し」、丸く治めよと・・・
互いに自らの正義を主張するキャリアとキャリアの対立の中、苦悩する竜崎と伊丹。
組織としての警察庁のとるべき真の危機管理とは・・・人生の岐路に立たされたとき取るべき人の選択は・・・
刑事警察小説の形式を取りながら人間の生き方を問う意欲作。
2005年   新潮社 刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著 「疑心―隠蔽捜査3」

2009-10-19 | 今野敏
警察庁のキャリア官僚の活躍を描いている隠蔽捜査、第2弾『果断』で第21回山本周五郎賞と第61回日本推協賞長編部門を受賞した続編第3弾。
大森署署長に左遷されたキャリアの竜崎伸也。
竜崎を失脚させようとする勢力の何かの魂胆か異例の任命で、米大統領訪日の方面警備本部長(羽田空港地区担当)になった。
そんな彼のもとに飛び込んできたのは、大統領機の到着する羽田空港でのテロ情報だった。
警視庁から派遣されてきた美貌の女性キャリア畠山美奈子、空港封鎖を主張する米国のシークレットサービスのハックマン。
虚々実々の警備本部で、竜崎の心は揺れる。
あの堅物・妻から唐変木と呼ばれる竜崎が部下に恋をしてうろたえる・・・、
中年男の揺れる恋心とそれに戸惑う様子など心理描写は見事。
心の持ち方のヒントを葉隠れや公案まで求めるが
【公案とは禅宗において、修行者が悟りを開くための課題として与えられる問題のこと。一般的には「禅問答」として知られる】
中間管理職の心理と犯人逮捕までの経緯は面白かった。

2009年3月新潮社刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「同 期 」

2009-08-22 | 今野敏
警察小説。主人公は若い30代の若手ノンキャリアの警視庁刑事部捜査一課の宇田川。
同期の公安刑事蘇我の突然の懲戒免職に続く失踪をめぐって、警察上層部、公安、組織犯罪対策部等々の組織の論理の壁に挑みます。
若い宇田川刑事を支えるの同僚のベテラン刑事二人の後押しは心強い。
刑事、公安、組対・・・。それぞれの思惑が交錯する大きな事案を追いつつ、願いはただ同期を救うことだけ。
やがて蘇我が、連続殺人の容疑者に。
「教えてくれ。おまえはいったい何者なんだ」
上司には逆らわないことと役人根性を決め込んでいた宇田川が、不可解な事件を追っていくうちにドンドン変わって行く。
彼を突き動かすものは同期としての絆と「捜査する」という刑事の本能だ。
地道な捜査活動を通して描かれる刑事たちの人間模様がリアル。
男たちの前に立ちはだかる最も高い壁――組織の論理。その壁を突破するのは、刑事たちの誇りと絆。
実にテンポよく進む展開と最終の山場、真相の解明に向って話しが盛り上がる筋立てに一気に読めました。
事件が刑事を鍛え育てる。この事件を通じて若輩の宇田川が逞しく成長する過程を一緒に楽しめた。
2009年7月講談社 刊

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野 敏著「心霊特捜」

2009-07-30 | 今野敏
主人公は岩切大悟は神奈川県警刑事総務課に所属しているが主な仕事は,県警のR特捜班との連絡係だ。
"R”は実は「霊」の頭文字でR特捜班は別名,心霊関係が絡む事件の特捜班『心霊特捜班』と呼ばれている。
霊に絡んだ事件をR特捜班に所属する霊能力者3人が活躍する警察小説
メンバーは
霊的能力ないが、いつも眠っているようなここの班長で係長番匠警部(40歳)。
主任の数馬史郎巡査部長(35歳)。家が古神道の継承者だとか。
鹿毛睦丸巡査。密教系の寺の息子で、修験道などにも通じている(32歳)。
沖縄出身の女性霊能者ノロの家系(28歳)の比謝里美巡査。
「死霊のエレベーター」「目撃者に花束を」、「狐憑き」 「ヒロイン」、「魔方陣」、「人魚姫」・・・どれも霊が絡むが結局事件は人間が起こすのだ
・・・ 6編からなる短編集。
ホラーぽくもなく霊よりも怖いのは人間の性か、気楽に読める分何も残らないかも。2008年8月双葉社刊 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野 敏著「武士猿 ブサーザールー」

2009-07-21 | 今野敏
空手道黎明期に活躍しボクサーとの試合や多くの他流試合に連勝して、
空手の実戦性を証明しつづけた伝説の拳豪、最強の沖縄空手家・本部朝基(もとぶちょうき)(1870―1944)の半生を描いた武道小説。
本部御殿の三男として、那覇市首里に生まれた。空手の大家・糸洲安恒に師事し「手(ティー)」の才能を開花させる。
修行のため行った野試合の「掛け試し」で不敗を誇り、その身軽さから「本部の猿(サールー)」とも呼ばれた。
闘う相手も個性輝く猛者ばかり。北谷に伝わるクーシャンクーの使い手、棒の伊良波長春、女性ながら天晴れ運天ナビー、相撲取り、薩摩の剣の使い手等々。
たまたま京都でボクシング対柔道の興行試合を見て、飛び入りで参加した朝基が相手のロシア人ボクサーを一撃で倒す試合は手に汗握る。
薩摩藩に支配された琉球の悲哀を背景に、格闘技エンターテインメントとしても楽しめる。
日本の南西端「琉球」で限られて伝承されて来た、中国拳法と融合しながらも沖縄固有の武道である空手(唐手)。
空手はいかにして発祥し発展したか、そしていかにして日本全土に広まったか。
空手(唐手)が興ったゆえんが面白く綴られている。
著者の今野氏は沖縄の空手を30年近く続け、自ら「空手道今野塾」を主宰する武道家であるからこそ書けた格闘歴史小説。
2009年5月集英社刊  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする