メランコリア

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新しい世界の童話シリーズ 町かどのジム エリノア・ファージョン/[作] 学研

2024-08-09 11:10:07 | 
1965年初版 1990年 第34刷 松岡享子/訳 三芳悌吉/画

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します

80歳の元水夫の話を夢中で聞く8歳になる少年の物語







【内容抜粋メモ】

●デリーとジム
街角のポストのそばにミカン箱が置いてあり
デリーが産まれた時からずっとジムが座っている
近所の人たちはジムが大好き











●男の子のパイ
ジムが幼い頃、カラスがマメ畑を荒らさないよう見張っていた

とんでけ、とんでけ、悪党め
さもなきゃ、パイにして食っちまうぞ!









ジムが寝ている間に、畑にパンとベーコンがなっていて
でかいカラスが見張りをしている







とてもお腹が空いていて、なんとか目を盗んで食べると
服の裾をくわえて飛び立ち、巣に連れて行く

カラスの奥さんが男の子をパイにして食べようとして
ジムは木のてっぺんから飛んで逃げた

空腹がつらいと分かり、それからは鳥のえさ場をつくってやった









●みどり色の子ねこ
デリーは8歳の誕生日プレゼントに自転車を買ってもらった

ジムは8月10日に80歳になるので、何が欲しいか聞くと
海が見れるなら、ほかには何もいらないと答える

ジムは船乗りになりたくて、ケントの田舎から逃げだして
ゆり木馬号でキャビンボーイとしてポッツ船長に雇われる







みどり色の子ネコを見つけ、船のマスコットにしてから不運が続く
ハリケーンにやられ、氷山にぶつかり、海賊にヤラれ、難破しそうになった後は凪で動けない

船長から伊勢エビをとってくるよう命令されて、海底に行くと、タコに吊り上げられる
ナマズの女王は娘の子ネコを返してくれと交換条件を出す

ナマズの女王はジムの誕生日祝いに貝をくれる








●ありあまり島
ひどい霧で船にいる仲間も見えなくなり、マストのてっぺんに登ると
みどり色の島が見えて、霧の中を泳いで渡ると
ありあまり王として迎えられ、銀娘と結婚させられる









ご馳走を食べ、歌って眠る毎日も1か月もすると飽きてしまい
霧の中を船まで泳ぐと、船では12時間しか経っていなかった








●ペンギンのフリップ
ゆり木馬号が3か月も氷づめだった話
ペンギンはお嫁さんにしたい女ペンギンに巣をつくる石をプレゼントする

フリップと名付けたペンギンは2頭のペンギンにフラれ
ジムに石を持ってきたため、石に頭文字のFを彫ってあげる










南極を探すためにフリップと別れ、ジムは1人で氷の洞穴を探検して
裂け目に落ちて、足を捻挫して、迷ってしまう

フリップがそばに来て、魚を置いていき、それを食べて歩けるようになると
フリップが置いたFと彫られた石が目印となり、キャンプに戻ることができた

フリップは美人の奥さんを見つけ、赤ん坊も生まれた








●九番目の波
ジムがマグロ釣りをしていたら、タラがかかった
タラは船酔いしていて、同情したジムは船長に食べられないよう隠してあげる







大しけになり、8本の油の瓶を流して、九番目の波は他より大きいため祈るだけと観念すると
タラは恩返しに自分の肝臓からとった肝油をくれて、波のほうから逃げていく
ジムはタラをそっと海に返す


●月を見張る星
デリーの名付け親の叔父が誕生日祝いに望遠鏡をプレゼントしてくれた
ジムに言われて夜の星を見ると、月と1つの星を見た







ジム:あれは月の見張りをする星なのさ

土星は欲が深くて、光の輪を盗んでベルトにし
7つも月を手に入れたのに、地球の月を欲しがって
流れ星に言って、歌わせたため、月が動きはじめ
かあさん地球は、空のことならなんでも知っているミスター・ガリレオに相談した







ミスター・ガリレオは空文字を読み、太陽に相談すると
月を元の場所に引き戻し、今後も動かないよう見張りの星を置いた









●大海ヘビ
デリー:虹の根本に金の壺が埋まってるってほんと?
ジム:わしの金の耳輪は虹の端っこから取ったんだ それは大きな海ヘビだったのさ

インド洋に2つも虹がかかっていて、その1つはうねうね動く大海ヘビだった
大海ヘビ:オレはデカすぎるから、誰も愛してくれないんだ

同情したジムが頭をなでると、長い胴体もなでてほしくて
次から次へと体を船に上げる







いい加減腕が痛くなっても止めるわけにもいかず困っていると
洗濯をしていた船長が干す前に振り、しずくが海ヘビの体に落ちる

濡れるのがイヤで海ヘビは海の中に消える
その時、シッポの先にあった金の輪が残った


●チンマバンジーとボリマロイ
ジムはこれまでで一番暑かったのは、バンガルー島だったと話す
カッコトー鳥がみんなにバナナを配ったのに、ジムにだけは意地悪くする
カッコトー鳥:ワリイ、ジンマジャンボ!

船長も仲間も鳥のボリマロイの味方をしたため
ジムは怒って、ジャングルで1人で暮らそうと決める

泳いでいて、間違ってクラゲを飲んでノドにひっかかり
何を言っても「グヮグヮグヮ」としか言えない

チンパンジーがジムの服を着て、すっかりジムになりかわる
2人で船に戻ると、みんなはチンパンジーをジムだと思いシチューをよそい
ジムをチンパンジーだと思って木にくくる







竜巻が起きて、2人とも船に乗せると、チンパンジーは船酔いして
服をジムに着せて、島へ泳いで行った

みんなははじめからからかっていた
それからジムがふくれると「グヮグヮグヮ」と言うので
笑ってしまって怒るのを忘れる


●ジムの誕生日
8月10日 町の人たちは海や山に遊びに行ってしまい、ジムはひとりで寂しく座っている
デリーが来て、父の車で海岸へ行こうと誘う
父:君は今日から2週間、海岸のライフボートマンの小屋に泊まるんだ










解説

エリノア・ファージョン
1882年ロンドン生まれ 82歳で死去
父は貧しい家庭から身をおこし、小説家・劇作家として成功した
母マーガレットは、当時アメリカで人気のあるジョセフ・ジェファーソンという俳優の娘
エリノアは学校教育を受けていないが、家中に書物があふれ
7歳の時、父からタイプライターの使い方を教わり詩や物語を書いた

詩『銀の砂と雪』
劇『ガラスの靴』
伝記『十人の聖者』
『リンゴ畑のマーティン・ピピン』
短編集『ムギと王さま』














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