メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

少年少女・新しい世界の文学 27 アルプスにかける虹 マルグリット・ティエボー 学研

2024-01-04 17:51:57 | 
1975年初版 1979年 第3刷 前田和子、M.T.サンジェ/共訳 伊藤和子/挿画・挿絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します



【内容抜粋メモ】

登場人物
マヌエラ 14歳 家族を養うためホテルで働いている
弟 トニオ10歳
父 ジノ・セルバッティ
叔父 ジャック

ルウ 親友
ステファン・デュボル ルウの兄
アンナ16歳とベアトリス オランダから来たヴァン・レイ家の令嬢

フランク・ポウル
ミシェル・ゴーチェ スラロームのチャンピオン
マニアン村長
モネスティエ 馬をたくさん持つお金持ち
ロンドゥ夫妻
女中のローザ



●サンジャン村





マヌエラは幼い頃からスキーをしているせいで、地方戦でいくつもカップをとっている
母を亡くし、父は肺の病でサナトリウムで療養しているため
ホテルで働いて、弟と2人で暮らしている

サンジャン村は1年の8割は大雪だが、マニアン村長の努力で
ウィンタースポーツの有名な観光地としてにぎわってる

親友ルウの兄ステファンは、オランダから来たヴァン・レイ家の双子の令嬢
アンナとベアトリスにスキーを教えている
2人はマヌエラにフランス語を教えて欲しいと頼む



●フランク・ポウル
不良で有名なフランクがいきなり家に入ってきて
父の仕事である客を乗せて走る年代もののそりを買うと言う

フランク:オレはお前の親父にも金を貸してるんだ 証文だって持ってる!

父が大事にしていた馬“がんばり屋”は、生活のために売ってしまったため
マヌエラはお金を貯めて、馬を買い、再びソリで客を運ぶ仕事する夢を持っている

ルウが誘ってくれて、デュボル家で美味しいクレープや焼き栗をご馳走になるマヌエラとトニオ
その帰り、フランクがそりを入れた納屋のカギを開けようとしているのを見る
声をかけるとカギを落として、脅迫して去る








●緑の湖の鐘
翌日、姉弟は緑の湖のそばにあるかいば小屋に隠すため重いそりを運んでいるのを見て
ステファンらが手伝う

お礼に緑の湖を案内する
夏になると、周りの木々の緑が写って緑色に染まる美しい湖には鐘の伝説がある

鐘つくりの男が金銀を使った小さい鐘をつくり
それを盗んだ泥棒が湖でなにかを見て驚いて逃げ、鐘は湖の底に沈んだ
それから純粋な心を持つ者だけがその美しい音色を聴くことができるという

スキー大会のチャンピオンでステファンのライバル、ミシェル・ゴーチェが来て
マヌエラの見事な滑りに感嘆する








家に再びフランクがいて、マヌエラの父に電話したら
いつ病気が治るか分からないから、そりを売ると約束したと話す

マヌエラは信じず、フランクは納屋にそりがないのを見て激怒し
絶対見つけて奪ってやると脅迫する

ルウと双子の姉妹が来て、事情を聞き
父のサナトリウムがボニエール渓谷にあると話すと
父にクルマでドライブに行こうと誘ってくれる



●サナトリウム





ヴァン・レイ氏はサナトリウムに姉弟を送り、1時間したら戻ると約束
父の具合はとても良く、イースターには帰宅できると聞いて喜ぶ姉弟
フランクの話をすると、やはり借金もそりを売る約束もウソ

かいば小屋のそりを見に行くと、ジャック叔父さんが心配して来て
フランクには気をつけろと忠告し、貯金から少しの小遣いをマヌエラに渡し
トニオにはナイフをプレゼントする



●アリカント
かいば小屋のそりを確認した後、ミシェルが来て、中に何があるか聞くが誤魔化す
ミシェル:君は選手権試合に出るといいよ アリカントはどうしてる?

急に訳の分からないことを聞かれて答えられないマヌエラ
後で調べると、地中海に面した港町の名前

トニオ:
この辺で一番のお金持ちのモネスティエさんの馬が1頭盗まれたんだって
アリカントっていうんだ

マヌエラは驚いて、ミシェルが自分を疑っていると思う








●事故
スラロームの試合でミシェルとステファンが交互に1位となるのを見て
ティールームでルウたちを楽しくお喋りしていると、ミシェルが来て
冗談を言ったことを謝る

マヌエラは卵を届けるためにロンドゥ夫妻の別荘に向かうと
スピードを出したロンドゥ氏のクルマに轢かれてしまう

医師を呼び、全身を強く打ったが、ここで数日安静にしていれば問題ないと言う
トニオをデュボル家に預けて、豪華なベッドで休み
女中のローザがずっとそばで付き添う
ミシェルは夫妻の甥だと分かる







ロンドゥ夫人はマヌエラのために高価なパジャマなどを買って与える
ルウが見舞いに来て、フランクが土曜日から行方不明だと知らせる
アリカントを盗んだのはフランクではないかと疑う



●見舞い
火曜日、トニオも双子も見舞いに来てくれる
ロンドゥ夫妻は夜会、ローザは妹の家に用があるから
マヌエラが1人で留守番する

深夜に物音がして、見に行くと、フランクがローザの箱を開け
ロンドゥ夫妻の金庫からは宝石を盗んでいるのを見る

マヌエラ:今夜のことは誰にも言わないから、このまま帰って!

フランク:
これだけあれば、外国で何年も悠々と暮らせるんだ
服を着ろ! 隠れ家に着いたら自由にしてやる

フランクはマヌエラを縛り、さるぐつわをして、小さなそりにしばりつける



●怒りの山
フランクの隠れ家、マルタンの避難小屋は、夏でも人気がなく
冬に来ようとする者はいない場所

マヌエラはなんとか縄を解いて、雪の中に落ち
家までどれだけかかっても歩いて帰ると決心する







その後、雪崩が起きて、フランクと馬が埋もれてしまう
救助隊を呼んで助けなければ、自分の無実を証明する者がいなくなる

フランクが盗んだアリカントが逃げてきて、その背に乗り
村長の家まで来て、馬から落ち、疲れとショックで失神してしまう








●告訴
ローザが帰宅し、家の様子を見て、マヌエラが盗んだと誤解しロンドゥ夫妻に電話する
ロンドゥ氏は激怒するが、そばにいたミシェルだけはマヌエラを信じて心配する

マヌエラは村長に事情を話すと、救助隊を手配してくれる
粉雪に埋まって生存していられるのは1時間か2時間

翌日、村長の家で目を覚ますと、トニオが来ていて
ロンドゥ夫妻も村の人もみなマヌエラとフランクが
グルで宝石を盗んだと噂していると話す

ルウが見舞いに来て、村長が母に話して事情を知る
ロンドゥ氏はマヌエラを告訴するが、事情を話し
縛られた跡を見せると真摯に謝る

フランクは掘り出された時すでに死んでいて、バッグから宝石が見つかり
モネスティエから盗まれたアリカントも見つけたことで
すっかりマヌエラの嫌疑は晴れる

ジャックおじが持ってきたヒツジの毛皮を4枚つないで
裏に赤い絹をつければ、そりにお客を乗せる時のブランケットになると話すと
反省したローザが縫うと約束する

ジャック:彼らはお前に相当のお礼をする必要がある それは法律で決まっていることだ

友だちはそりを持って来てくれて、アリカントが売りに出されていると話す
盗まれた後、モネスティエは新しく若い馬を買い、アリカントは不要になったため



●モネスティエ
ホテルの支配人は、父が元気になる前に
マヌエラを客に駅からホテルに送り迎えする仕事をさせると約束
トニオ:なくしたものを見つけた人には、10%のお礼をすると決まってるんだ

姉弟はモネスティエを訪ねて、アリカントを買いたいと申し出る
モネスティエはお礼も言わず、高価な値段を出す

マヌエラは村長に村からお金を借りられないかと頼むと
村議会で話し合うことを約束してくれる



●村議会
マヌエラの件を話すと、14歳で仕事をするのは早すぎる、馬を扱えるのか?という意見が出る
ミシェルは手紙を村長に渡し、みんなの前で読み上げて欲しいと頼む

ロンドゥ夫妻から感謝の500フラン、ミシェルから500フラン
双子姉妹から500フラン、ゴーチェ氏からも500フラン出したいという内容

村議会はマヌエラに馬を買うお金を出すと決め
モネスティエに値段を引き下げる要求をする







ミシェルはアリカントを連れて、マヌエラに説明する
ミシェル:ありがとうなんて言わないでくれ 僕たちは親友なんだ

マヌエラは、みんなにお礼を言って周り、アリカントを心をこめて世話する
トニオは大事な金庫を開けて、マヌエラもオシャレしないとダメだと言い張る







初めてお店に入ると、ベアトリスが来て、ブルーのアノラック、スカーフ、手袋
ウールの帽子などを買うのを助けてくれる



●イースター
日曜の朝、初仕事に村人たちが祝って集まってくれる
以前の約束通り、ミシェルと双子姉妹がお客の第一号となる
その日の稼ぎだけで金庫ははちきれそうになる

すっかり元気になった父が帰り、塗り替えられたそり
純血種の馬アリカントを見て驚く







ミシェルを駅まで送り、来年の選手権試合に出ることを約束
ミシェル:雪が降ったらまた来るよ

春になったら、アリカントをおいしい草のある原っぱに連れていこうと夢見るマヌエラ




訳者あとがき







マルグリット・ティエボー
フランス、ストラスブールに住む 1908年生まれ
23歳で結婚 3人の子ども、4人の孫がいる有名な女流作家

ティエボー:
子どもたちに、人生を愛することを
そして、どんな場合にも自然、動物、隣人、すべてのものを大切にすることを知って欲しいと願う

私は、私の本を読む子どもたちに、美、寛大さ、友情
いつもよい機嫌でいること、やる気、喜びを
身近な冒険を通して教えたいと願っています

前田和子:
みなさんも、与えられた人生を
勇気を出して、明るく元気に生きてまいりましょう


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