【基礎講座】
今回は,賃貸借の後半から雇用・請負・委任・寄託・和解の各典型契約について勉強しました。まず,賃貸借に関しては,承諾転貸が行われた場合の法律関係についてよく復習を。また,賃貸借契約を解除する場合,形式的に解除事由に該当するだけではダメで信頼関係の破壊が要求されることも併せて確認してください。解除のところの復習にもなりますが,賃料未払いで解除する場合の根拠条文は541になりまして,これは,いきなり解除できるわけではなく催告をする必要があります。
労務提供型の契約は,それぞれの特徴をよく押さえること。雇用は指揮命令関係があるものです。結果は不問。とにかく与えられた仕事をこなせば報酬(給料)が発生する。請負は仕事の完成。結果が求められる。仕事の完成にあたってはプロセスは不要。下請けを使おうが何をしようがとにかく仕事を完成させればいい。逆にいうと,(履行が可能な限り)建築途中の家が壊れようがどうしようがとにかく最後まで建てることが求められる。委任は,プロに仕事を頼むもの。指揮命令関係はなく,受任者に裁量がある。
なお,賃貸借の基本事例問題については,時間の関係上,復習講義で解説をしております。確認をしてください。
民法13は不法行為・事務管理・不当利得,民法14は親族法,民法15は相続法を扱う予定です。
【答案力養成答練】
熱く語りましたねー。ただ,民訴のツボはまさに今回の講義でお話ししたところにあるので,勉強の指針にしてください。遺産確認なり遺言無効の訴えなりの確認の利益は,「現在の法律関係に引き直すと本当に迂遠なのか,不十分なのか」を常に頭においてください。そこらへんを考えずに答案を書くと,司法試験委員会の思うつぼです。将来給付の訴えは,大阪空港事件の要件の具体的理解が肝心。不法占拠事例,駐車場事例,空港騒音事例で考えること。
民訴2に関しては,第1問の一部請求は「質の高い」答案を目指してください。みんな書けるところなので,「質」が求められます。第2問の債権者代位訴訟の問題に関しては,予習講義でヒントを与えましたので,事前に作戦を立ててトライしてください。
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