原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

合格までの距離

2011-10-06 | 勉強法全般
和光からの帰り,品川駅で大学受験予備校の同僚にばったり会い,今日は上機嫌(体調は悪いのですが…)。

さて,来年の受験に向けての話ですが,この時期に重要なのは,表題にした通り,合格までの距離を見定めることです。そして,その距離を埋めるために,適切な補強をしていくことです。

1.合格まで距離がある場合

1つの目安としては,短答合格ラインです。短答合格ラインに届かなかった場合,合格までは距離があると言えるように思います。現役生でいえば,先日のTKCで200を切った場合でしょうか。

こういった場合は,基本的な知識・理解が不十分であると考えて間違いないと思われます。演習をしても,効果的な知識・答案作成スキルの習得に至らず,消化不良の演習となってしまうものです。

すべきことの王道は,基本書を通読することです。そして,しっかりと基本的な,ベースの確固たる習得をしていく必要があります。断片的な知識を入れていっても,合格までの距離は縮まりません。ただ,この方法はすごく時間がかかる。そこで,思い切って入門講座を受講することを強くお勧めします。結果的に,この方が早いはずです。足腰がしっかりを出来上がらないのに試合ばかりをしていても結果は出ず,気付いた時には3回の受験権利を使い果たしてしまう,そういう人を何人も見てきました。通信を利用して,短期集中で基礎固め(入門講座)をした方が,結果的には早く合格ラインに到達します。

2.合格までの距離がそう遠くはない場合

目安としては,短答250以上で不合格となってしまった場合です。こういった方は,足腰はしっかりしているものの,試合経験が不足している,受験スキルの部分に難がある,のだと思います。ですから,大事なのは,試合経験を積むことです,本番を想定して,答練を多く重ねることです。スキルの部分の習得には,ゼミ形式の講義を利用するといいように思います。例えば,①事実の評価を示せない,②答案に悩みを示せない,③問題解決に向けて論述ができない,こういったあたりが不合格答案の典型なのですが,これらは他者に指摘してもらわないとなかなか気づかないのですね。また,その修正方法も独学では習得困難な場合が多いものです。

ある程度,足腰がしっかりしているにもかかわらず,「自分はまだ基礎ができていない」と錯覚して(臆病になって),インプットばかりを重視するのも,それで気付いた時には受験権利を使い果たしていた,ということになりやすいものです。

3.短答210~250くらいで不合格になった場合

このゾーンの場合は,1と2のどちらなのか,判断が難しいものです。ですから,まずは,自分がどちらなのか,よく見極める必要があります。科目ごと異なる,という場合も多々あります。よくあるのが,刑事系は2だが,公法と民事は1である,というパターンです。例えば,刑法は未知の問題が出てもある程度自力で思考して行けるのに,他の科目となるとそうではない,という人は結構多いものです。そういった場合は,科目ごと,異なる補強をしていかねばなりません。

とにかく,あと7か月で合格ラインに到達するためには何が必要なのか,これをしっかりと見定めて効果的な対策をしてください!

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2 コメント

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入門 (A)
2011-10-07 19:35:13
リベンジ組ですが、上記でいえば1.のレベルです。
入門講座を取るとして、そこからどうすれば効果的に短答克服に結びつけられるでしょうか。

実は過去に一部の科目で入門を取ったことはあるのですが、その時に過去問の該当部分を解くものの、あくまで一時的な効果しかなく、自分のものにしきれなかった苦い思い出があります。

先生は現役夏に5割からスタートして、その後は条文や判例を入れることで得点を伸ばしたと先のブログに書いておられましたが、その時に取られた具体的な短答対策などについてもよとしかったらお教えください。
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Unknown (はら)
2011-10-15 17:15:56
長らくお待たせしてすみませんでした。「長編」でお答えしたかったので,時間がかかってしまいました。詳しくは,今日(10月15日)の記事をご覧ください。

入門についてですが,うーん,どういう講座だったのかという問題もありますが,もしかすると,そこで語られた内容が吸収しきれていなかったかもしれません。「一時的な効果しかなく」という点が気になります。そこを超えていかないといけないんです。実務法曹として活躍するためには,知識・理解は,「染みついて」いなくてはいけないんですよね。そのためには,一部の天才でない限り,反復・繰り返しが必要です。

今日の記事を参考にしていただいて,点数が挙がっていかない原因はどこにあるのか,少し分析されるといいかな,と思います。その上で,ご質問等あれば,ご遠慮なくどうぞ。

私もリベンジ組(リ・リベンジ?)なので,思うようにいかない気持ちはわかります。だからこそ,リベンジを果たした時は嬉しいんですよね。頑張ってくださいね!
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