原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

合格のためのチェックリスト

2011-09-20 | 勉強法全般
広島も22日(木)まで。引越作業があったり,弁護士登録(一斉登録)の手続をしたりと,何かと忙しい時期で,ブログもちょっと放っておいてしまいました。修習後に弁護士となる場合,一斉登録という制度がありまして,修習終了の翌日である12月15日に一斉に登録することになります。その日に登録を希望する場合は,9月末までに手続きをしなくてはいけないという仕組みで,修習に応募する時以上に手がかかるものです。「成年後見登記等ファイルに登記されていないことの証明書」が,修習に応募する時に続いて必要になるのですが,「いったい何回,登記されていないことを証明すればいいのだろう…」なんて思ってみたり。この1年で成年後見登記されることはないですって(笑)もちろん,12月15日に登録しなきゃいけないわけではないのですが,一斉登録をした方が登録料が安くなるようです(あんまり詳しいことは知りません…)。そうはいっても,一斉登録の場合であっても,登録免許税6万,名簿登録料3万はかかるんですね。ちと面白いことを紹介すると,弁護士バッジは,2600円の改造費用を払えば,ブローチ式かタイタック式に改造できるそうな。改造希望がない場合は,ネジ式を「貸与」するとのこと。

さて,どうやら今年は成績通知がなかなか送られて来ないようですね。出題趣旨の発表も遅い気が…。例年であれば,もう成績通知の発送も出題趣旨の発表もある頃なんですが…(今日あたり,成績通知は届いているのでしょうか?)。

そういうわけで,成績通知に基づく具体的な分析がまだできない段階ですので,今日は,抽象的な話を。司法試験合格のためのチェックリストを作成するなら,以下のようになるのではないかと思います。

・1日(最低)10時間以上の勉強時間の確保

・主要7科目の条文の素読(要件効果にチェックが入っている)

・判例六法掲載判例のうち,過去も含めて百選掲載歴あるもののチェック

・最新版百選掲載判例は,事案の概要と規範導出理由と事実認定のポイントを含めた理解

・各科目,最低基本書1冊の読み込み

・短答過去問の反復演習(過去問は全て正解する)

・論文過去問の答案作成(出題趣旨・ヒアリング等の分析含む)

・答練を利用した初見問題の演習の反復(週に2問はフルに書くトレーニングをしたい)

・周辺法令(国会法,地方自治法,借地借家法,裁判員法,通信傍受法,民訴規則,刑訴規則などなど)の主要条文の素読

こんな感じでしょうか。もちろん,チェックリストなので,これ1つ欠けたら即不合格,という趣旨のものではなく,合格者の大半はこのあたりはやっているであろう,と私が思うことをまとめてみたものです。

逆に,これだけやれば絶対合格(要するに,合格のための必要十分条件)というわけでもありません。受験された方は理解されたと思うのですが,司法試験合格のためには(法的)知識と(法的)思考力が必要になり,これが車の両輪です。上記チェックリストは主として(法的)知識の習得に向けてのものであり,しかし,より重要なのは,(法的)思考力の錬成です(注:ここに言う法的思考力とは,事実認定能力や説得的な文章を書く起案能力などを含む)。これは,日々のLSの講義や,実務家の講義の中で自然と養われるのが理想で,独力で習得しようとするなら,演習書・答練などの利用によって錬成されていくものであると思います。

とはいえ,まずは「絶対量」として,上記チェックリスト記載の事項は早い時期にクリアすべきである,ということを肝に銘ずることが合格への第一歩であると思います。

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4 コメント

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ごぶさたしております (はせにゃん)
2011-09-22 07:57:43
先生、お久しぶりです。昨日首都圏は大混乱でした。幸い地元で勉強しており、帰宅困難者にはなりませんでしたが・・・
チェックリスト、何一つ出来てません。勉強最低10時間も、机に座っているだけならクリアできても、先生のおっしゃる意味はそうではないと思います。まずは自分で先生のリストを手書きしてみました。机の前に張り付けておきます。
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Unknown (はら)
2011-09-22 19:06:43
はせにゃんさん,お久しぶりです。昨日は,ホント大変だったようですね。無事に帰宅されたようで何よりです。

さてさて,あと8か月を切りましたね。やっぱり,1日あたり10時間は頭を働かせるトレーニングをすることは重要です。司法試験は,「脳体力」勝負というところもあります。例えば,初日は7時間も論文を書かなきゃいけません。当然ながら,普通に7時間勉強するのとは,訳が違います。本番,実力を発揮するためには,1日あたり10時間は集中力を持って勉強することが必要,と思います。

現役生の場合は,ここから「ぐーっと」伸びていくかが重要ですよ!頑張ってくださいね!
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なるほど (はせにゃん)
2011-09-22 23:18:13
「10時間」という数字は、単にそれだけやらなければ課題をこなせないというだけでなく、本番での7時間に及ぶ試験のトレーニングという意味でも10時間の集中力が必要だということからも導き出された数字なのですね。集中力が切れそうになったら、本番の試験を思い起こし集中力を取り戻そうと思います。ありがとうございます!
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Unknown (はら)
2011-09-27 23:03:40
そうなんですよ,長時間フルに思考できることって,司法試験を受ける上でとても大事なんです。本番は,練習以上にしんどいものですから。

司法試験も大変なんですが,二回試験はもっと長時間です(涙)おにぎりやパンを片手に,昼も起案し続けるんです…(涙)
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