原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

情報の取捨選択能力の重要性

2011-06-11 | 勉強法全般
勉強法っていうものではないのですが,勉強法のカテゴリーで紹介します。

試験直前期には問題にならないのですが,試験まで時間のある時期に大きな問題になることとして,情報の取捨選択があります。世の中には,様々な情報が流れていまして,至極正当と思われるものから,極めていい加減なものまで様々です。

こういった情報を取捨選択する能力・意思がない場合,不合格を導くことが多いように感じます。要は,いい加減な情報を鵜呑みにして誤った方向に進んでしまう,ということです。司法試験に限らず,世の中一般にそうだと思うのですが,やはり甘い話には注意しなくてはいけないわけです。

私は,大学入学直後から大学受験予備校で教えていまして,自分が大学受験生だった時から昨年の11月に広島に来るまで,絶え間なく受験というものに接してきました。当然,受験(勉強)に関する情報にも多く接してきて,そこでわかったこととして…

①やっぱり魔法の勉強法はない

②合格体験記は,時として大袈裟になることもある

ということです。

①はここで何度の書いたことがあるのでいいとして,実は,②合格体験記も,場合によってはちょっと注意する必要があります。というのは,合格体験記は,ある意味,美化というか,体験を必ずしも正確に反映していないこともある,それから,特殊な体験が語られることもある,のです。

合格を得ると,嫌なことはほとんど全部忘れます。LS生活も,楽しかった思い出になる,楽しかったことしか残らないこともあります。受験勉強も同じ。本当に必死に勉強した記憶は時として薄れてしまい,「そんなに勉強しなくても受かった」「これだけしかやらなかったが受かった」と表現されることもあります。体験記には,一から十まで語られない場合もある,そういうことは念頭に置いて聴く,これが大事です。

もちろん,他者の意見や流通する情報に注意を向けない,そういう意味ではありません。良いところは取り入れる,謙虚に教えを乞う,これは合格までの道のりを短縮させます。司法試験は,我流で容易に合格するほど簡単なものではありません。

ですから,結局のところ,様々な意見や情報に触れることは大事だが,その際には,適切に取捨選択することができて初めて効果的である,ということです。その情報に従うべきか,自ら判断する能力を持つ,ということが大切なのです。法曹として要求される能力でもありますよね。当事者(被疑者&被告人)・証人は真実を述べているか。法曹も,受験生も,自ら判断していかなくてはならないのですね。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿