日記帳

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Book Review No.252「余命」

2008-12-12 | 読書
谷村志穂 著(新潮文庫)
<評価>
感動度:☆☆☆☆☆
知識度:☆☆☆☆
娯楽度:☆☆
難易度:☆☆


谷村志穂といえば「海猫」が何と言っても有名になったが、本作も来春映画化されるとのこと。

妊娠と癌の再発が同時に判明するという悲壮感あふれる始まりだが、決してお涙頂戴的な展開ではなく、かといって夢物語でもない。
読み手としては、自然に自分が主人公だったら・・・夫だったら・・・という思いを胸にしながら読んでいくことになるだろう。

北国が舞台だった「海猫」とは対照的に、今回は奄美大島出身の女医が主人公。
随所に奄美の自然と人情の素晴らしさが描かれ、重くなりがちなストーリーに温かさを加えている。

悲しい結末ではあるが、静かな感動が心地良い読後感を与えてくれる。