百田尚樹 著(講談社)
<評価>
感動度:☆☆☆☆☆
知識度:☆☆☆☆☆
娯楽度:☆
難易度:☆☆☆
今年も残すところあと1か月少々となったが、2010年に読んだ本BEST1は、本作であることはまず間違いない。
久しぶりに素直に「感動した。」と言える小説に出会った感がある。
特攻隊で命を落とした祖父の足跡を、その孫たちが探る・・・という展開で話は進んでいく。
つまり、「永遠のゼロ」の「ゼロ」は、零戦の「ゼロ」である。
主人公は実質的には亡くなった祖父で、多くの語り手たちの手によってその実像に迫っていく。
読者としては、結末が予め示されている中で読み進めていくことになるため、後半にいけばいくほどあまりに魅力的な祖父の人物像に「何とかならなかったのか」というもどかしい思いに包まれることになる。
一人の語り手につき、一章という展開で、その一章一章が独立した一つの物語として成立するぐらいの中身の濃さのため、読んでいる最中は「ヘタに孫たちを出して、現代の話なんか出す必要はなかったのでは?」と思っていたが、最終章で意外などんでん返しがあり、すべてが氷解するということになる。
小説としてのストーリー展開、ノンフィクションを思わせるような精緻な調査等、すべてが秀逸である。
戦後生まれの作者がよくこれだけのものを書けたなということに驚嘆してしまう。
<評価>
感動度:☆☆☆☆☆
知識度:☆☆☆☆☆
娯楽度:☆
難易度:☆☆☆
今年も残すところあと1か月少々となったが、2010年に読んだ本BEST1は、本作であることはまず間違いない。
久しぶりに素直に「感動した。」と言える小説に出会った感がある。
特攻隊で命を落とした祖父の足跡を、その孫たちが探る・・・という展開で話は進んでいく。
つまり、「永遠のゼロ」の「ゼロ」は、零戦の「ゼロ」である。
主人公は実質的には亡くなった祖父で、多くの語り手たちの手によってその実像に迫っていく。
読者としては、結末が予め示されている中で読み進めていくことになるため、後半にいけばいくほどあまりに魅力的な祖父の人物像に「何とかならなかったのか」というもどかしい思いに包まれることになる。
一人の語り手につき、一章という展開で、その一章一章が独立した一つの物語として成立するぐらいの中身の濃さのため、読んでいる最中は「ヘタに孫たちを出して、現代の話なんか出す必要はなかったのでは?」と思っていたが、最終章で意外などんでん返しがあり、すべてが氷解するということになる。
小説としてのストーリー展開、ノンフィクションを思わせるような精緻な調査等、すべてが秀逸である。
戦後生まれの作者がよくこれだけのものを書けたなということに驚嘆してしまう。