ティコ・ブラーエ


パパとママの視点から
子供と建築探訪
こどものおやつから考える体にやさしいレシピ

行ってみたい場所

2010-02-13 | パパ
だれでも死ぬまでに一度は行ってみたい場所というものを必ず持っていると思いますが、僕にとってはそれが、スイスである。というよりも、3つの行きたい場所が偶然スイスにあったといったほうがいいのかもしれない。





まずは、バーゼルにある第二ゲーテアヌムである。この建物は人智学の創始者ルドルフ・シュタイナーが設計した人智学活動の中心となる建物で、残念ながら彼は建物の完成を見ることなくこの世を去ってしまった。
たまたまこの建物を雑誌で見かけて、この彫塑的でコンクリートで作られた不思議な形態に純粋に惹かれ、いつか実際のスケールを身体で感じ取ってみたいと思った。


  




バーゼルの次はダヴォスにあるギゴン&ゴヤー設計のキルヒナー美術館。彼らの建築は、表面の扱いと形態の操作が魅力的といえます。



  





キルヒナーは20世期初頭、絵画が新たな展開を見せる時代に現れた一つのグループ、ブリュッケのリーダー的存在であった。


  

彼は、人間が群れながらも、どこか孤立し生を欠いた抜け殻となって、目的もなく都会の中をさまよい、やせ衰えていく姿を極度のデフォルメによる単純化と線を強調したタッチで巧妙に描いている。
僕は、なぜかキルヒナーの画にも画家そのものにも強く惹かれるので、美しい自然の風景に溶け込む彼の美術館に入り、彼の作品に包まれてひと時でも過ごすことができたならば、それは永遠をも意味するものではないかとさえ思ってしまう。

旅の最後は、旅の疲れをとるためのヴァルスにあるスパ。設計は、建築家ピーター・ズントー。彼は、素材の緊張した構成によって空間を作りながら、逆に空間が素材を響かせるといった素材と空間の関係性の本質を見極めようとしているように思える。それはミニマル・アートの発想に近いのかもしれない。

   


    

スイスの大自然と研ぎ澄まされた人工の空間の中を、水着でぐるぐる歩き回りながら堪能し、かつ温泉も楽しめる非常に贅沢な施設だと思う。
温泉にゆっくり浸かり、シュタイナーやキルヒナーのことを思い出しながら、時を過ごすのも悪くない。


いつか渉一が大きくなって巣立ち、静かに余生を彼女といっしょに迎えることができた時、この旅の夢は現実となる。





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