まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

秋澄むやクロワッサンはひかりの束/句会レポート~プロローグ3の終わり(その212)

2014-11-02 18:26:05 | 句会レポート
昨日の句会の選句表はさきほど送られて来た。新結社とあって人数は少ないがいずれ劣らぬ名手揃いである。当然全員基本は出来ている。あとは各人の句作に対するスタンスのみである。私は無季容認派で自由律、破調、口語・・と何でもありである。すなはち俳句とは言語による普遍的な自己表現であり一行の定型詩である。近代俳句の21世紀のいまになっても死に切れず醜態を晒すアナグロニズムには用は無い。とは言っても人間とは弱い生き物で知の厳しさより既存の季語季題に自己を任せた方が当面の精神の慰安を得やすい。所謂季題趣味や盆栽俳句である。とりあえずここではそういった趣味性の希薄な定型表現による自己更新を志向するものを選んだ。 秋澄むやクロワッサンはひかりの束 結社句会のため作者名は公表しないが実に見事な季語の斡旋とそれに見合った適確なことばの配置と言える。クロワッサンのあの味や視覚イメージは【ひかりの束】と言うに相応しく、それの重なり合った『束』という表現も安定的で美しい。今回も良い句に出合ったものだ。次回は必ず出席して作者にエールを送るつもりである。きっと突き抜けた魂のかがやきを希求する作者であるはずである。・・《続く》