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限りなき知の探訪

50年間、『知の探訪』を続けてきた。いま座っている『人類四千年の特等席』からの見晴らしをつづる。

【麻生川語録・8】『一兎を追う者は二兎を得づ』

2009-08-17 12:27:57 | 日記
中学校で習った英語のことわざに "A rolling stone gathers no moss." というのがあった。後日、サマセットモームの『人間の絆』を読んでいたら、この諺に出くわした。叔父の神父が主人公のPhilipがころころと志望を変えるのに腹をたてて、この諺を投げつけ、尻の座らないようでは、ろくな人生を送れない、と言うのだ。



この諺は、エラスムスがラテン語で "Saxum volutum non obducitur musco"書いているところを見ると、イギリスだけでなく、ヨーロッパ各国語で言い古されていたようだ。

ところで、この諺は通常は否定的な意味で用いられているようであるが、逆に肯定的に使われることもある。曰く『環境や自分自身を積極的に変えていく人は、老けない』。どちらの意味が本当の意味かは、使う人の気持ち次第ともいえる。

さて、この日本版とも言える『二兎を追う者は一兎をも得づ』という諺がある。きょろきょろしないで、一つの事に集中しなさい、そうでないとあぶはち取らずになりますよ、という誡めの言葉である。

私は、これをもじって『一兎を追う者は二兎を得づ』というのを作った。一つの事だけに専念していると、幅広い知識は得られないし、また新鮮なアイデアも出てこないという意味である。外国語の学習などでは、よく、『英語もできないのに他の言語に手を出すなんて!』と第二外国語の学習を否定的に見る人が多い。しかし、実際に私が体験した範囲では、英語以外の外国語、とくにヨーロッパ言語に関しては、たくさんの言語を学ぶことが、反って英語の力が向上することになる、と言える。私の体験では、外国語だけでなく、コンピュータ関係も、いくつもの分野を一度に横断的に勉強する方が遥かに多くの知識を得ることができた。

『一兎を追う者は二兎を得づ』という諺が正しいか、間違っているか、まずはお試しあれ。

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