空色のきもち

晴天の日も、雨の日もあるけれど、好きなものと一緒に毎日を過ごしています。

『一線の湖』24-1

2024-02-11 14:15:15 | 本の森



『線は、僕を描く』続編。

特別に水墨画に思い入れがあるわけでは、ない。
ないのだけれど、
これが正解!がない芸術の世界を生きていくのは、
とても迷うし、もがくし、
迷宮に入ってしまったような感覚になるのは想像できるし、
進む方向は見えなくなるし、
だからといって辞めることもできず、
立ち止まれといわれても止まれなくなるのも
それ故に体を壊すまでいってしまうのも、
原因不明な何か(病気的な、なんとも言えないもの)、になってしまう感覚も、
わかる。わかるのよ。
(もちろん、そうなったことがあるという話ではなくて、
この延長上にそういう世界がある、というのがわかる、ということだけれどもね)

ということで、私にとってのこのシリーズを読むのは、かなり痛みが伴うなと思う。

でも、離れはしないのよね…。
離れられない、が正しいか。

それから、主人公が小学生に水墨画を教えるエピソード部分。
教えている方はすごく疲れる。
そして、何かを伝えることができたのだろうかと思うあたり。
これまた、「だよねぇ…」って思った。
毎年、悩み続けてる。
たった1時間で伝えられることなんて、ほとんどない。
やる意味は、そうだね、あると信じたい。
いつか、なにかの場面で、そういえばと思い出してくれる時があるなら、嬉しいよね。
そういう結びに繋がるならいいなあと思った場面でした。

その他、師匠の思い、
兄弟子の葛藤、
その「線」の表すもの…等々
言葉に表すのは難しいけれど、
好きな本のひとつです。


誰かにダメって言われても、自分が素敵だと思ったことを信じなさい。そこにあなたの宝物が見つかるから。あなたにしか見えない宝物がこの世界にはたくさんあるから。

早く動いたほうがいい。立ち止まって、また動けなくなる前に。不完全でも、ふんぎりがつかなくても、誰かに会いに行くことを躊躇ってはいけない。
次の瞬間、会えなくなることも、この世界にはあるのだから。


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