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20-1 と同様、「三点セット」からの出題数を調べました。
A 狭義の三点セットで解答できるもの
1,「辞典」の1級漢字を含む見出し語、索引にある熟字訓、1級国字 153点(77.5%) cf.20-1 160点
なお、(一)の 杜鵑(とけん)の音読みは見出し語にありませんが、 【杜鵑花(とけんか)】が見出し語にありますので、これは、見出し語ありとしていいでしょう。
(四)語選択書き取り
(六)熟字訓・当て字
は、全て見出し語からの出題です。 また、熟字訓・当て字については、20-1の行器(ほかい)のような、「辞典」巻末の索引にないものは出題されず、全て、索引にあるものからの出題です。
2,「辞典」の見出し語にはないが、他の1級漢字の見出し語から推知可能な読み 6点(累計159点) cf.20-1 166点
出題熟語について、茶色字は、見出し語以外の小さな活字で「辞典」に載っている熟語です。←の右側が、見出し語です。
(一)
6 衙府(がふ)←衙門15-2Y,官衙18-1Y,郡衙12-1Y
19 闃(げき)17-1K,18-1K←闃寂、闃然13-1Y,14-3Y
(七) 1 懿親(いしん)←懿旨、懿徳17-1Y
(十)
オ 佞猾(ねいかつ)←佞奸=佞姦、奸佞=姦佞、佞言14-3K、佞者、佞臣、佞人、佞弁、邪佞、便佞、讒佞、奸猾、狡猾
カ 黠(かつ)14-2Y←狡黠、黠鼠9-1Y
ク 蚩蚩(しし)19-3Y←蚩尾
3,「四字熟語」の1級見出し語 10点(累計169点) cf20-1 177点
(五) の四字熟語問題の内、1級配当は9つ。その内、「辞典」の見出し語にあるのは、6つ。残りの3つ(6点分)は、「四字熟語」の見出し語から。意味も2問(4点分)あります。
しんれい(深)浅掲 合17-4 これはカードが作ってありました。
因循こうしょ(苟且)18-1K
七縦しちきん(七擒)18-3K
4,過去問からの出題 15点(累計 184点) cf20-1 183点
(1)1級見出し語にあるが、植物名の書き取り
(九)たで(蓼)食う虫も好き好き。7-3K 13-1K 16-1K
(2)準1級・常用だけで構成される見出し語 8点
(3)見出し語にはない過去問 5点
(一)20 女子は十有五にして笄(けい)す10-2Y
(八)冀求(4-1Y,5-2Y)≒しょき(庶幾)15-3K 双方の漢字の親字欄や下付欄にも載っています。
(九) 両葉去らずんば ふか(斧柯)を用うるに至る。
見出し語にないものは3問だけですが、見出し語にある過去問も沢山出題されています。
狭義の三点セットで184点になります。合格のためにはこんなに学習する必要は毫もありません。更に三点セットの絞り込みを検討してみます。
小問毎の、
1(「辞典」の1級見出し語等)+2(「辞典」の見出し語から推知可)+3(「四字熟語」の見出し語)+4(過去問)
の内訳は次のとおりです。括弧は、狭義の「三点セット」からは解けない分です。
(一)26+2+0+1=29点/30点(1点)
(二)26+0+0+2=28点/30点(2点)
(三)10+0+0+0=10点/10点
(四)10+0+0+0=10点/10点
(五)16+0+10+0=26点/30点(4点)
(六)10+0+0+0=10点/10点
(七)8+1+0+0=9点/10点(1点)
(八)18+0+0+2=20点/20点
(九)12+0+0+4=16点/20点(4点)
(十)17+3+0+6=26点/30点(4点)
B 広義の三点セットで解答できるもの 15点(累計199点) cf20-1 195点
「三点セット」で199点とれるというのは、17-3以降では最高です。
1、準1級~5級の四字熟語(4点)
(五)ひじ(飛耳)長目 意味でも出題されました。
2, 「辞典」の見出し語にある熟字訓の書き取り(4点)
(二) はえなわ(延縄)漁船が出港する。12-3K、征76頁13番
(九) なめくじ(蛞蝓)に塩 4-1Y 9-2Y 14-2K 16-1K 17-3K、征122頁14番
6回目、書き取りだけでも4回目の出題です。漢検のなめくじは、塩をかけてもかけても再生してくるようです。
熟字訓の書き取りは、20-1の挿頭すに引き続き出題されました。見出し語としては熟字訓でしか書けない書き取りが、2回連続して出題されたのは、14-1~14-2以来6年ぶりです。
また、今回の書き取りは、20-1のような新出ではなく、征服にも載っている過去問ですから、正答率は高いような気がします。征服に載っている熟字訓くらいは書けた方がいいような気がしますが、今後もよく出題されるかを注視することにします。
3.その他準1級、常用だけで構成される見出し語新出(7点)
孜孜、蚩蚩、孶孶(じじ・しし)と良く出ますね。
昔は『しし』と言えば獅子か四肢か志士しか思い浮かばなかったですが、今は宍とか死屍とか上記の孜孜蚩蚩孶孶或いは恣肆とかがまず先に想起されるようになってしまいました。
普通に常用漢字を訊ねられた時にちょっとまずいことになったりします。
ご指摘ありがとうございます。早速訂正致しました。
19-3の問題分析に蚩蚩は、書いていたのにすっかり忘れていました。出来た問題はすぐ忘れてしまって、読み書きがそのうち、できなくなったりします。
>しし
>孜孜、蚩蚩、孶孶(じじ・しし)と良く出ますね。
>昔は『しし』と言えば獅子か四肢か志士しか思い浮かばなかったですが、今は宍とか死屍とか上記の孜孜蚩蚩孶孶或いは恣肆とかがまず先に想起されるようになってしまいました。
恣肆まで想起できるってすごいなあ。「辞典」には載っておらず、「捷径」に載っている熟語だから、そこまで守備範囲を拡げていらっしゃるんでしょうね。
ふか(斧柯)が書けなかったこともあり、最近、同音訓異義語については、国語辞典の併用が必要かなと思っています。「日国」だと、「しし」の漢字で書ける用語は、55個あります。55も憶えられる筈はないので、この内、「辞典」の見出し語に載っているのは、SIMO様が挙げて頂いた他に、
肉、獣、鹿、嗣子
の4つでした。また、「日国」にも載っていない「辞典」の見出し語として、
【嘴子】
がありました。更に、「四字熟語」には、「しし」の入ったものとして、
子々孫々(5級)
師資相承(5級)
駢拇枝指(1級)
切々偲偲(準1級)
があります。でも、ししと聞いて、こんなに沢山想起できませんよね。
>普通に常用漢字を訊ねられた時にちょっとまずいことになったりします。
1級漢字の学習をしていますと、常用や準1級がお留守になりますよね。また、最近出題されている常用の熟語は難しいですよね。常用・準1級だけの単熟語の出題は、精々1割ですから、「狭義の三点セット」からは除外してしまおうかなと思っています。