20.8.30訂正
daisaku様から、コメントを頂戴したので、一寸調べてみました。
13-1(「征服」では103頁)に、○○右臂として出題されているのですが、「四字熟語」にも「辞典」にも載っていません。14-2以降は、全て、「四字熟語」または「辞典」の見出し語から出題されていますので、恐らく出題されないでしょう。
以下蛇足。
13-1の他の問題は、全て「四字熟語」の見出し語からの出題ですので、他ができれば、「いんこう」が残ります。
一方、意味としては、
ア 無益な用心をする。
エ 無実の嫌疑をかけられる。
サ 極めて緊要な地。
が残ります。
「辞典」には、
【咽喉】咽頭と喉頭。のど。転じて、大切な部分。急所。要地。「―を扼する(要所を押さえる)」
とあります。 従って、咽喉に、要地の意味があることを知っていれば、この四字熟語を知らなくても正解に達することは可能です。
しかし、こんなところまで、「辞典」を読み込むことはなかなか出来ません。私は初めて知りました。また、右臂と組み合わす言葉として、咽喉を想起することもかなり難しいことです。私は、「いんこう」と言えば、先ず、淫行を想起します。また、臂が体の一部ですから、陰睾なんて書いた人もきっといたでしょう。
更に蛇足
咽喉右臂について、家にある辞典を全部見ましたが、どれにも載っていません。本屋や図書館でも調べましたが、どこにも載っていません。「大漢和」にも、「日国」にも、「漢語大詞典」にも載っていない四字熟語を、13-1の出題者はどこから探してきたのだろう? 載っている辞書をご存じの方があれば是非お教え下さい。
ネットで検索すると、咽喉右臂は、明時代の『幼學瓊林』(=幼学琼林)という書物(辞書?)に載っており、「皆言要害之區」とありますが、私は中国語はわからないので、これ以上のことはわかりません。出題者は、この中国の書物から探してきたのでしょうか。
右臂は、「辞典」には載っていませんが、「大漢和」には載っており、
右のただむき。右うで。轉じて、人の右の臂のやうに大切な土地。又、大切で便利なもの。
とあり、咽喉と同じ意味です。そして、出典として、『戦国策』『史記』『漢書』『資治通鑑』(「辞典」14頁以下参照)があげられています。 また、【咽喉】の出典としては、『戦国策』『蜀志』があげられており、咽喉も右臂も、かなり古くからある言葉です。
明の時代に、この二つの熟語がくっついて、四字熟語になったのでしょうか。
そうかなあ。貴ブログと3catsさんは、いつも拝見していますが、咽喉を扼していらっしゃるなあと思っております。
>一級は奥深い
私は、本当は、試験勉強よりも、こうやって調べものをしたり、漢字の世界に游んでる方が愉しいんですよね。最近は、加藤常賢氏と白川静氏の本の読み比べをしたりしています。でもそんなことをしていても一級はなかなか合格しませんので、ブログでは今後も勉強法を書いていくつもりです。
>合格する自信が今回はありませんが、今回はとりあえず、基本的な学習をしたいと思います。
初めて一級を受ける人で自信のある人なんかいないでしょう。健闘を祈っています。
尚、問題傾向が変わらない限り、直前は過去問です。