(七)搴旗(けんき) (訓は、搴(と)る で見出し語にあります。問32頁)
今回は一問だけですので、正解に達する方法について、いくつかの方法を検討してみます。いずれも高得点狙いの記述ですので、当面合格点を目指される方は、無視していい問題ではないかと思います。
1,「辞典」から
搴の見出し語は、 【搴(と)る】、【搴(かか)げる】の二つです。これは、18-3の恤などと同じく送り仮名によって、訓読みが異なるものであり、気に留めていました。
音読みの見出し語はありませんが、意味欄に今回出題された搴旗が載っています。しかも、搴るの用例に「敵の旗を搴る」とありますから、搴旗は、「旗を取る」という意味だなあということが推測されます。
訓読みが難しい場合は、(七)の音訓読みで、音読みもセットで出題されることがあるのかもわかりません。14-3以降の、見出し語から解けない音読みは、別記事で纏めました。
2, 問題集から
搴は、初出だと思いますので、過去問からは対応できません。「本試験型」第4回(七)に
搴裳(けんしょう)―搴(かか)げる
が載っていますので、これから解答可能です。
以前、「本試験型」については、見出し語のない音訓の読みは、無視するという記事を書きました。この問題も、最初に解いたとき解けませんでしたが、括弧に括ってあり、無視していました。 見出し語のある音訓だけで高得点が取れるのですから、「辞典」併用型学習であればこの方法は有効だと思っています。
ただ、本試験は、過去問未出の問題については、「辞典」、「四字熟語」の見出し語の他、「本試験型」など、他の問題集に載っている問題からも出題されているようです。従って、「辞典」を併用しない問題集中心主義の方は、載っている問題は無視しない方がいいのでしょう。って当たり前ですよね。
3,「漢字音符字典」から
の音符字は8つ。四音家族とあります。
カン(寒)、ソク(塞)は、onlyな音読み。サイは、塞、寨、賽7-1Kの三つ。残り、搴、謇、蹇、騫の四つはケン。
従って、ケンと読むことが一番多いのですから、解らないときは「けん」と答えれば、五割の確率で正解に達することができます。
以上のように、搴の音読みは、いくつかの方法で正解に達することができますから、三点セット外といっても其程難しくありません。今回、私が間違った、「辞典」の見出し語にある
嬰児≒がいてい(孩提)
の方がずっと難しいと思います。
三点セットに含まれるか否かとか三点セットの広狭概念とか言っていますが、これは必ずしも難易度の差とは結びつきません。ただ、厖大な1級の範囲を、抽斗を沢山作って、階層化していく ことが記憶定着に資するのではないかと思っている訳です。要するに、憶えないとすると憶わることもあるということです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます