コンプレッサー修理会社の機械修理日記

~産業用エアーコンプレッサ、ブロワ、真空ポンプなどの機械修理・メンテナンス会社の日常を書いていきます

コンプレッサーの日常管理

2009年04月30日 | コンプレッサ
いよいよ連休になりますね(もう既になっているところも多いと思います)。
このお休みを利用して機械の保全作業を行う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、エアーコンプレッサの日常での運転管理についてご説明します。

運転前、運転中に行って頂きたい事は下記の通りです。


・潤滑油の確認
油量が少ないと温度上昇による停止や焼付けを起してしまいますので規定量以下な
らすぐにコンプレッサーを停止して潤滑油を補充して下さい。また取扱説明書など
に記載されている基準により定期的に潤滑油の交換を行って下さい。古くなった(劣
化した)油で運転していると重故障を引き起こす可能性があります。


・ドレンの確認
運転前にオイルタンクや空気タンク内に溜まったドレン水を抜いて下さい。コンプ
レッサーを運転すると必ずドレン水が発生します。この水の影響により潤滑油が劣
化したり、機械内部の腐食が起きます。


・フィルタの確認
ダストフィルタや吸込フィルタの汚れを確認してください。汚れで目詰まりしてい
ると吸込量が少なくなるため圧縮空気量も少なくなりエアー不足という事態にもな
ります。


・温度の確認
周囲温度(室温)、コンプレッサーの運転温度を確認して下さい。周囲温度が高い所
での運転はコンプレッサーの消耗部品寿命、耐用年数の低下を招きます。周囲温度
が適正でもコンプレッサーの運転温度が高い場合にはコンプレッサーに不具合が起
こっている可能性が高いので点検が必要です。


コンプレッサの機種、仕様により詳細は異なりますのでご注意願います



よろしければ弊社ホームページもご覧ください
(株)新生エンジニアリング http://shinsei-eng.com/

コンプレッサーの耐用年数

2009年04月27日 | コンプレッサ
エアーコンプレッサーの更新時期(耐用年数)はどれくらいが目安なのか?という
ご質問をお受けする時があります。

ひとつの考え方として以下の目安があります(あくまで私見です)。

コンプレッサのメンテナンスは毎年の定期点検のほかに何年かに1回はオーバー
ホール整備を行います(機種によって異なりますが4~8年毎)。そのオーバー
ホールが2回目を迎える頃には約8~16年経過している事になります。
それくらい経っていると購入当時の最新機種は2~3世代前の機種になっている
事が多いようです(事実、現在の省エネ対応主力機種のインバータ制御機は16年
前には販売されていませんでした)。オーバーホール整備は通常の定期整備より
高額です。それならば技術的に能力的にも進歩した最新機種に更新されるのもよい
かもしれません。
よって10年以上経過したらを更新の目安とされるのはいかがでしょうか。

また部品供給もメーカーによって様々ですが早ければ10年位で供給停止になる
場合もありますので目安として考えてください(通常は20年くらい供給されます)。

ただしコンプレッサ耐用年数は、日常の使用環境、日常管理、定期メンテナンスの
有無により大きく変動しますので、日常運転での注意確認が大切になると思います。

コベルココンプレッサのメンテナンス

2009年04月22日 | 修理・メンテナンス


画像は、コベルココンプレッサ製エアーコンプレッサー KST27A(オイル式スク
リュ)の定期メンテナンス部品の一部です。

それぞれの部品は右からオイルフィルタエレメント、吸込フィルタエレメント、
セパレータエレメントです。あとは容量調節装置のOリング、パッキンなどを
取り替える予定です。

この部品の機械はコベルコ製で製造されたのは20年前ですが、部品の構成として
は前回記事の日立製と大きな違いはありません。
しかし、機械の性能、メンテナンスサイクルなどは異なり、こちらの機種の方が
若干劣っています。

しかし、お客様は毎年の整備を欠かさず、大切にお使い頂いていますので、機械は
非常に良好な状態です。わが社としても嬉しい限りです。


よろしければ弊社ホームページもご覧ください
(株)新生エンジニアリング http://shinsei-eng.com/

日立コンプレッサのメンテナンス

2009年04月17日 | 修理・メンテナンス


画像は、日立産機システム製エアーコンプレッサー OSP-37M6AR(オイル式スク
リュ)の定期メンテナンス部品の一部です。

それぞれの部品は右から吸込フィルタエレメント、セパレータエレメントカバー、
セパレータエレメント、オイルフィルタエレメント、ベルトです。あとは容量調節
装置のOリング、パッキンなどを取り替えます。

それぞれの部品の役割は下記の通りです。
・吸込フィルタ … 空気を吸い込む際のゴミ、ホコリを取る
・セパレータエレメント … 圧縮機本体により圧縮されたばかりの空気は油分が
混ざった状態のため、その油分と圧縮空気を分離させるエレメント
・オイルフィルタエレメント … オイル中の固形物を捕集する
・ベルト … モーターの回転を圧縮機本体に伝動する

定期点検は基本的に1年に1回行いますが、今回の整備は1~4年毎に行う整備
内容です(整備内容は総運転時間、年間の運転時間などにより変わります)。

故障を未然に防いだり、無駄な電力を消費しないためにも定期メンテナンスをご
検討されたらいかがでしょうか。


よろしければ弊社ホームページもご覧ください
(株)新生エンジニアリング http://shinsei-eng.com/

マグネットポンプの修理

2009年04月14日 | 修理・メンテナンス
下画像はセイコー化工機製の自給式マグネットポンプです。
運転音が大きくなったとの事で引取りして修理いたしました。ベアリングやOリン
グ、インペラ、主軸を取替えました。





マグネットポンプとはインペラーとモーターがそれぞれの磁石の力で引合い、回転
することでインペラーを回転させます。通常のポンプでは主軸がケーシングを貫通
するため、ケーシングに穴が開き、穴にはメカニカルシールなどの軸封装置が必要
ですが、このマグネットポンプは磁力で接続されているため、ケーシングに穴を開
ける必要がありません。よって完全密閉構造となり、外部への液漏れが全くありま
せん。ですから例えば塩酸など腐食性の高い薬液などの送液ポンプとして適して
います。


[ご参考]
セイコー化工機(株)
http://www.seikow.co.jp/index.html



よろしければ弊社ホームページもご覧ください
(株)新生エンジニアリング http://shinsei-eng.com/

コンプレッサーの省エネルギー 3

2009年04月10日 | 提案 その他
前回記事から引き続き省エネルギーについてのお話です。

もうひとつ簡単に行えるエアーコンプレッサに関する省エネがあります。
それは、エアー漏れをなくす事です。

工場内で機械が稼動せずエアーコンプレッサのみが運転しているとき、工場内で
「シューッ」という音がしていると思います。それがエアー漏れです。
工場勤務されている人ならきっと分かっていると思います。
しかし、圧縮空気は無色透明無臭無害なのでそのままにしている事が多いかもし
れません。それは間違いです。

たとえばエアー漏れの穴の直径が1mmだった場合、そのエアー漏れの量は72
L/min (圧力0.69MPa時)になります。同じような漏れ箇所が10個あったとき、
そのエアー漏れ量の合計720L/min。これは出力5.5kWのコンプレッサの吐出
し空気量に相当します。

つまり圧縮空気を大気に放出することのために出力5.5kWのコンプレッサ1台を
無駄に運転し続けている事と同じ事になります。
ちなみに5.5kWのコンプレッサを1年間(365日×24時間)運転し続けるとその
電力費は約70万円になります。

エアー漏れを直すのに当然費用が掛かる場合もありますが、ネジが緩んでいたり、
ホースが外れかかっているだけという場合も結構ありますので、一度工場内をひと
通り点検される事をお勧めいたします。

また、圧縮空気をエアーブローを目的に使っており、機械が動いていない時でも
エアーを吐出し続けている場合などもありますので、機械が動いてない場合には
バルブを閉じてエアーの無駄がないようにしましょう。

流れ出ているエアーは大切なお金が流れ出ていることと同じなのです。


今回は一部ホームページの内容を転載しています。
よろしければ弊社ホームページもご覧ください
(株)新生エンジニアリング http://shinsei-eng.com/


コンプレッサーの省エネルギー 2

2009年04月08日 | 提案 その他
前回はコンプレッサーの省エネルギーというタイトルで記事を書きました。
その時の話はあくまでも新規にコンプレッサーを購入する時の内容でした。
では、現状のコンプレッサ、設備で省エネを行うにはどうしたらよいのでしょうか。

最も簡単で効果が比較的大きい事は、コンプレッサーの設定圧力を下げる事です。
コンプレッサーは運転していればどんどんと圧力が上がっていくものではあり
ません。ある一定の圧力で、停止したり、アンロード運転(無負荷運転)を行い、
圧縮空気を作らないようにしています。この圧力を設定圧力と呼びます(厳密に
は違う場合もあります)。

しかしこの設定圧力が必ずしも工場設備の必要最低圧力とは限りません。
例えばコンプレッサの設定圧力が0.69MPaで、工場設備の必要最低圧力が、
0.59MPaだとすると、その差0.10MPaが無駄となっている時があります。

もしコンプレッサーの設定圧力を0.59MPaに下げる事ができれば、その無駄な
電力を下げる事ができ、省エネルギーになるのです。
圧力を0.10MPa下げると、約7~9%程度の省エネになるといわれています。
もし年間電気料金が300万円ならば20万円以上の省エネ効果になると思われ
ます。

ただし省エネになるからといってあまりに圧力を下げると機械の故障を招く事にも
なりますので、メーカーや業者に機械の仕様を確認してから圧力調整を行って下
さい。



よろしければ弊社ホームページもご覧ください
(株)新生エンジニアリング http://shinsei-eng.com/

コンプレッサーの省エネルギー

2009年04月06日 | 提案 その他
エアーコンプレッサのランニングコストは、いくらくらいかかるのでしょうか?

原材料費用は仕入れの必要のない空気ですから無料といっていいでしょう。
という事はそのランニングコストの殆どは電気料金とメンテナンス・修理費用だと
いって差し支えありません。

では、どれだけの費用なのでしょうか?
当然コンプレッサの種類や仕様、ご使用状況により金額は異なりますが、一般的
にはコンプレッサを購入してからの10年間の費用のうち約80%が電気料金で
あるといわれています。ちなみに残りの10%がコンプレッサの購入費用、さら
に残りの10%がメンテナンス・修理費用といわれます。



ですから新規ご購入をご検討の際は、購入費用よりもランニングコストを重視さ
れた方がよいでしょう。では具体的に金額を考えてみましょう。

油冷式スクリュコンプレッサ37KW(標準機;省エネ効果少)を平均運転負荷
70%、運転時間6000時間、電気料金15円/kWhとして算出すると、年間電
気料金は約320万円となります(この金額は、同機の購入費用以上になり
ます)。10年間では3,200万円です。
コンプレッサの省エネは、この金額をいかに減らすかがポイントとなるのです。

具体的には、インバータ機(省エネ効果大)をお勧めいたします。
例えば上記と同条件でインバータ機を運転すると、年間電気料金は約230万円
(28%減)で済むのです。標準機とのランニングコスト差は年間90万円です。
10年間では900万円と決して少なくない差になります。

購入費用をできるだけ抑えることも非常に重要な事ですが、その後のランニング
コストを考慮する事が最重要だと考えます。

当然、インバータ機ですので購入価格、予想されるメンテナンス費用は標準機と
比較して何割か高額になる場合もありますが、その差額は一般的に1~3年で
回収可能です。

*算出金額は比較のための概算で金額を保証するものではありません



よろしければ弊社ホームページもご覧ください
(株)新生エンジニアリング http://shinsei-eng.com/

オイルフリーコンプレッサとは

2009年04月03日 | コンプレッサ
エアーコンプレッサの圧縮方法による分類は前2回の記事で紹介いたしました。

今回は潤滑方法による分類についてです。
これまでの記事にも何度か無潤滑式やオイルフリーという言葉が出てきたと思い
ますが、これが潤滑方法による分類のうちの1つです。

エアーコンプレッサーは油潤滑式(油冷式、オイル式、給油式などともいいます)
と無潤滑式(オイルフリー、無給油式などともいいます)の2種類に分類されます。

[油潤滑式(オイル式)]
空気を圧縮する際に本体内に潤滑油を注入しながら圧縮する方法です。そのため、
圧縮された空気中には若干の潤滑油が混入しています。

[無潤滑式(オイルフリー)]
圧縮機本体内に潤滑油を注入しないで圧縮する方式です。当然、圧縮空気中には
潤滑油は混入していません。

エアーはできるだけクリーンな方が望ましいのですから、無潤滑式のほうが良いの
ですが、イニシャルコスト、メンテナンスコストが潤滑式と比較して高額になる事など
から、特に潤滑油の混入が問題にならない場合には潤滑式を使用している方が
多いようです(しかし総合的に考えて無潤滑式のメリットが多い場合もありますので、
専門家にご相談される事をお勧めいたします)。しかし近年の環境意識の高まりで
無潤滑式の出荷台数が年々増えているようです。

余談になるかもしれませんが、オイルフリー式といってもあくまで圧縮空気中に
オイルが含まれないだけであり、機械のギヤ部分などにはオイルが使用されている
場合がありますのでご注意下さい。



よろしければ弊社ホームページもご覧ください
(株)新生エンジニアリング http://shinsei-eng.com/

レシプロ式コンプレッサとは

2009年04月01日 | コンプレッサ
車で走っていると桜が咲いているのをよく見かけます。今のところ5~6分咲きと
いったところでしょうか。今週末には、満開になりそうですね。皆様にはお花見の
予定なんてありますでしょうか?

さて、今回はレシプロ式のコンプレッサについてです。
エアーコンプレッサといえばこちらのタイプの方がスクリュコンプレッサよりも
身近かもしれませんね。出力15kW以下の比較的小型のコンプレッサで多く使
われていると思います(もっと出力の大きいレシプロコンプレッサもあります)。

空気の圧縮方法は、シリンダ内をピストンが往復し空気を圧縮します。
自動車のエンジンなんかと同じ構造です。ピストンの上下運動により、吸込→
圧縮→吐出→という動作を繰り返します。そのため圧縮空気に脈動が出てしまい
ますので、吐出配管側には空気タンクを設置したほうがよいでしょう。
もっとも通常の小型レシプロコンプレッサでは既にタンクが付属したタイプが
製品として殆どですので、この問題はあまり考えないでもよいかもしれません。
運転中は、スクリュコンプレッサと比較して音、振動は大きくなりますので、
設置場所は配慮する必要があります。
またオイル式では圧縮空気中に含まれるオイル含有量が多くなりますので、清浄な
エアーが必要となるワークには不向きです。長時間の連続運転にも不向きです。

スクリュコンプレッサと比較して運転、エアーの質など劣る点が多いですが、比較
的安価のため、上記問題がクリアできる状況、環境であれば、ご購入の際に検討さ
れるのも良いと思います。



今日から新年度です。気持ちも新たにがんばりたいと思います。
よろしければ弊社ホームページもご覧ください
(株)新生エンジニアリング http://shinsei-eng.com/