コンプレッサー修理会社の機械修理日記

~産業用エアーコンプレッサ、ブロワ、真空ポンプなどの機械修理・メンテナンス会社の日常を書いていきます

スクリュコンプレッサとは

2009年03月30日 | コンプレッサ
約2ヶ月程前(かなり前ですね)、このブログのほぼ最初の記事で
エアーコンプレッサの種類について大別した記事を載せました。
今回の記事は、もう少し各コンプレッサの種類について詳しくご説明をしたいと
思います。

そこで「スクリュ式コンプレッサ」です。工場に設置されている中型(圧縮機出力
15~75kW)のコンプレッサの中で最も普及しているタイプです。ご存知の方
も多いと思います。

スクリュ式とは、空気を圧縮する方法で、圧縮機本体の構造を指しています。
2本のスクリュー(ネジ)形のローターが回転して空気を段々と圧縮していく構造
です。2本のローターの溝の隙間の変化により圧縮されます。
空気圧縮が、高速、連続的に行われるので、脈動の少ない圧縮空気を得ることが
できます。運転もレシプロ式と比較して低音、低振動です。

ちなみにスクリュローターは下画像のような形です。
オス、メスの2本があります。この画像はコベルコのオイル式スクリュコンプレッ
サです。




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モーター焼損 修理

2009年03月26日 | 修理・メンテナンス
あるお客様にてコンプレッサのモーターコイルが焼損してしまいましたので、
モーター一式を交換する予定になっています。

モーター焼損に至る原因は、

・過負荷運転によるモーターの異常な温度上昇
・経年による絶縁劣化によるコイルのショート

などが考えられますが、故障機は、運転開始後15年以上経過していますので、
経年による絶縁の低下が原因ではないかと思います。





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コンプレッサの騒音

2009年03月24日 | 提案 その他
季節も春らしくなり暖かくなってきました。
こちらの地方(名古屋)でもそろそろ桜が満開になり始める頃だと思います。


さて今回はコンプレッサーの騒音についてです。
工場ではその工場から出る騒音が近隣地域で問題になる事があるようです。
以前は問題なかったのに隣の空き地に住宅が建てられ、そこの住人からうるさいと
クレームがきたため、エアーコンプレッサーの設置場所を変更したという事もあり
ます。

エアーコンプレッサはモーターを動力として圧縮機を運転している以上、運転音が
必ず出ます。ただ同一出力(吐出空気量は若干の差異があります)でも騒音値には
差がかなりありますので、ご購入の際には、条件のひとつとして考えられても良い
かもしれません。

[機種による騒音値の違いの例]

・日立オイル式レシプロ5.5kW - 76dB
・日立パッケージオイル式レシプロ5.5kW - 56dB
・コベルコオイル式スクリュ5.5kW - 52dB
・日立パッケージオイルフリースクロール5.5kW - 50dB


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エアードライヤーの種類

2009年03月18日 | その他の機器
空圧機器のひとつ、エアードライヤーの役割については以前の記事で紹介しました。
今回は、エアードライヤーの種類について御説明いたします。
エアードライヤーは、その除湿方法により大きく2つに分けられます。

まず1つ目が冷凍式エアードライヤーです。
エアーを冷凍機を使用して10℃以下に冷却し、飽和水蒸気量の差によって水分を
分離除去しエアーを乾燥させる方式です。エアー温度を下げることにより飽和水蒸
気量が少なくなるため、飽和水蒸気量を超えた水分を除去できます。この方式はエ
アーを0℃まで冷却するとドレンが凍ってしまうので空気の乾燥度には限度があり
ます(大気圧露点-24℃程度が限度)。

2つめは、吸着式エアードライヤーです。
エアー中の水分を乾燥剤(シリカゲルなど)に吸着させてエアーを乾燥させる方式
です。この方式は冷凍式と比較しても極めて高い乾燥度(大気圧露点-70℃程度
が可能)の乾燥エアーを得る事ができます。この方式では、水分を吸収した乾燥剤
を再利用できる状態にするために乾燥エアーを使用する必要があります。

一般的なエアーの使用条件下では冷凍式エアードライヤーの除湿能力で充分と思
われますが、エアーの使用用途などによりドライヤーも様々な種類、能力があり
ますので購入を検討の際には専門家へ相談されることをおすすめ致します。


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コンプレッサの設置方法

2009年03月16日 | 提案 その他
エアーコンプレッサが複数台設置されている工場の場合、そのご担当者様からよく
「コンプレッサはどのように設置するのが最も良いのか」と質問を受ける事があり
ます。

設置の方法については、3つ程の考え方があります。

1.集中設置
~1箇所に全てのコンプレッサ、空気槽、ドライヤーなどを設置して、エアーが
必要な箇所まで配管で圧縮空気を供給する

2.分散設置(配管は共有)
~工場の配管はすべてつながっているがコンプレッサはそれぞれ別の場所に設置さ
れている

3.単独設置
~ライン毎、機械毎にコンプレッサを専用に設置している


それぞれに長所と短所がありますので、それを簡単に説明します。

1.集中設置

[長所]
1箇所にすべてが設置されているので、新設、増設の場合の設備費用が安価、
日常管理もし易い、台数制御運転も比較的簡単に安価にできる。1台が故障した
際でも操業停止など大きな問題になりにくい。

[短所]
コンプレッサから最も遠い場所では圧力が低くなる傾向になる。機械1台のみの
作業の場合でも工場全体に圧縮空気が供給されてしまう。

2.分散設置

[長所]
工場全体に安定した圧力の供給ができる。1台が故障した際でも操業停止など大
きな問題になりにくい。

[短所]
新設、増設の場合の設備費用が集中設置と比較して高価になりやすい。日常管理も
手間がかかる。機械1台のみの作業の場合でも工場全体に圧縮空気が供給されてし
まう。

3.単独設置

[長所]
工場の稼動状況に応じて各機対応するので消費電力に無駄がない(機械1台のみの
作業の場合ではその場所だけに圧縮空気が供給できる)。

[短所]
新設、増設の場合の設備費用が集中設置と比較して高価になりやすい。日常管理も
手間がかかる。コンプレッサが故障した際は、少なくともそのライン、機械は停止
せざるをえない。


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圧力上昇不調

2009年03月12日 | 修理・メンテナンス
先日、お客様よりエアーコンプレッサー(油冷式スクリュ)のゲージ圧力が上昇
しないとの連絡を受け、現地点検へ行って来ました。

コンプレッサを点検すると、ダストフィルタと吸込フィルタが目詰まりを起こし
ており、ダストフィルタの清掃とお客様所有の予備の吸込フィルタを交換すると
ゲージ圧力も上昇しました。
比較的時間が掛からずすぐ復旧できましたので、ライン停止などのトラブルも
何とか起こらず良かったです。

エアーコンプレッサは1分間に何百~何千リットルものエアーを吸い込みます。
そのためフィルタ類は思った以上に汚れますので、お客様には定期的なダスト
フィルタの清掃と定期的な吸込フィルタの清掃(または交換)をお願い致しました。

周囲環境に大きく左右されますが、ダストフィルタの清掃は1週間から1ヶ月毎、
吸込フィルタの清掃は1ヶ月から半年毎に清掃したほうが良いでしょう。
そして年1回の定期点検をできるだけ実施してほしいと思います。

*ダストフィルタとは、パッケージ(カバー)に付いている板状の目の粗いフィ
ルタです。一般的にはエアコンのフィルタに似ています。メーカー、機種によっ
ては付いていないコンプレッサもあります。



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日立ベビコン 2.2kW

2009年03月09日 | コンプレッサ
エアーコンプレッサの新設です。
設置されるコンプレッサは、
日立産機システム製のパッケージオイルフリーベビコン POD-2.2MA6
です。レシプロ、無給油式です。



設置予定先の以前のコンプレッサは、圧力発停式(圧力に応じて圧縮機を運転、
停止する方式)だったのですが、本機はエアーの使用状況によりコンプレッサ
自身のマイコンで最適な運転方式(圧力発停,アンローダ)を選択します。

また、以前はお客様にてコンプレッサの起動圧力、停止圧力の設定が簡単には
できなかったのですが、本機は操作パネルのスイッチ操作で設定変更が可能な
ため、設定圧力を最適な値にする事により、省エネ効果が期待できます。

*ベビコンは日立の登録商標です



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所有車両

2009年03月04日 | 会社案内


弊社では、バンタイプのサービスカー2台(この画像では1台がトラックの後に
隠れるように写ってます)のほかにクレーン付きのトラックも所有しております。

コンプレッサなどの機械の納品、引取、設置などに活躍しています。
車両の最大積載量は2tで、クレーンは2.9t吊です。
作業範囲にもよりますが、出力75kWくらいの中型コンプレッサまでなら
このクレーンで吊り上げが可能です。



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空気槽について

2009年03月02日 | その他の機器
空気槽は別名でエアータンクとかレシーバタンクとも呼ばれています。
一般的にコンプレッサの横に設置されている事が多いと思います。
小型のレシプロ式のコンプレッサには、横になった空気槽の上に圧縮機本体と
モーターが載っているタイプもあります。

空気槽の設置の目的は、圧縮機の能力カバー(一時的に低圧になるのを防ぐ)、
空気の脈動を消す、コンプレッサがより効率的に運転するようにするなどが
あります。
コンプレッサ運転時に必ず必要なものではありませんが、メリットになる事
ばかりですので、ぜひ設置する事をおすすめします。

ただし、コンプレッサに対してあまりにも大きな空気槽を設置した場合は、
空気圧力が使用圧力に達するまで時間が掛かるようになりますので、注意が
必要です。

またお客様よりよく圧縮機の能力を一時的にカバーする目的で設置したいとの
お問合せを頂くのですが、お客様の御要望通りの選定を致しますと予想以上に
大きいタンクが必要になる場合があり、驚かれます。
*余談ですが、そういった場合はエアー配管の改修、エアー漏れの修理、最終
的にコンプレッサの増設をお勧めしております

もし、空気槽の設置を御検討の場合は、選定ミスを防ぐためにも専門家へ選定
依頼をされたほうが良いと思います。



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