石井信平の 『オラが春』

古都鎌倉でコトにつけて記す酒・女・ブンガクのあれこれ。
「28歳、年の差結婚」が生み出す悲喜劇を軽いノリで語る。

秋の夜や65歳のシガーかな

2007-10-17 23:39:27 | 雑談
15日、名古屋の取材の後、静岡に向かう。市役所裏通りにあるスナック「バロン」は、元連合赤軍の兵士で、27年間も獄中にあった植垣康博さんの店だ。

 彼に再会し、痛飲した。前の店よりずっと広くなり、カラオケ・ルームもある。33歳も若い韓国系中国人と結婚し、男の子が誕生した。獄中の日常から、何という変わりようだろう! 店を出て、深夜の静岡の繁華街をさすらう。
 
 翌16日、ホテルで目覚め、朝食後「駿府公園」を散策。徳川家康が全国の大名に命じて一大土木事業を行った駿河城の威光漂う、素晴らしい公園だ。茶室で抹茶をいただく。

 何だか、「江戸」にいるよりも天下を支配した気分。なるほど家康が江戸を息子に任せて、ここ駿河で行ったのが「大御所」政治だったこと、よく分かりました。

 昼から植垣氏にインタビュー。刑務所体験、連合赤軍の闘争、60歳を目の前にした新婚生活。

 「息子が生まれて、自分たちのしたことを次の世代に伝えたいと、一層強く思います。しかし、毎晩酒まみれで、書くことに集中できません。これじゃ、〝お前のオヤジは人殺しだった〟と将来、息子がイジメにあうんじゃないか、と気がかりです」

 17日、オラの65歳の誕生日。

 妻がパジャマのゴムひもを換えてくれる。ゴムが伸びきって、片手で引き上げてないとズボンが落ちて来るという、情けない状態が長く続いた。

 夕方、妻と湘南新宿ラインで上京。窓一杯に夕陽が赤い。

オラ「赤く燃えて、僕の未来のようだね」
妻が言う「あら、日没っていうこと?」

 妻のごちそうで青山のイタリアン・レストラン「ヒロ」で夕食。

 フォアグラのポワレとカボチャのオーブン焼きトリュフ風味
 仔羊とジロール茸のピツォッケリ
 エゾ鹿のローストベリー

 その後、表参道の葉巻サロンで、イタリア・シガー協会のジーノさんと歓談。
「モンテクリスト 2003年」をプレゼントされる。数人のシガー好きが集まり、葉巻吸いつつ、夜が更けていった。

 秋深し65年の煙かな

最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。