石井信平の 『オラが春』

古都鎌倉でコトにつけて記す酒・女・ブンガクのあれこれ。
「28歳、年の差結婚」が生み出す悲喜劇を軽いノリで語る。

うなってしまった番組

2008-03-04 23:07:38 | メディア
 旨いもの、いい女、感動した本、いずれもオラのほめ言葉は「うなる」である。昨夜見たNHK放送のドキュメンタリー番組にも、うなってしまった。

 第80回アカデミー賞、長編ドキュメンタリー賞受賞作品
テレビ版「米国“闇”へ」Taxi to the Dark Side
監督 アレックス・ギブニー

 アフガニスタンやイラクから「拉致」してきたテロ容疑者を、米軍グアンタナモ収容所でいかなる取り扱いをしているかの真相に迫った。

 テロリストから情報を引き出すためなら、死ぬまで拷問したっていいんだ。人道? 法? 「そんなのカンケーねー!」とパンツまで脱いでしまう”小島よしお”ぶりがスゴイ。

 かつて、ドイツや日本を訴追した American Principle はどうなってしまったのか。辺境の事件から説き起こし、ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルトら政権トップの言動までを追及する、怒涛の寄り身、映像の迫力、インタビューの力にうなった。

 よい番組は、様々な想像をかきたてる。

 事態を検証するために、1コマのニュース映像を探し出し、当該の問題に最もふさわしい人物を探し出すまで、どれだけ長い、深いリサーチを要したかを想像し、敬服した。制作スタッフ全員の「チーム力」が可能にしたのだ、と思う。

 問われているのはAmerican Principle だけではない。

 もし、朝鮮や中国の新しい世代が、このような粘着力で、わが「皇軍」がかつて「抗日容疑者」たちに何をしたのか、新たなドキュメンタリーを作ったら、オラたちはどう対処するだろうか。