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映画「大奥」

2007-01-20 23:23:43 | 映画
ジャンル:時代劇
製作年:2006年
製作国:日本
配給:東映
監督:林徹
脚本:浅野妙子
出演:仲間由紀恵/井川遥
西島秀俊/及川光博
杉田かおる/松下由樹
山口香緒里/久保田磨希/鷲尾真知子
浅野ゆう子/高島礼子


2003年からフジテレビにて放映の時代劇シリーズが映画となって登場。
将軍の寵愛と権力を巡り女の嫉妬と憎悪が渦巻く大奥を舞台に、時代を移ってのシリーズ3作品がテレビで放映。
私は女のドロドロ系ドラマは好きじゃなくてTVの方は観ていませんでした。しかし今回は、美術にしろ衣装にしろ映画ということで制作費を掛け、かなり大がかりだということで、衣装の本物の美しさが見られると聞いて見ることにしました。
実際、オープニングの辺りから、うっとりするような打掛のオンパレードに溜息。総刺繍なんて現代ならいくらするやら。それぞれ人物に合わせてテーマを持った意匠が、映画のストーリーが進むにつれ意味を持っていたりと、着物も小道具ではなく大事な要素となっていた辺りの演出が楽しかったです。
で、人間模様の方はもちろん、ドロドロもありましたが、メインが大奥総取締役・絵島と、歌舞伎役者・生島新五郎との身分違いの恋だったので、楽しく観賞できました。
「この一夜に、恋というものを知りました」
大奥という檻の中に暮らす女たちの思いが、切なく感じられるストーリーでした。将軍の寵愛云々より、こっちの方が断然良いですね。
史実でも、大奥の出来事と言えば「絵島生島事件」が定番中の定番。あえて、その定番を映画にしたことが、私は何となく嬉しかったです。
そうか、この事件って間部詮房&新井白石の「正徳の治」の時代の話だったよねえと日本史の復習にも(笑)。
ミッチー間部と井川遙月光院の政治の思惑の絡んだ忍ぶ恋と、絵島生島の一夜限り燃え上がった恋とが、対称的に描かれていてバランスが良かった。
でも一番ぐっと来たのは、齢五歳の7代将軍・家継でした。自分の後見である母と政治の名代をつとめる間部との恋は子供心に疎外感、孤独感を募らせるものだったでしょう。そこを埋めるように、優しく言葉を掛けてくれた絵島が、家継にとっては母のような存在だったのだろうというのが、度々出てくる中国渡りの金魚のイメージから察せられるのが、最後まで切なかったです。家継って7歳で亡くなってしまいますからね。

コメント (6)
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