コースの詳細はこちら → http://www.fujimountainrace.jp/forms/info/info.aspx?info_id=11293
7時(距離0km標高770m) 富士吉田市役所前をスタート 市内を通り、はるか彼方に見える富士山を正面に走る
日差しは強いが数km行くと、林道に入る ひたすら上るが日陰を走るので帽子はなくても大丈夫(これは前回の経験より 5合目以降は日を遮るものはないが、もう暑くはないだろう) アスファルト舗装路から石舗装路になり、道幅も狭くなり走りにくい 仲間の鈴木さんに追いついた 「河本君?」「あ、こんにちわ」「お先にどうぞ」「また途中で足つりますから行ってきます」「俺もどっかで寝てるわ」何てやりとりを 調子は良いので先に進んだ
8時1分(距離10.8km標高1450m) 馬返し地点を通過 ふくらはぎに張りを感じる 周りのランナーもしんどそうになってきている 山道に入る 木柵の階段が足への負担を増してくれやがる 前回はここで結構無理したから今回は控えめに進むことにした
8時54分(距離15.0km標高2230m) 5合目到着 かなりふくらはぎがヤバい 給水所でもあるからドリンクだけでなく塩やバナナ、パンを食べた アキレス腱を伸ばしていたら、スタッフが「マッサージしますか?」と尋ねてきたので「大丈夫です」と強がったが、もう1人のスタッフが足を揉んでくれた 揉まれるだけで吊りそうだった かなりヤバかった そのスタッフの人の風貌が箱根駅伝で有名な神奈川大学の大後監督に似ていた 神奈川大学と思い込んで「どこの方ですか?」と聞くと、「健康福祉大学です」と不意を突かれた回答だったが、あまりの有難さに「助かりました」と礼を言って先に進むことに
富士登山競走は5合目からが本番だ それまでは土道であったが、5合目以降は砂、小石、そして岩となり行く手を阻む 踏み込む足が滑り、相当なロスを生じ、疲労を増す 前回は太ももの裏が吊ったが、今回は先ほどのふくらはぎと太ももの表が吊りそうに 吊ったら最後、吊る前にケアをすることに専念した
この大会は要所要所にありがたい給水所があるが、それとは別に個人でエイドを設けてくれている人もいる 「塩、砂糖、塩、砂糖、塩、砂糖」とひたすら連呼しているおっさんがいた しばらく行くと、またもや「塩、砂糖、塩、砂糖、塩、砂糖」と連呼するおっさん 思わず「さっき下にいた人と仲間ですか?」と聞いた 「うんニャ~」 どうやら他人らしいが、ありがたく砂糖を貰う
10時34分(距離18.0km標高3200m) 8合目を通過 足はきついが気持ちの余裕は若干ある 前方にリーガのバルセロナのユニフォーム姿のランナーがふら付いていた 目立つユニフォームで途中途中見ていたから気になった 上半身が倒れそうなくらい、ふら付いていた サッカーのユニフォームだから若造だと思って、後ろからツンツンとした 「俺より年上じゃないか」 ちょっとマズイと思いながら「大丈夫ですか?」と聞くと「ハァ」といっぱいいっぱいの返事 前回を思い出した 足がつってヘコたれてたところに「大丈夫ですよ、時間は十分ありますから」と声を掛けてくれた人がいた この一声がすごく力になった だからバルサランナーに「余裕で間に合うから、休んだほうがいいですよ」と声をかけて先を進んだ
富士山は登山ブームもあり人がいっぱい 日本人だけじゃない なぜかカリビアンっぽいのが多かった 多いのは仕方ないが、カリビアンはファットが多い 狭い登山道にファットはいささか邪魔だ さらに杖を如意棒のように振るカリビアンがいて、頭を殴られそうになった 「あぶねぇじゃねぇかカリビアン」と心で叫んだ
10時54分 ゴールは手前に鳥居が2つある それが見えたらゴールが実感できる 4時間は切れると思っていたが、手前の鳥居を通過するとき3時間54分位だったので諦めた 結構、頭痛もし始めたので楽しく上ることに徹した
11時8分(距離21.0km標高3776m) 最後の階段を踏みしめ、ゴール 吊りに吊りそうだった足も何とか耐えてくれた 全然、前回より楽しく上れた キツさは相変わらずだけど、気持ちの余裕がそうさせてくれたのか 練習もちょっとはしたのが良かったのかも でも、4時間を切れなく、前回より9分しか速くなっていなかったのは不満 次へのモチベーションにしよう バルサランナーもゴールした 「良かった、良かった」
11時30分 制限時間の4時間30分 数分前からゴールを見守るランナー、応援者がカウントダウンする これに間に合うかどうかは完走Tシャツを貰えるか貰えないか、どころの問題じゃない やっぱり記録がほしい 達成感がほしい 数秒前に何人もがなだれ込む 皆が「もう少しだ ラストがんばれ~」と応援する ランナーも分かってはいるが、そんな力はほとんどない ギリのギリで間に合ったランナー、1秒で間に合わなかったランナー 明暗が分かれる 俺の目の前で応援していたアベックは泣いていた 知り合いを応援していたわけではないだろうが… 俺も目頭が熱くなった 「みんな頑張ったんだね」
鈴木さんと合流 いつの間にか抜かれてたんだね(4分負けてた) でもお互いを祝福、スーパードライで乾杯 ぬるいが美味い 頭痛には応えたが『今日のビールはうまいぞ』を体感した その後、本当の最高地点で記念撮影
さてレースは終わったが、終わっていない 5合目まで下りなければならない(13時30分までに バスが行っちゃうから) 砂利道をひたすら駆ける ほこりも舞う 足が滑る 頭痛が増す 腹が減る
13時40分 バス乗り場が前回より800m遠くになるという嫌がらせにも負けず5合目に到着 ここに着いてようやく終わったなぁ、という気になる もらったおにぎりを食べる 『富士山、日本茶、おにぎり、サイコー』
正式な完走率は未発表だが、順位は607位 山頂コース出場者は4000人弱だろう 『俺って、平凡 速い人、メッチャいるじゃん』前回、走り終わって感じた「2度と出るもんか」という感想が、今回は『よし、来年も走るぞ』と変わっていた