Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

国策

2005年08月17日 17時34分27秒 | 時事・社会
先週鹿児島に行ってた時、休憩で立ち寄った道の駅に、
立派な公園や宿泊施設があったので、ちょっと散策しました。
すると、こんな立て札がいくつも立ってるのを見つけました。



「石油貯蔵施設」というのは、志布志湾の石油備蓄基地の
ことです。1969年に閣議決定された「新全国総合開発計画」の
目玉プロジェクトとして、苫小牧東部、むつ小川原などとともに
巨大コンビナートの建設が計画されていましたが、「列島改造」
による狂乱物価やオイルショックの影響で頓挫しました。が、
81年に計画が備蓄基地に変更され、建設が強行されました。
地元の猛反対に加え、自治体も「国が工場を建てて経営して
くれるわけではないから」と慎重な姿勢を崩さなかったことから、
経済情勢の変化への対応は他所に比べればスムーズでした
(少なくとも莫大な負債を抱えて、六ヶ所村の原子力施設建設に
走らざるを得なくなった青森県よりはマシでしょう)が、環境庁も
異を唱えていた開発そのものは、結局推し進められたわけです。



で、立て札に「設立地対策等交付金施設」とある通り、受け入れた
(押し付けられた?)地元に対して国が毎年、お金を払っているわけ
です。高度成長の夢を追い続けた国策のツケは、今も払い続け
られています。
一方で地方での公共事業を批判しながら、迷惑施設は地方に押し
付ける矛盾した構造が改まらない限り、無駄な金は流れ続けます。