日本シリーズを制した秋山監督、8度胴上げで舞った。小久保主将、川崎選手会長、摂津投手も
胴上げされた。監督はうれしさで目に涙をにじませていた。
球場における優勝監督の挨拶は球界を代表する立派な言葉であった。
彼は災害にあった東日本への激励と野球人として精一杯恩返しする心構えを示した。
堂々たる姿勢であった。
今年のプロ野球界に尽くした野球人に贈られる'11年正力賞が、ちょうど秋山監督に決まった。
ピッタシのタイミングだった。
正力賞といえば、元近鉄バファローズの西本幸雄監督も功労者として受賞した一人だ。
日本シリーズを見届けて、野球の闘将は11月25日永眠した。「会葬はお断りする」と
頑固なところは変わっていなかった。
悲劇の監督は8度の日本シリーズに監督として苦杯をなめ1度も優勝できなかった。
知将三原の大洋球団、強勢巨人軍と広島赤ヘル軍にぶつかった悲劇だった。
私のまなこにぎっちょ西本1塁手の姿が焼付いている。大毎オリオンズの小柄で
顎ばかり目立つひょろりとした1塁手、これが西本幸雄だ。
別当、本堂、呉昌征、土井垣ら元阪神の猛虎に混じって懸命にうごいていた。
監督になってからも、選手の指導に懸命なグラウンド上の姿が目立った。
審判に抗議するときの姿勢の激しさは彼独特のものだった。
南海ホークス山本一人監督のあっさりと引き下がる姿と対照的だった。
審判と顔をを突き合わせて、「譲らないぞ」とグラウンドに声を響かせていた。
情熱のパ・リーグ選手だった。
今日の野球指導者が尊敬する「まさに名将という名にふさわしい方」(長嶋茂雄)。
さて、秋山監督の来シーズンは大変だ。和田、杉内、ホールトン、川崎がホークスを
出る意向をしめしている。
日本シーリーズ制覇した球団は経営事情と選手の移動で戦力を失うことが多い。
今年のロッテ球団は無残なものであった。
仰木監督が苦心してまとめたオリックス球団のあの様は何だ。そろばん勘定だけが
得意なオーナーでは球団経営はじり貧になる。
多くの球団は収支相つぐなわないので、球団経営は難しい。
今年、戦力を生かし切れなかった巨人軍は、人気の低下に悩みフロントと
頑迷な経営最高首脳とが喧嘩している。
西本幸雄氏に球団オーナたちを叱っていただきたい。でも、「バカとはなんだ。
言葉を取り消しなさい」と永田雅一オリオンズオーナーに迫った西本監督の迫力は
昔物語になってしまった。
西本氏の固辞にもかかわらず、愛弟子梨本監督らの手で、後日会葬が行われた。
弟子たちは熱血の指導者の思い出をしみじみと語っていた。
、
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます