白梅の色淡く 藪椿の紅鮮やか
トコトコと走り寄る 君のあしどり軽ろし
さあ、パンくずをあげよう
春は真っ盛り ツグミ君 北国にいつ帰る
沈丁花の匂い濃く ト伴の雄ずい白し
秘かに聴く 君の忍び音 小鈴のよう
さあ、ご飯つぶをあげよう
春は南風(はえ)が吹く ツグミ君 故郷にいつ帰る
都忘れ小紫に咲く 侘助の紺色 目に沁みる
ひよ鳥の奇声に驚かず 雀とともに来よ
さあ、蜜柑の輪切りをあげよう
春は花霞 ツグミ君 北の山にいつ帰る
胸は白く 羽根は虹色になった 君の旅立ちの近きを知る
~ツグミ君との別れを惜しみながら詠む~
時来ればシベリア目指す鶫かな