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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

宮松と山下

2023-08-23 20:08:08 | 邦画
香川照之さんがあんなことにならなかったら
もう少し話題になってたかもな作品ですが、一応香川照之さんは古典の世界では市川中車としては復帰されてることから
マスメディアでの香川照之としての復活も順次なんだろうなぁ
香川照之による香川照之でないと演じられなかっただろうって思わされた作品
 
映画的にはこんな静かな小波のように何か起きそうで結局そんな期待を90分間持ち続けさせられた映画だったなぁ
香川さん演じる主人公は宮松という昔でいうところの大部屋俳優
今ではエキストラっていうことっでエキストラ事務所から呼ばれるちょい役役者
斬られたり撃たれたりするだけでなく喫茶店やレストランのガヤまでをも担当してる役者さん
それだけでは食えないからロープウェイの運転も行なって食いつないでいるものの
過去の記憶を全く喪失してる男
 
撃たれたり斬られたりって同じシーンで2回目3回目も衣装工夫したり笠で顔隠したりで出演しているんですね
大部屋であればそんな事はないものの
今では映画会社自体大部屋役者を雇っておられないからエキストラ料ケチって二度三度と斬られたり撃たれたりするって事なんですかね
大部屋俳優は社員ってことで給料出るからねぇ最低は保証され後は出来高性だったけど
つまりはギャラが発生しないエキストラはボランティアエキストラとして区別してるのが現状なのかな
 
映画を見て宮松を山下と認めた元タクシー会社の尾美としのり演じる元同僚が京都旅行のついでに尋ねてきて
彼は山下と言ってタクシー運転手を東京でしていたと
さらに山下には年の離れた妹がいるとわかり
自分が誰でどんな過去を生きてきたのかと自分探しに東京にやってきて実家って言うか妹夫婦の家に世話になる
その妹役に中越典子さん、その旦那に津田寛治とある意味香川さん以下曲者俳優を揃えていたとはねぇ
そこで宮松こと山下の過去が明かになる部分と
 
知らなくてもいいこともあるものの、今と違う知らない過去の片鱗にちょっとだけ触れて・・・
 
過去を封印して今日も斬られる宮松
山下を封印して山下ではなくこれからは宮松として生きて行こうっていうことなのか
しかしカメラが捉える宮松の勢いは決してエキストラの顔ではなかった・・・
 
総じてなにも起きないっていうか起こらない映画ながら
封印してしまった自分の過去のちょっとした瑕瑾を仕舞い込む山下と耐える妹って言う構図も良かったなぁ
現状と映画という架空の世界観で演じられる人物が決して同一人物でありそうでないって言うように
人は自分自身を演じて生きているのかって言うのを我々に逆に問い詰めてくる作品だったんですね
 
2022年製作、日本映画、「宮松と山下」製作委員会作品
関友太郎・平瀬謙太朗・佐藤雅彦共同脚本・共同監督作品
出演:香川照之、津田寛治、尾美としのり、野波麻帆、大鶴義丹、尾上寛之、諏訪太朗、黒田大輔、中越典子

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