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ザ・ギフト

2017年03月23日 | 映画

DVDで、ジョエル・エドガートンの初監督作品となるサイコスリラー「ザ・ギフト」(The Gift)を見ました。ジェイソン・ベイトマン&レベッカ・ホールが共演。エドガートンが監督のほか、脚本・製作・主演を務めています。

シカゴから故郷ロサンゼルスに引っ越してきたサイモン(ジェイソン・ベイトマン)と妻ロビン(レベッカ・ホール)。2人が新居のための買い物をしていると、ゴード(ジョエル・エドガートン)と名乗る男が話しかけてきます。サイモンはすっかり忘れていましたが、ゴードはサイモンの高校時代の同級生でした。

再会を祝して2人の家にワインを贈り届けたゴード。その後もゴードは、ことあるごとに2人の家を訪れ、贈りものを届け続けます。しかし、ロビンがひとりで家にいる時に訪れたり、奇怪な行動をみせるようになったため、困惑したサイモンはゴードに2度と近づかないよう言い渡します。

本作でエドガートンが演じるゴードは、気弱で悲しい目をした少々不気味なキャラクター。これまで「ブラック・スキャンダル」「ラビング 愛という名前のふたり」など彼の出演作を見てきましたが、どれともまったく違う役どころで、彼の演技の幅を再確認しました。また本作でエドガートンは、監督という新たな才能を見せています。

復讐のためにターゲットの家庭の中に入り込んでいくサイコスリラーといえば、少々古いですが「ゆりかごを揺らす手」(1992)やフランス映画の「譜めくりの女」(2006)を思い出します。どちらもおもしろかったのですが、動機としては逆恨みに近く、どうしてそこまで?と思ったのも事実。

その点、この作品は動機が十分に納得のいくものだったので、ドラマとして説得力があり、私はとても満足でした。最初は、不気味なストーカーにしか見えないゴードですが、だんだん真相が明らかになるにつれ、彼に同情し、最後には応援したくなってくるから不思議です。

一方、サイモンというのが最低の男で、私が最も許せないタイプの人間。ラストは、見ている側としては溜飲が下がりましたが、はたしてゴードにとってはどうなのでしょう。結果はどうあれ、決して過去の傷を消すことはできないだろうと思うと、複雑な思いが残りました。


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4 コメント

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面白そう! (ごみつ)
2017-03-23 18:36:14
こんばんは!

これ、怖そうだな~~なんて思ってましたが、単純に怖いだけの作品じゃないみたいですね。

やっぱり面白そう!

私も今度、是非見てみますね。不愉快な気分で終わる作品だったらやだな~なんて思ってたのでご紹介いただいて助かりました~!
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Unknown (なな)
2017-03-23 22:51:13
こんばんは。

単なるストーカーものかと思っていたら
意外な展開でとても惹きこまれました。面白い!

>動機が十分に納得のいくものだったので、ドラマとして説得力があり・・・・
そうですよね。家庭にまで入りこむ復讐もので逆恨みなら
犯人は病的なキャラクターで共感もできないですが
この場合は逆恨みではないですよね。
それで加害者の方が自分の罪の重大さに気づいていないという・・・・
最後は私も溜飲が下がりました。
ゴードは・・・復讐しても自分の人生がやり直せるわけではないので
どんな心境でしょうね。聞いてみたいかも。
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☆ ごみつさま ☆ (セレンディピティ)
2017-03-24 14:42:07
こんにちは。
この作品、エドガートンファンのごみつさんには是非見て欲しいです♪
暴力描写はほとんどありませんが、じわじわ来るタイプの作品で
復讐だけではない深いメッセージを感じました。
エドガートン、すごい俳優さんですね。@@
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☆ ななさま ☆ (セレンディピティ)
2017-03-24 14:56:37
こんにちは。
単なる復讐ものではない、深いメッセージがありましたね。
私も堪能しました。ご紹介ありがとうございました。

そう、動機が十分に納得できたので、ゴードに感情移入しながら見ていました。
サイモンみたいな人、きっといるんだろうな...と思いつつ。
復讐しても過去の傷が癒えることはないでしょうが
ゴードとしてはサイモンに、自分の犯した罪の重さに
気づいてほしかったのかもしれませんね。
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