裏磐梯・会津若松旅行の続きです。五色沼湖沼群を散策した後は、喜多方を経由して、この日の宿泊地である東山温泉に向かいました。
喜多方は蔵の町として、また喜多方ラーメンでも知られていますね。蔵の並ぶ通りを歩いてみたくて、車の中で検索し、おたづき蔵通りを目指しました。
【参考】喜多方 まち歩きマップ
埼玉県の川越のように、蔵が並んだ通りを想像していましたが、蔵はぽつぽつと点在していて意外と観光地化されておらず、市民の生活に溶け込んでいるという印象でした。でもきれいにリノベートして、上手に利用されていましたよ。
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この後は、一路南下して会津若松の奥座敷、東山温泉に向かいます。この日宿泊したのは、創業1873 (明治6) 年の老舗旅館、向瀧 (むかいたき) さんです。宿泊サイトではなく、お宿に直接予約を入れたのですが、その後のメールでのやりとりから
お客様への誠実な対応と歓迎の気持ち、宿への誇りと愛情も感じられて、わくわく期待が高まりました。きびきびとよく働く従業員さん、お部屋係の若い女性の素朴な受け答え、どれも好ましいものでした。
お風呂は3ヶ所ありましたが、そのうち一番大きな温めのお湯につかってゆっくり疲れをほぐした後に、お部屋で会津の郷土料理のお夕食をいただきました。
食前酒は会津若松の "葡萄のしずく”。先付けは生木耳の白和え。前菜は門田長ネギの焼き浸し、紅鱒の美酒佳肴焼き、塩蒸し南瓜、平飼い卵の黄身寿司、モロヘイヤの醤油漬け、秋茗荷の甘酢漬け。向付は、鯉月見。右手前は、にしんのさんしょう漬け。
どれも会津の食材を使った伝統料理で、この地でしかいただけない貴重なもの。素朴な味わいにほっと心がなごみました。鯉のお刺身や、にしんなど、初めていただくお味も興味深いものでした。
江戸時代に会津藩から伝承された逸品で、向瀧さんの名物料理、鯉の甘煮です。甘辛く煮込まれた鯉は、柔らかくもむっちりとしていて、絶品のおいしさでした。他にもお料理がたくさんあるので、食べきれなければ、食べかけを真空パックにして
持ち帰ってもよいと言ってくださったので、そのようにしました。家に帰ってからも、旅先のおいしいお料理が、そのまま味わえるのはうれしいですね。
会津地鶏と盆地の恵み。お味噌仕立ての鍋物です。
会津伝統料理のこづゆ。その向こうは会津大川で採れた鮎を使った一口ごはん。
かぶが大胆に描かれたすてきな器。
中を開けると、会津丸茄子とこしひかりの揚物。お米がぱちぱちと香ばしい。にんじんの紅葉を添えて秋の趣です。
会津のこしひかり。小松菜と油揚げのお味噌汁。手作りの佃煮と小茄子漬け。
デザートは、会津りんごのジュレ掛けです。
旅館の食事というと、豪華ではあるけれどあまり個性が感じられず、後から思い出せないことも多いですが、向瀧さんのお料理は、どれも地元の食材を使った伝統的な郷土料理で、これぞ旅の醍醐味だと感じました。
この日は偶然にも中秋の名月。お宿の廊下に、お月見の設えがありました。すすきと月見だんご、秋の恵みの野菜たち。
白く輝く月が夜空を照らし、忘れられないお月見となりました。