特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

“マジな変さ”って一体何さ

2008-01-01 22:12:07 | カンコクゴ試行錯誤
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 新年明けましておめでとうございます!새해 복(福) 많이 받으십시오!
 
 二〇〇八(平成二〇)年を迎え,『特上カルビの記のみ気のまま』のリニューアルオープンでございます

 「昨日(2007年)までのプレオープンとどう違うの?」というお声を耳にしましたが,私自身どこがどう変わったのか把握し切れておりません.そう,気持ちの問題です(これって意外と大事).

 小学生の頃だったでしょうか,「本当に?」という意味で「マジ」という言葉を盛んに口にした時期がありました.「まじめに?」の縮約形だと思うのですが,例えば「え,マジ?それってマジ?」といった具合に使いました.

 年末年始にお隣の国のニュースに盛んに登場する「セヘ マジ ヘンサ」という言葉を耳にして,つい昔のことを思い出しました.韓国語で表記すれば「새해 맞이 행사」となります.一体全体「マジな変さ」って何なのさ?と思われるかも知れませんが,実は「変でも何でもない」いたって真面目なものなのです.

 韓国語を多少なりとも勉強された経験がある方なら,辞書で一つ一つの単語を調べれば,実に簡単.単純明快.

 새해(セへ)の새(セ)は「新しい」とか「新~」という意味の冠詞.해(へ)は「年(とし)」という意味の固有語で二つが合わさって「新しい年=新年」となります.

 ちなみにお隣の国でも「新年」という漢字を韓国語読みした「신년(シンニョン)」という言葉を目にする機会もありますが,単独で使われることは少なく,「謹賀新年(근하신년=クナシンニョン)」など年賀状で見かける程度で,普段使いの言葉ではありません.大統領を始めとする政財界のトップが国民や社員に向けた年頭の挨拶のことを「新年辞(신년사=シンニョンサ)」といって新年の新聞紙面を飾ることもありますが,何せ1年に1度しかないので,これも使用頻度は極めて低いのです.

 それにただ「신년(シンニョン)」とだけ書いてあると,“さる年”を意味する漢字語“申年”と区別がつかずややこしいことになります(実際には混乱を招くような不便さはありませんが…).

 さてさて,続いて問題の「맞이(マジ)」です.当然のことながら日本語の「本当?」を意味する「マジ?」とは全くの別物です.本来,他動詞である韓国語の맞다(マッタ)「迎える,待つ,待ち受ける」という単語の名詞形なのです(맞다(マッタ)で「待つ」ので覚えやすい単語でしょう?).맞이(マジ)を強いて日本語にするなら「迎えること」といったところでしょうか.

 最後の행사(ヘンサ)は漢字語「行事」を韓国語読みしたもので全然変ではないのです.つまり「새해 맞이 행사(セヘ マジ ヘンサ)」とは「新春行事」,「新年行事」,今風に言えば「ニューイヤー・イベント」などとその内容によって日本語ではいくらでも言い換えが可能です.

 普段,ネットを使ってお隣の国のラジオを聴いているのですが,私の頭の中でどんなことが行われているかを簡単に書いておきましょう.今日の「새해 맞이 행사(セヘ マジ ヘンサ)」という言葉を例にとると,「새해(セヘ)」と「행사(ヘンサ)」は普段から耳にする機会も多く使用頻度が高い語彙なので,自動的に韓国語のスペルが浮かんできます.つまり日本語に直すという作業は省略されます.それに比べて「맞이(マジ)」は使用頻度が少ないので,一旦「マジ」という「音(おと)」で記憶されます.そして前後の単語から「マジ=맞이」であるという類推を働かせるのです.

 ですから,たまに普段耳慣れない語彙が立て続けに出てきたりすると,いくら「音(おと)」で捉えるにしても限度があるので,全くのお手上げ状態に陥ってしまうこともあります.

 しかし,そこは「母語」ではないのですから理解できない言葉があっても落ち込む必要は全く無いのです.理解できなかった語彙に目を向ける前に,理解できた語彙を一つでも多く確実に“自分のモノ”とする.その地道な積み重ねが,韓国語のレベルアップにつながります.

 新年を迎え,今年から韓国語の勉強を始めようと考えている皆さん!肩の力を抜いて一緒に頑張りましょう!ファイト(ファイティン=화이팅)

 最後になりましたが,今年(二〇〇八年)一年が皆様にとって佳き年となりますよう祈っております