特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

十把一絡げ

2008-01-30 23:13:39 | 時事問題
 晴れ.最低気温2.9度. 最高気温12.2度.久しぶりに暖かさを感じた一日

 中国の工場で製造された冷凍餃子を口にした人たちが中毒症状を訴えたというニュースが報じられていた.商品の餃子とパッケージから「メタミドホス」という農薬が検出され,警察当局が原因究明に向け捜査を行っているそうだ.

 一番怖いのは風評被害だ.製造・販売を行ったメーカーはもちろんだが,消費者と一番近い街の商店やスーパーなどに与える影響は少なくない.

 マスコミの報道も「中国製」というのを強調し過ぎるきらいがある.
 「中国製」というだけで十把一絡(じっぱひとから)げに扱うのはどうかとも思う.可哀想なのは,きちんとした製品を作っている大多数の中国メーカーである.中国製は危険だからと言って,国内メーカーなら安心,安全かと言えば決してそうではない.去年から続く「食の安全」をめぐる動きを見れば分かることだ.

 私がお隣の国で暮らしていた時も,韓国内で似たようなことが起こった.その時は消費者もマスコミも寄ってたかって中国製品を非難し,一部では不買運動もあった.ニュースのインタビューに応える主婦たちも口を揃えて「国産(韓国産)のものを買う」と言っていた.もし,「いや,それでも私は中国製の食品を買います.」と応えた主婦がいたとしても,そのインタビューは“お蔵入り”に決まっている.

 今夜(2008/01/30),北京オリンピック出場に向けたハンドボールの日韓戦が代々木第一体育館で行われ,韓国が前後半合わせて28対25で勝利した.また,国立競技場では日本代表ボスニア・ヘルツェゴビナ代表によるサッカーの国際親善試合が行われ,日本が後半に3得点し,3対0で勝利を飾った.当然と言えば当然なのだが,日本のマスコミは日本チームの勝敗にのみ目が向いている.試合会場の観衆もテレビの前の視聴者も日本チームを応援する人が大多数を占める.しかし,ハンドボールで韓国チームを応援したり,サッカーでボスニア・ヘルツェゴビナ代表を応援する人たちがいることを忘れて欲しくない.

 そして何より,そんな国民の注目を集める国際試合と時を同じくして中毒事件を公表するメーカーや国の姿勢こそが非難されるに値するものだと思う