特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

む~じむじはげ

2008-01-29 23:53:42 | カンコクゴ試行錯誤
 一時曇り.最低気温4.1度. 最高気温6.7度.天気予報では午後には止むと言われていた雨が夜半まで降り続いた.

 さっきお風呂に入っていたら「チャルメラ」の音(ね)が聞こえてきました.「チャルメラ」の音(ね)がテープだったのは残念でしたが,寒空のもと,屋台ですするラーメンは格別でしょう.

 大学時代,韓国語の講義でM先生が「韓国にいたときに屋台や行商の“売り声”を録音しておいたらよかったな….」とおっしゃっていたのを「チャルメラ」を聞いて思い出しました.
 
 私もお隣の国で色々な行商の“売り声”を耳にしましたが,毎日のように家の近所にやって来る果物売りの“売り声”が一体全体何を言っているのかさっぱり理解できず,もどかしく思ったものです.“売り声”は韓国でも日本同様テープが主流になっています.それゆえ,すっかり伸びきったテープの声は潰れ気味.外国人(日本人)の耳では何とも聞き取りづらいのです.

 そんなある日,「甘いミカンにリンゴとバナナ,めちゃくちゃ安いよ~」という“売り声”が突然耳に飛び込んで来ました

 (売り声):「단 귤 사과와 단 바나나.무~지무지하게 싸게 팝니다!」
 (発音):「タン キュル サグァワ タン バナナ.ム~ジムジハゲ サゲ パムニダ!」
 (直訳):「甘いミカン リンゴと甘いバナナ.ものすごく安く売ってます!」

 特に私が気に入ったのは「무~지무지하게(ム~ジムジハゲ)」というフレーズ.
 「무지무지하게(ムジムジハゲ)」の辞書形は「무지무지하다(ムジムジハダ)」で,「ものすごい」という意味の形容詞.お隣の国の言葉を勉強されている方には「ものすごい」とか「とんでもない」,「尋常でない」といえば「엄청나다(オムチョンナダ)」がお馴染みかと思います.しかし,年末の“アメ横”で声をからして正月の食材を売っている“だみ声”のオジサンには「엄청나다(オムチョンナダ)」よりも「무지무지하다(ムジムジハダ)」断然似合います.
 
 「무~지무지하게(ム~ジムジハゲ)」と,必ず最初の「무」と「지」の間を伸ばして発音するのがポイントです!そうすることで,“安さ”が強調されます.関西方言の「めっちゃ!」に近い語感ではないかと勝手に想像する東京人のカルビです.