10時と3時のいっぷく

零細建築設計事務所の日常とその周辺を、コーヒータイムに綴ります。

伝聞は“違聞”

2006年03月07日 | 建築ウォッチング
人から伝え聞いた話と言うのは、事実と食い違いがあるもので、応々にして“より良い方向”に伝わり易いものです。昨日エントリーした、都留市の二つの物件の建築年ですが、少々気に掛かる部分があったので、改めて調べてみました。最初の土蔵作りの店舗は大正12-13年頃のもので、当初は当地で盛んだった絹織物の店舗として建築されたそうです。もう一つの新聞店もやはり同じく絹織物を扱う会社の建物で、建築は昭和12年だそうです。
極めつけは↓の建物。

昨年の暮れまで呉服店として使われていたのですが、私が当日この建物の所有者と縁のある人から聞いた話では、110年前のものとのこと。110年前と言えば明治です。明治のデザインにしては新しいと思っていたのですが、案の定昭和5年とのことでした。
当事者は贔屓目に見がちで、それが代々伝わって行くうちに増々増幅されがちです。行政等がきちんと歴史を記録しておく必要があると思います。