10時と3時のいっぷく

零細建築設計事務所の日常とその周辺を、コーヒータイムに綴ります。

「祈りつつ、前進」

2009年06月21日 | 研修・自己啓発

4月4日から、汐留ミュージアム(シオサイト)で開かれている「ヴォーリズ展」に行きました。丁度YMCAの関係の会議が午後からあるので、午前中こちらに行った訳です。今日が最終日ということで、ギリギリでした。汐留ミュージアムはパナソニック電工(旧松下電工)のビルの4階にあります。企業がこういう文化的施設を持って、様々な企画をしてくれることは、大変良い事だと思います。

さて、ヴォ-リズ(ウィリアム・メレル・ヴォーリズ=1880~1964)については、すでに多くの皆さんがその名前は知っていると思います。建築家として知らなくても“メンソレータム”を日本に普及させた実業家としても知られています。日本全国のYMCAやミッション系学校、教会、住宅等、実に多くの建築を設計しています。今回の展覧会は、ヴォ-リズの建築の魅力を、その人となりと合わせて紹介したものです。

ヴォ-リズは日本人女性と結婚し、その後帰化するのですが、新年に書き初めをしていたそうです。経営者としての標語を記すのですが、表題の「祈りつつ、前進」もその一つで、決して、“今年の売り上げ目標は”といったようなことは一切書かなかったそうです。当事務所も、倒産しないように(笑)「祈りつつ、前進」できれば良いと思います。

ヴォ-リズ建築は、山梨県内には残念ながら残っていません。ただ、1924年に山梨英和学院を、1917年に「甲府YMCA会館」を設計したと、ある文献にはあります。山梨英和学院については戦災で焼失したことが判明していますが、「甲府YMCA会館」については、不詳です。


ちょっとおかしな?環境用語

2009年06月09日 | 未分類
ある団体の会報に以下のような文章を投稿しました。まず、読んでみて下さい。

前文略―
以前から気になっていた環境用語を改めて考えてみました。それはよく使われている「温室効果ガス」という言葉です。言う間でもなく、CO2などの気体を指しますが、この“効果”という言葉、通常は良い方向とかプラスになる現象の時に使われると思うのです。例えば、『この薬は肝機能の改善に効果がある』と言いますが、『肝機能を悪くする効果がある』とは滅多に使いません。
 「温室効果」という言葉が一般的に用いられる場合は別として、地球環境という視点で使われる場合、CO2などの発生によって地球が温室化することは良い傾向である、と解釈されてもおかしくありません。おそらく、英語から翻訳する際に、どなたかがこういう表現をしたのが最初だと思いますが、本来なら「温室化ガス」あるいは「温室化誘導ガス」とでも言った方が日本語としては適切ではないかと考えます。  
 参考までに広辞苑で調べると、「効果」とは─(1)よい結果。ききめ。(2)その場にふさわしい状況を人為的に作ること。─とありました。

―以上ですが、これを読んで、所属している団体のメンバーから反応があるかと期待していたのですが、全然ありませんでした。せっかくの問題提起も“効果なし”です。