10時と3時のいっぷく

零細建築設計事務所の日常とその周辺を、コーヒータイムに綴ります。

マスコミ活用術

2006年03月31日 | まちかどの近代建築写真展
甲府のような小さな町で、しかも近代建築の写真展といった極めて“マイナー”な催しを企画しても、どれだけの人が見に来てくれるか分かりません。おまけに会場も駅や大型ショッピングセンターや公民館といった公の場ではなく、教会という極めて特殊な場所です。こういう不利な条件を克服するには、マスコミを利用した広報活動に力を入れるしかありません。県内のTV・ラジオ局、新聞社を廻ってチラシを配り報道のお願いをしました。その効果が徐々に現われてきたのか、先日M新聞の取材を受け、26日(日)に記事が掲載されました。

私はこれを知らず、他から聞いたので、新聞社に電話してコピーを送ってもらいました。M新聞のシェアはそれほど大きくないのでどれほどの人が読んでくれたかは分かりませんが、この記事を読んだ他のマスコミからも問い合わせがありました。写真展が近づくに連れ取材も増えて来ると思います。

また、インターネットも活用しました。県内の情報を発信するポータルサイトに登録し、すでに掲載されています。この他建築専門雑誌のイベント欄に投稿したり、市町村の教育委員会(文化財担当者)や大学、高校(建築科のある)、信用金庫、撮影の対象になった建築物の所有者(例えば南甲府駅では改札のホールに)等にチラシの掲示をお願いしました。もう少ししたら、メールで知人・友人に案内をする予定です。
ところで、M新聞の記事ですが、私が話したことと微妙にニュアンスが違います。例えば全国の写真はメーリングリストのそれこそ全国に散らばる仲間が撮影したものですが、記事では“東京都などに住む…”と表現されています。この辺は仕方ないかも知れません。なお、掲載写真のうち、下段の“旧田中銀行”は私が提供したものです。

不精者の整理術

2006年03月31日 | 未分類
“3月は去る”と言われるように、たちまち1ヶ月が過ぎました。根が不精なので、手の届く範囲に良く使う資料や書類を置いておかないと気が済まない質です。従って机廻りはいつも雑然としています。友人や先輩の事務所へ行くといつも整然としているのに感心しますが、どうして私にはああ出来ないのかと不思議でなりません。諸々の細かい仕事がやっと片付いて一区切り出来たので、今日は机の周辺を片付けました。

(これでも片付いた方です)
ずらりと並んでいる書類は長さが1.5mにもなります。今手掛けている仕事に関するもの、ボランティア団体に関するもの(所属するクラブの書記のお手伝いをしているのと、クラブで構成する“部”の広報の役員をしているのと、東日本地区の記念史の編集委員をしているので、これらが相当を占めています)、それに写真展に関するもの等です。この画像の反対側にも机があって、その上は山のように書類や雑誌類が積まれています。こちらはいつ片付くやら。
不精な割には、気分を新たにしないと新しい仕事に取りかかれない質なのです。

段ボールの中は宝の山

2006年03月26日 | まちかどの近代建築写真展
4月22日から甲府で開催する「まちかどの近代建築写真展」、この11日から昨日まで大阪で開催されていたのですが、その写真が大阪の会場から直送されて来ました。

この段ボールの中に全国の近代建築の写真約500件が詰め込まれています。よくよく考えると、これはすごいお宝の山です。この宝を約1ヶ月預かるのですから、こちらもドキドキします。これに山梨県版と教会が会場ということで、教会版を加えて展示します。甲府が終わった後はどこへ送るのでしょうか。まだ決まっていませんが、全国各地でこの写真展が開かれると良いと思います。

“新合併症”

2006年03月24日 | 未分類
市町村の“平成の大合併”も一段落して、我が県でも新しい市が続々と誕生しました。それまで各町村が使用していた役場庁舎は新市の支所として一部の機能を担っています。建築確認申請は県や民間検査機関に申請する前に、建設地の市町村を経由します。建築だからいって「建設課」だけで済まず、例えば埋蔵文化財の発掘に関係すれば「教育委員会」、し尿浄化槽の設置が絡めば「環境衛生課」というように、様々な部署の同意が必要になります。今までは1つの役場庁舎内で済んでいたものが、今回の合併ではあちこちへと行かなければならないことがあります。しかも、市によってまちまちです。これを全部憶えてはいられません。何度か無駄足を踏んだことがありました。この現象を“新合併症”と命名しました。

ところで確認申請ですが、私は今まで民間検査機関は一度も利用したことはありません。全て行政です。同業の仲間から、民間の方が早いし、融通もきくことは薄々聞いていますが、別段特別な理由がある訳ではありません。今日もある物件の申請で、F市の支所に書類を受取りに行き、その足で県の出先機関へ提出しました。以前も同じパターンで申請したら、翌日下りましたので驚きました。おそらく民間へ出すのが増えるとともに県のほうは少なくなっているのでしょう。ところがこの出先機関、4月から別の部署と合併することになり、引っ越しの段ボールが沢山ありました。新しい出先は当事務所からは遠くなりますので、今後はこの地域の確認は民間へ出すことになりそうです。これも一種の“新合併症”でしょうか。

最古の役場?

2006年03月22日 | 建築ウォッチング
彼岸の墓参りで故郷早川町に行って来ました。墓参のついでに早川に残る“近代建築”の撮影もしました。以前、町の「日本上流文化圏研究所」の研究員の方から情報を得ていた2つの建物を訪ねました。1つは「旧早川郵便局」(昭和22年)、そしてもう1つは「旧三里村役場」(昭和28年)です。2つともなかなか味のある建物でした。「まちかどの近代建築写真展」に展示しようと思いますので、ここでは披露しませんが、もう1つの建物を紹介します。

現在の早川町役場です。これは昭和32年の建築ですから、おそらく県内では最古の役場庁舎でしょう。役場庁舎の建設には補助金がありません。自前で建てなければならないので、財政状況が厳しい町では新しい庁舎など作れないのです。
蛇足ですが、私の高校時代の卒業設計は「新早川町役場」で、どういう訳か“最優秀作”に選ばれたのですが、今思うと間違ってもこの案の庁舎が出来なくて良かったと思っています。

天井はキャンパス

2006年03月21日 | 建築ウォッチング

東京駅のドーム天井にCG画像を投射するイベントが行なわれたそうですが、古今東西を問わず、天井や壁面は絵画等のキャンパスになっています。画像は4月に「まちかどの近代建築写真展」が開かれる、甲府カトリック教会の聖堂の天井画。“イカリ”や“百合”をモチーフにした図案が描かれています。キリスト教に関係する意味が何かあるのでしょう。

県庁探訪

2006年03月20日 | 建築ウォッチング
所要があって山梨県庁へ。県庁構内には、内藤多仲設計の本館の他に、県警本部と教育庁が入っている別館(旧本館)、県会議事堂、南別館(旧県立図書館)等が建っています。
別館:昭和5年
県会議事堂:昭和3年
南別館:昭和5年
と昭和初期の建物が並んでいます。別館は平面が山梨の“山”の形をしています。画像はホールの階段です。石張りの重厚なデザインです。

別館と県会議事堂の庇には丸瓦が使われていますが、その先端は画像のように“山”の字が入っています。この字は県のマークにもなっています。

新聞社の取材を受けました。

2006年03月16日 | まちかどの近代建築写真展
一昨日、新聞各社に写真展のチラシを届けましたが、今日某新聞の記者から取材の申し込みがありました。面白い企画なのでイベントとして紹介するだけではなく、記事として掲載したいとのことでした。確かにチラシを持って行った時に、この新聞社の反応が少し違っていたような気がしていました。こちらとしては勿論異論はないので快諾しました。この記者氏も学生時代間借していた住宅が古いもので、近代建築には多少興味があったようです。今回の写真展のいきさつや、展示の内容等の取材を受け、最後に、『Sendohdaさんにとって近代建築とは?』と質問されました。その問いに次のように答えました。
『例えば100年前に建てられた建築を見ていると、今現在自分が仕事としている建築が、果たして100年後の人たちにも愛され使い続けられているだろうか、と思います。近代建築から自分の立つべき位置、進むべき道を教えられる気がします。』

夕方になって記者氏から電話が。記事がボツになったのかと思ったら、『今日聞くのを忘れたのですが、Sendohdaさん、お年は?』

広報活動

2006年03月14日 | まちかどの近代建築写真展
午前中、税務署へ確定申告に。混んでいると思ったので、事前に近くにある電力会社に勤める同級生に面会の約束をしておき、そこに車を置いて税務署に行きました。その後友人(写真展の準備を一緒にしている)と会社内の喫茶室でお茶を飲みながら写真展の打ち合わせをしました。
夕方は7時からワイズメンズクラブの例会に出るついでに、同じく同級生二人の勤める会社をそれぞれ訪ね、写真展のチラシを届けました。たまたまそれぞれの会社の目の前にY新聞、NK新聞の支局があり、取材のお願いとイベントの掲載の依頼をしました。
ワイズメンズクラブの例会でもメンバーにチラシを配り、PRの時間をとって戴きました。このワイズメンズクラブというのは、YMCAを支援する奉仕団体なので、YMCAにも関係が深かったヴォーリズの話題を挟んでPRしました。きょうは実に効率よく広報活動ができました。

肝心な忘れ物

2006年03月12日 | 未分類
この間から、何か大切な“仕事”があるのを忘れていて、その期限が迫っていることも薄々気が付いていたのですが、今日になってやっと思い出しました。それは「確定申告」。3/15が提出期限です。毎年この時期は鬱陶しいものです。ここ数年世の中の経済状況をまともに反映して、わが事務所も減収減益なので、申告書類を作成するのは、そんなに時間は掛からないと思います。ただ、明日(13日)は役所の検査書類を提出しなければならないし、明後日は耐震改修のお宅の打合せが入っていて、結局最終日に提出となりそうです。かつては受付が始まったら、早々に提出していたのですが、年々遅くなって来ました。申告の内容も文字通り深刻なのですが。

桃太郎の故郷?

2006年03月08日 | デザインウォッチング
日本三大奇橋の一つに大月市の猿橋があります。↓

先日都留へ行った折立ち寄りました。実はこの猿橋の周辺には4つの橋があります。文化財になっている、“本家猿橋”、その隣に↓

“新猿橋”があり、これも昭和9年の完成でかなりの風格があります。さらに“新新猿橋”というのが本家を挟んで反対側にあり、現在の国道として利用されています。
そしてもう一つの橋は、「水路橋」で↓、

電力会社の発電の為に作られました。これは明治45年のもので、煉瓦造りです。今も滔々と水が流れています。
今回の写真展の撮影で県内を歩いていますが、今までにも「祝橋」「万年橋」「長瀞橋」といった古い橋を見て来ました。もう少しネタが増えたら、「山梨の橋」といったページを新しく作ろうかと思います。

ところで余談ですが、猿橋に来て気がついたのですが、桃太郎の発祥の地はここではないかと思うのです。「猿橋」の東隣りが「鳥沢」その隣が「犬目」という地名が並んでいます。猿、鳥(キジ)、犬とくれば、まさしく桃太郎です。ただ、鬼が島がどこだろうかとも疑問が残りますが…

伝聞は“違聞”

2006年03月07日 | 建築ウォッチング
人から伝え聞いた話と言うのは、事実と食い違いがあるもので、応々にして“より良い方向”に伝わり易いものです。昨日エントリーした、都留市の二つの物件の建築年ですが、少々気に掛かる部分があったので、改めて調べてみました。最初の土蔵作りの店舗は大正12-13年頃のもので、当初は当地で盛んだった絹織物の店舗として建築されたそうです。もう一つの新聞店もやはり同じく絹織物を扱う会社の建物で、建築は昭和12年だそうです。
極めつけは↓の建物。

昨年の暮れまで呉服店として使われていたのですが、私が当日この建物の所有者と縁のある人から聞いた話では、110年前のものとのこと。110年前と言えば明治です。明治のデザインにしては新しいと思っていたのですが、案の定昭和5年とのことでした。
当事者は贔屓目に見がちで、それが代々伝わって行くうちに増々増幅されがちです。行政等がきちんと歴史を記録しておく必要があると思います。