10時と3時のいっぷく

零細建築設計事務所の日常とその周辺を、コーヒータイムに綴ります。

老後について考える

2006年05月09日 | 未分類
15年前に設計した「緑ヶ丘の家」を久し振りに訪ねました。その当時もすでにお子さんも独立され、夫妻の老後のための住まいということで、特にバリアフリーに力点を置いて設計しました。ここ2年程お会いしていなかったので、その後もお元気かと思ったら、ご主人はバイクで事故を起こし4ヶ月間入院し、今もリハビリに通っている身、奥様もここ2年の間に3回手術をして、歩行に障害が出ていました。老夫婦二人のあまりの変わり様に驚きました。
いつも私がお邪魔すると、奥様が私のコーヒー好きを知っていておいしいコーヒーを煎れてくれるのですが、今日は私が煎れる有り様でした。
しかしお二人ともこういう状況になるかも知れないということを想定して設計した家ですから、階段の巾は少し広めにとってあったので、後から電動昇降機も設置できたし、いわゆる障害軽減のためのリフォームをしなくて済んでいます。

『sendohdaさんには感謝しています』と言われましたが、お二人の姿を見ていて自分の老後と照らし合わせ、複雑な気持ちになりました。

またまた知られざる教会

2006年05月07日 | 建築ウォッチング
連休最後の日、ボランティアのクラブの甲州街道を歩く行事に参加して来ました。私の所属しているのは甲府のクラブですが、特急あずさが走る、中央線沿線の12のクラブで構成している“あずさ部”というのがあって、そのあずさ部のクラブのメンバーが参加して甲州街道を歩くと言う企画です。普段はクラブ単位で活動していて、クラブを超えて部としての行事はあまりありません。実はこの企画は昨年私が役員をしていた時に基本的な提案をしたものですから、言い出しっぺとしては参加しない訳にはいきません。先月第1回目があって、四谷から調布までを歩いたのですが、たまたま他の用事と重なって、参加出来ませんでした。今日の2回目は、調布から八王子までを歩くものです。

実は今回参加した理由はもう一つあって、むしろその方が私にとっては楽しみであったのです。それは、先日終了した「まちかどの近代建築写真展」に八王子から来られた方から、八王子にも古い教会があるということを聞いていたからです。午前は府中まで歩き、昼食後私だけ仲間から外れ、目的地の教会へ向いました。バス停のほど近くにこじんまりと建つこの「カトリック泉町教会」は1927(昭和2)年の建築だそうで、ゴシック様式の特長である尖塔を持つ瀟酒なものでした。外壁はおそらく最近吹き付け塗装されたと思われましたが、内部は建築当時のままと思われ、特に天井のレリーフは見事なものでした。
今日の甲州街道ウォークに参加した地元の八王子クラブの面々も、この教会のことを知らず、甲府カトリック教会同様、知られざる文化遺産を発掘した気分でした。