10時と3時のいっぷく

零細建築設計事務所の日常とその周辺を、コーヒータイムに綴ります。

建築学会の見学会

2005年11月29日 | 研修・自己啓発
どうやら携帯からの投稿も成功したようです。ふだんは携帯からほとんどメイルなど打ったことがないので、結構時間が掛かりました。ただ画像はさすがに悪いですね。それと携帯からは「カテゴリー」の選択ができません。(余談ですが、メイルを“打つ”という動詞の使い方、どうにも馴染めません)
さて、今日の見学会は、建築学会山梨支所が毎年この時期行なっているもので、私も概ね参加しています。今回は東京江東区東陽町にある大手ゼネコン東京本店社屋と横浜の大桟橋国際客船ターミナルを見学しました。
午前のゼネコンビルは、昨年ボランティアの役員会で上京した折よく泊まったビジネスホテルのすぐ近くにあり、びっくりしました。デザイン的に特に目新しいというものではありませんでしたが、ゼネコンの自社ビルということで、色々な試みに挑戦しているということでした。施工の完成度もさすがに高いものがありました。
午後は横浜中華街で昼食後、大桟橋の見学です。この施設は国際コンペで、外国の建築家の案が採用され、今日はその実施設計と監理に携わった日本人建築家の方に案内をして頂きました。建築物というより構造物と呼んだほうがぴったりという感じのデザインでした。最初の写真はロビーから赤レンガの倉庫方面を見たもの、右は屋上広場です。
 

『一建築家の信條』

2005年11月27日 | 建築の話題
このところ巷間を賑わしている建築界の不祥事、会う人毎にこの話題になります。構造計算書を偽造した設計者、建設会社からの圧力、他に何があったのか分かりませんが、とにかく何とも言えないやるせなさを感じます。23年前に事務所を始めた時、3つのしないことを心に決めました。
1.公共工事の設計はしない。
2.ゼネコンの下請はしない。
3.設計の営業活動はしない。
というものです。公共工事の設計者の選定は今では随分改善されましたが、当時私が知る範囲では、「設計料の入札」をするか、仲間同士で仕事を割り振っていたのがほとんどでした。これら3つの事を格好良くまとめれば、「自由と独立」という言葉に象徴されるでしょう。私の事務所のサイトのプロフィールの欄にも経営信条として書いてあります。われわれ建築士はいかなる組織・団体・個人等から制約も拘束も受けないし、ましてやいかなる圧力にも屈しないというものです。
私がこのような考えになったのは、一人の建築家の生きざまに影響を受けたからです。その人は日本の近代建築をリードして来た前川國男。ここでは詳しく書けませんが、私が独立する直前に出版された『一建築家の信條』という本をたまたま読んだことにもその一因はあります。前川へのインタビューと彼の文集で構成された本です。

ところで、23年経った今も、“三箇条”を守っているかどうか、ですが、相変わらず進歩のない人間のようで、ほぼ守っている(守るというような意識はしていないのですが)といっても良いでしょう。
ただ、最近ウェブサイトからの仕事が増えているのですが、これは“営業活動”には該当しないことを宣言しておきます。

樋口一葉と武田五一のまち歩き

2005年11月19日 | 建築ウォッチング
東京文京区のまち歩きをして来ました。中高年読書会の仲間と樋口一葉関連のまち歩きをして、午後は文京ふるさと歴史館で開催されている、「武田五一展」に関連して行なわれたまち歩きに参加しました。文京区の本郷、西片界隈を一日歩きました。

まち歩きが終わって、文京区のシビックセンターで開かれている「まちかどの近代建築写真展」を見ました。これは私も参加している、近代建築探訪を趣味としているメイリングリストのメンバーが主催しているもので、全国の文字通り街角の近代建築を写したものです。(近代建築というのは、主に日本の近代化が始まった、明治以降昭和初期頃の建築です)
その後、このMLのメンバーの皆さんとは初対面なのに、オフ会をしました。ネットワーク社会に生きているありがたさを感じた一日でした。

とんでもないやつ!

2005年11月18日 | 建築の話題
まったくとんでもないやつが現われたものです。こともあろうに構造計算書を偽造するとは。一級建築士の社会的信頼を姉歯某とかいう男が一気に崩してしまいました。こういう事がとうとう建築設計の分野にまで及んできたことに大いなるショックを受けています。こういうことが起こると、当局の規制も厳しくなり、また新たな法律が出てきそうな感じがします。私もこの仕事を永年していますが、過去、行政改革だの規制緩和だのと騒いでも、業務内容が簡素になったことはありません。むしろ、様々な新しい法律が出来て、手続きが複雑になる一方です。今回の事件の一方の当事者である、民間検査機関も過去にはなく、規制緩和の関連で新しく出来た仕組みなのです。民間になったから、今回のようなことが起こったとは単純には言い切れませんが、“甘さ”があったことも否めません。

以前、我が家の南隣りの家で3階を増築したのですが、それが明らかに違反建築でした。それを役所に言ったのですが、一向に埒があかず、結局は泣き寝入りということでした。私が一番悔しかったのは、普段建築の法律を遵守して、施主さんにもそのように指導している立場の人間の目の前で、平気で違反建築を認めている、ということです。こういう体質の人間たちがいる限り、今回のような事件はまた繰り返されるでしょう。

アッセンブリー教会

2005年11月14日 | 建築ウォッチング
知人から、「甲府カトリック教会」以外にも古い教会があるよ、と教えられて、町に出たついでに覗いてみました。キリスト教の宗派のことは良く知りませんが、変わった名前の教会です。ここは以前現場に通った時の通り道。しかしその時は脇目も振らずに運転していたものだから、道路から少し奥まっている教会には気がつきませんでした。この教会は日曜の礼拝の時にしか牧師さんも来ないとのこと。そんな訳で中も見る事が出来ず、外から写真を撮っただけでした。何でも甲府空襲の時もすぐ近くまで戦禍にあったのですが、奇跡的にここは助かったとのことです。また出直してみます。

旧下山医院

2005年11月03日 | 建築ウォッチング
入院している従兄弟の見舞いに行ったついでに、近くにある「旧下山医院」をウォッチング。この建物は明治期の建築とだけ分かっているたけで、詳しい建築年代は不明です。木造3階建ての下見板張り、瓦葺きの建築です。平成12年に登録文化財になっています。私の生家に近い所ですので、子どもの頃から見慣れている建物です。こんな田舎に洒落た洋館があるのを羨望の眼で見ていました。ところが長い間、これが3階建てとは気がつかずにいました。前面道路が傾斜しているため、1階部分が低く見えて2階建てに見えたのでしょう。隣に鉄筋コンクリートの病院を建て替えた時に良く取壊さないで残してくれたと思います。